説明が難しいもの | メガネ先生のブログ

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 先生を目指している生徒たちによく教えることに、簡単な概念ほど理解させることは難しいというものがあります。例えば1メートルとはどのような長さであるかをきちんと説明することは難しいです。物理を学んでいる人は分かると思いますが、空間は曲がってしまうので、私たちが普段身長を測るときに使っている定規の長さは絶対的な基準にはなりません。ウィキペディアによると元々は「地球の赤道と北極点の間の海抜ゼロにおける子午線弧長を 1/10000000 倍した長さ」でしたが、今は「1秒の 299792458 分の1の時間に光が真空中を伝わる長さ」となっています。

さてそんな教え方をして誰が理解できるでしょう?我々は皆、実際に定規で1cmを見ておおよそ理解し、具体的にこれくらいの長さを体感することで100cm=1mと教えられ、おおよその1mという概念を理解してきたはずです。つまり抽象的な概念を具体化して我々の実体験としなければ、理解することは難しいし、逆を言えば具体的な説明ができなければ生徒に理解してもらうのは難しいことを知っておかねばならないのです。約3億分の1秒で光が到達する長さとか言われても、想像できません。現代文の評論が難しいのは抽象的な表現を咀嚼して自分が分かりやすい日本語に変換できないからです。

 また学習において「大体そんなもん」という遊びを残しておくことも効果的な学習の重要な素養です。厳密に完全に理解しようとする完璧主義の人は、そこに拘るあまり学習が進みません。はじめはなんとなくこんな感じかな、で構わないのでどんどん新しい事に興味をもって進めましょう。どうしてもこだわりたいものが出てたら、それがあなたの生涯の研究対象になるかもしれないです。