仕事柄色々な先生の授業を見る機会があります。この歳になっても私にとって勉強になる教え方の先生はいます。良いと思う教え方はすぐに採用しますし、そういう意味で私の授業は様々な予備校講師や見てきた講師の授業から生まれたもので、私自身のオリジナルはそれほど多くないのでしょう。塾講師としての授業というものは、学校の先生の授業とは根本的に異なっているべきというのが私の考えです。
例えば学校の先生の授業は、社会を例に出すと、どうしてその事件が起こったのか、その原因だったり時代背景だったり深堀をさせようとします。調べてレポートを書かせるのも、その科目に関心を持たせることを主眼にしているからです。関心があれば自分で色々調べて勝手に覚えてもらうという、長期的視野に基づいているのでしょう。しかし塾や予備校はテストや受験で問われる内容にのみ集中して、得点上昇に特化して教えるので、あまり本質に迫った深堀する授業はできません。効率が悪いからです。それでも小手先の暗記方法を楽しく教えるのです。なぜならテストは次から次へとやってくるのに、事ある毎に深堀していたら教えるべきことが終わりません。
国立大学の2次試験のように記述式の問題は、前者の指導方法が本質的に合っていますが、マーク式の選択問題には後者の指導が有益です。学習というものは本来は無味乾燥な暗記だけに特化するべきではないのは百も承知ですが、受験結果にコミットしようと思うと、どうしても出るところだけ集中して覚えさせたいのです。事件の背景についても出ないことを教える余裕は少ししかありません。ただし物理に関しては逆だと思っています。物理は本質を理解することが公式を丸暗記するよりも大事です。
どの科目でも深堀して本質を理解することは、難関受験になればなるほど大事になりますが、中堅層は暗記特化でも突破できます。これは中学受験でも同じです。志望校に対して自分の勉強方法がどちらか偏っているか見直してみることも良いと思います。