先月から参加している「ウィニコット研究会」。
ウィニコット(1896-1971)という人は、ごく初期の母子関係の重要さを述ベた、イギリスの精神分析家、小児科医です。
以前にもお話しましたが、精神分析では、生まれたての赤ちゃんは、まだお母さんとの一体感の中に居て、そこから徐々に自分とお母さんは別物だと気付き、自我が芽生えていくと考えます。
ウィニコットは赤ちゃんだけでなく母親も、子どもと自分との境目なく、子どもの一挙一動に敏感に反応出来る能力が高まる時期(=「母親の原初的没頭」)が存在すると考えていました。
この濃密な母子関係を経てようやく、赤ちゃんの自我の芽生えが可能となると考えたのです。
ここで失敗すると、自分を守るために「いつわりの自己」を形成してしまい、実感の無い、表面上は適応した人生を送る事になる。しかしこの「いつわりの自己」がおびやかされる様な事態に出くわすと、精神的に非常に不安定な状態にさらされると考えたのです。
何か精神的な問題が発生すると、すぐに母子関係に原因を追求しようとする精神分析的考え方は、正直な事を言うと、私は苦手でした
それは自分が責められている気がするから…。
私自身がアダルトチルドレンであったし(下記の『アダルトチルドレン』参照)、そんな私が子育てをするのだから…。
子ども達の不適応は全て自分のせいだと思ってしまうからです(要因は他にもあると冷静に判断出来てる自分も居ます)
そんな私が飛び込んだ「ウィニコット研究会」。
主催者の先生の、臨床家としての姿勢に感銘を受けた事が参加を希望した1番の要因ですが、よりによってウィニコットって…
不適応が全て母親のせいでは無いかもしれない。
しかし大人になっても母子関係で苦しんでいる人は本当に本当に多いから…。
ただ避けるだけじゃなくて、精神分析的観点から母子関係を学ぶ事。
「ウィニコット研究会」は今の私にとって必要な出会いだったと思うのです