変わっていく、父と自分〜その8〜 | ぽんこたつ欲しいみかんの毎日気分は凸凹~生きてるからこそ~

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母の介護、父の死をきっかけに2016年にうつ病になったことから、転職を繰り返し、仕事社会から離れて今は生活保護で暮らしています。家族のこと、日常の出来事、病気やメンタル、伝えたいことや空想、情報など思うまま綴るまとまりのないブログです。


今日を、迎えられたことに、感謝。


昨日は、沢山のご訪問やいいね!を頂き、ありがとうございました。

アメトピでの記事の掲載は多分終わったので、
もう驚異的なアクセス数にはならないかと、、

ちょっとほっとしました。

メンタルヘルスランキング6位とかってあり得ない〜びっくりびっくりびっくり


素敵な数日に、心から感謝です。


さてさて。

ゆっくりと過去を振り返るという覚悟を決められたので、まだ色々とありそうですが振り返ってみようと思います。


ご興味のある方は、読んでみてください。



母が倒れた日33~35

2011年12月〜2012年1月頃の話。



続きです。


(33)


……意識が、飛びそうになる……


あの時の電話の事故とは別に……


その示談金を用意するため、母はキャッシングをしたのだと話しました。


でも………


借りてるのは1社だけではない。


その事がきっかけで、借りたお金を返済するために、また違うところから借りる……


聞いた事はあるこの悪循環……


返すために、また、そしてまた………



父が事故を起こしたせいで……


いっそ服役したほうが本人の為だったのではないかと思いました。


だって、懲りずに何度も……



弁護士さんは、黙って、時々頷きながら母の話を聞いていました。


その光景が何重にも見えてきた自分……



父は、昔。

まだ自分と妹が幼い頃。


母に車の免許を取れと言いながら。


畑道のど真ん中で突然、母に運転するよう強要したのです。


当時、母は免許を持っておらず……


それなのに、ここで練習しろと……



とにかく、その態度が恐ろしかった。

車が何処かに突っ込んだら死ぬかと思った……


やめて‼と叫んでも怒鳴られるだけ。

叩かれるだけ………


父は、悪い事をしているのに、威張っている!!


その事が、許せなかった。恐ろしかった。



母は涙目でハンドルを握りながら、当然のように思うように進まない車を……隣で父に怒鳴られながら……


そんな事をさせる理由が、

『俺が飲みに行って帰ってこれない時に迎えに来い。』



……………………


こんな夫が、親がいていいのか……


高校生になると同じ台詞を子供にもうるさいほど言っていた父。


そのたびに思い出すあの時の事。



なんなんだ、本当に、なんなんだ…



母は免許を取って、行動範囲が広がった。

結果的には良かった部分もあるけれど。


散々父に利用された。


その父は、当て逃げ事故を起こして、家族に迷惑ばかりかけているのだ………



なんなんだ、なんなんだ‼



『お父さんにお金を借りている事がバレないように、いつも車で離れた場所まで行って返済していたんです…』


と、母。


車で。


どれだけ必死だったのか。


そして、今、こんな状態になって………


なんてひどい父。


どんなに恨んでも恨んでも足りない。


お金だけ返して消えてほしい。


『わかりました。大丈夫ですよ。

わたくしにお任せください。

きっと、取り戻せるお金はあります。』


弁護士さんのその言葉に、引き戻されました。


『………本当………ですか?』

母が、信じられないという表情で尋ねる。


『ええ。もう返済の必要はありません。

必ず、いちばんいい方法を見つけます。

ですから、今はお体の事だけを考えてください。』


『ありがとう……ございます……

ありがとう……ございます……』


首がうまく動かないのに、一生懸命お礼をしようとする母……


この苦しみを知らなかったという父……


どれ程罪を重ねるのか………


ここまでひどい事になっているなんて、

考えたくもなかった………



これが、父の、そして両親のしてきた事の………

ほんのきっかけにすぎず……


これから後に更にどんどんくるツケが………



自分も背負わされる事になるなんて………


このときは考える余裕もなかった……




(34)


母が複数の会社からキャッシングをしていた理由が判明しました。


それは、妹とずっと母に問いただしては否定されてきた事……。


そう。

決して、予想出来ない事ではなかった。

父がそれを知らないというのは、罪だ。


父は、黙ってる。




弁護士さんを見送り、しばらく呆けるように過ごし、病院をあとにしました。


父と顔を合わせたくない。


言いたい事が、責めたい事が、恨みが。

山程口から出てきそうで……



だけど。

母は、倒れた事によってこの事がわかった。

もう返済はしなくていいと、弁護士さんが言っていた。

おそらくは、任意整理になると思います…と残して。


母にとっては、複雑だけど、この件に関しては良かったのかも知れない…

このまま誰にも言わないまま、同じことを繰り返していたら……

きっといずれ倒れてしまっただろう……



問題は、父だ。

どう思っているのか、これからどうしようとしているのか…


変わってもらわなくてはならない。

これ以上、母を、自分達を苦しめないでほしい。


もう、たくさんだ。


こんな親に関わらなくていいと言われたら、自分は喜んで絶縁しただろう。


しかし、陰湿という程の親戚達。

そんな事をしたら、後生責め立てられるのは明らか……



『ちょっと帰り、100円ショップに付き合って。』


なんでもいい。


思い付いた途端、すぐにそうしたくなった。

父を強引に100円ショップに連れていき。



買ったのは。


『間に合わせでもいいから、今日からこれを食費専用として使って。』


そう。小銭入れ。


お札も半分に折れば余裕で入る大きめの。


父は、きょとんとしている。


『これに、2000円か3000円位だけ入れて。これからスーパーに寄る。

冷蔵庫空でしょ?』


『ああ………だけど……少なくないか?』


『少なくない!!』


そして、最寄りのスーパーへ。


父と行くのは生まれてはじめて。


というか、父がひとりでスーパーに行く事自体、つい最近までなかった。


『少しは料理するんだから、よく考えて買うんだよ。』


父は緊張気味に、かごに食品を入れていく。

隣で、睨むかのように、いやきっと睨み付けて見ていただろう自分に。


まずは、ここからだ。

買い物は、収入にみあった金額を設定を決めて、それ以上は買わない。

主婦の最低限のやりくり方法。


食費も、光熱費も、父自身が無駄に使ってきた飲み代やタクシー代も。

なにも把握していないのだから。


その無神経に過ごしてきた身体に、神経に、刷り込ませるように叩き込んでやる。


恨み言や憎しみを口に出す事にエネルギーを費やす位なら。


そのほうが、ずっと合理的。





そして、父には最も必要な事…


これからは…


母にはやってもらえないのだから。




出来ない身体になってしまったのだから…






(35)


母のキャッシングの件は、弁護士さんに任せよう。

着手金は、当然のように自分が支払うことに……。


家族で働いているのは自分だけ。

だから、なんとでもなるだろう?


その父の言い分に、心の底から怒りと呆れが込み上げました。


そんなだから、そんな風にいい加減で勝手ばかりしてきたから。

母が倒れたんだ。

倒れた原因は色々ある。

けれど、間違いなく、父がいちばんの原因。


本当に、この手に負えないどうしようもない父を。

仕方がない。自分がある程度は誘導していくしか………


父には、金銭管理、食事、その他手続きなど。

ある程度は自炊経験はあるし、掃除は得意だ。

ひとりで暮らす分には不自由はないはず。


とにかく、暴飲暴食と外に飲みに行かない。

それだけは徹底して守ってもらう。


父にも、きつく言い聞かせ、普通なら出来る事を知らないという事を、ひとつひとつ教えました。


寂しいから、年末は帰ってきてほしい。

そういう父の申し入れを断ることが出来ず。

年越しは父と過ごしました。


それは、あとにもさきにもない。

たった一度の二人きりで過ごした年越しに…。




母は、順調にリハビリをこなしていました。

週末は、実家と病院を行き来する日々は変わりませんでしたが、

母の変化には目を見張るものがありました。


入院から数ヵ月。

頭は真っ白になり、痩せてしまった。

人って、短期間でここまで変わるのか…。


それはショックでしかなかったけれど、
リハビリに励む姿に、応援するように見守っていました。


妹家族も顔を出し、相方も来て。

病院でみんなで顔を合わす事も何回かありました。



『姉ちゃん。』

妹に声かけられ、ちょっと二人で話がしたいと言うことなので、離れたスペースへ。


『母ちゃんが退院したら、家で暮らせるのかな?』

『……それね。もうそろそろ考えないとまずい。』


実家で母が暮らすには、あまりにも心配。


その頃、父には何度か話をしていました。


『どこかもっと安全に暮らせる所に引っ越すとか考えないと…。

あの家だよ?エアコンもない。狭いからベッドだって置けない。

どうするの?』


『おまえ、どこか別の場所になんて言うなら、生活費も家賃も払えよな。

あそこでいいんだ‼』

その一点張り……。


平気で子供にそんな事を言う。

その辺は、まったく成長がない父。


一難去ってまた一難。


家の問題。


それは、父と取っ組み合いの喧嘩になるくらい、言い争うことに……。


父にも、プライドがあったのかも知れない。

父の手で、出来る事を考えていたのかも知れない。


ただ、自分には実家が居心地のいい場所ではなかったから。

こころ休まる場所ではなかったから。


母が退院するまでに。

何とかしてもらわなくては。



とても父の気持ちなど考える余裕はなかったんだ………。



(続く)