ベロニカは死ぬことにした。 -10ページ目

東京分断。

いつからだろう、東京が二つに分かれてしまったのは。

わかりやすく山手線で説明すると北は巣鴨、そこからまっすぐ線を下に引いていって南は田町。
このラインを境にして東京は分断されてしまった。

何故分断されたのか?
答えは皆知っているだろうが説明しておこう。


何年か前から人々は口を合わせてこう言うようになっていた。

「分煙」

まるで『煙草を吸うことは悪である』と言わんばかりに世間が騒ぎ始めた。
我々は優良な納税者である(ということで筆者が喫煙者であることがわかるだろう)
そんな有料納税者である我々はその頃から肩身の狭い思いをして生きていかなければならなくなった。

あらゆる公共施設から灰皿が撤去され、お店に入れば「今の時間帯全席禁煙なんですけど」と、さほど申し訳なくもなさそうに店員が言ってくる。
行きつけのカフェですら世間の風に流されて禁煙になってしまう始末だ。

そんな喫煙者への迫害がしばらく続いたが、分煙が騒がれ始めてから5年後に大きな変化が訪れる。
その変化が起こった背景には、当時の総理大臣が大のヘビースモーカーであったということが大きなファクターとしてある。



『都内完全分煙化法案可決』



冒頭で説明させていただいた巣鴨-田町ラインを境に、西が喫煙者の街、東が非喫煙者の街と完全に二つに東京都を分けたのだ。

そして、都境(国境のようにこのラインを都民は都境と呼んでいる)を挟んで今日も都境兵達の睨み合いが続いているのである。




「ちょっと、そこで煙草吸われるとこっちにまで煙が入ってくるんだけど」


「うるせー。ふー(煙を吹きかける)」





■本日の読書
【読了】箱男(安部公房)
ラッシュライフ(伊坂幸太郎)二周目

■本日のガーナチョコ
1枚