2021年10月6日参拝。
「瀧宮神社」をあとにして、深谷駅の反対側へ🏃♀️
「深谷宿本舗」というところでレンタサイクルを借りました。ここから2社だけ自転車で巡ります。
2時間200円という、ちょうどよいプランがありました
熊野大神社
~式内社・白髪神社の論社①~
JR高崎線・深谷駅または籠原駅より、どちらの駅からも3.2km。
自転車で15分くらいです。
一の鳥居から二の鳥居までは250mくらい。参道の両側には住宅が並びます。
いったん道路を横断し、その先は車が入れない細い参道。
車が通れる道路が左手に並列しています。
再度道路を横断すると、やっと境内が見えます。
三の鳥居。
この地は古くから拓かれた土地で、家型埴輪が出土したという古墳時代の森末古墳、奈良時代から平安時代にかけての堂明様遺跡などが知られているそうです。
神社の鎮座する深谷市東方の地名について、『明細帳』は、
日本武尊が東征に際し当地を過ぎる時、里人に「東の方は何れに当たるか?」と尋ねられ、東方の地名になった、と記しています。
境内の『東方熊野社碑』には、
日本武尊が蝦夷平定の帰途、碓井峠に差し掛かった時、弟橘援を偲んで東南を望み、「吾妻はや」と言われたことから「東国」と呼ぶようになり、(これは有名ですが)
国の東にある当地を「東方」と呼ぶのもこれに由来するとあります。
手水舎
水盤は使用出来なくなっていました
創建年代は不詳ですが、社記には
「延長5年(927年)この地に枇杷の木を棟木にして小祠を建て、上野国碓氷郡熊野本宮より奉遷し東方村と号す」
伝えています。
当社は、
『延喜式神名帳』武蔵国幡羅(はら)郡・四座の一「白髪神社」の論社の1つ。
現在は、熊谷市妻沼の「妻沼聖天(歓喜院)」説が有力で、『神名帳考証』『神社覈録』『特選神名牒』などはいずれもその説。
菱沼氏も『武蔵の古社』の中でこの説を支持しています
『大日本地名辞書』だけが、深谷市東方の「熊野神社」(当社)ではないか、としています。
「妻沼聖天」と「白髪神社」の関係については、また熊谷市「白髪神社」の時に詳しく触れます
大正時代に、社掌が願書を提出しました。内容は…
当地が清寧天皇の御名代白髪部(しらがべ)にかかわるため、当社を延喜式の白髪神社と改称したい。
さらには、御祭神に白髪武広国押稚日本根子尊(清寧天皇)を追加したい。
ですが、内務大臣から却下されているとのことです。
この時、埼玉県神職会も、
御祭神は清寧天皇、または『新撰姓氏録』に見える白髪王ではないかとの見解を呈し、白髪王は開化天皇の皇子・彦坐王四世の孫であり、彦坐王の子孫は東国と深い関係がある、としています。
埼玉県北部の神社を巡っていると、由緒に清寧天皇が出て来ることがたまにあるのは、そういうことだったんだ
埼玉には「白髪」も「白髭」もあって紛らわしいです。
拝殿
神額。
【御祭神】
伊邪那美命
速玉男命
事解男命
勧請元の、群馬県安中市「碓氷峠熊野神社」の御祭神は、
●新宮殿=速玉男命
●本宮殿=伊邪那美命・日本武尊
●那智殿=事解男命
ちなみに【熊野三山】の御祭神は、
●熊野本宮大社=家津美御子大神=スサノオ(五十猛説あり)
●熊野速玉大社=熊野速玉大神=イザナギ
●熊野那智大社=熊野夫須美大神=イザナミ(事解男命説あり)
なので、若干違いますね
賽銭箱。
「榊」は、常緑で、枝を切ってからも日持ちが良いため、神前に供えられたり、神事にも用いられるようになりました。
本格的な祭は長期に及ぶため、祭具や飾りものはその期間萎れないものが必要でした。
神崎宣武著『社をもたない神々』によると、
日本の神々は青々と繁った樹木がお好き。光が当たると神々しく輝き、たおやかに揺れる=依代の依代たるゆえんである。
ゆらゆらと揺れながら神は降臨し、紙垂がサワサワ揺れる=御魂振りをあらわす、とのことです。
拝殿前で二拍手するまさにその瞬間、フワッと風が吹いて紙垂が揺れることありますよね
紙垂は揺れることに意味がある。あの切り方、あの形を考えた人すごいと思います
稲妻⚡を表すとも言われますよね。
江戸時代には東方村の鎮守として祀られ、明治42年に地内の5社を合祀、大正13年郷社に列格しました。
現在氏子数は850戸、崇敬者は2,000人とのことです。
瑞垣とご本殿
現在のご本殿は、深谷市上野台の領主が、当社が深谷城の東北にあたることから城の守り神として崇敬し、社殿を寄進したものとのこと。
深谷市の指定文化財です。
瑞垣の隙間から撮影
御扉が3つ並んでいるのが見えます。御祭神の3柱と一致します
美しいご本殿です
三の鳥居をくぐった左手に
神楽殿。
神楽殿の奥からご本殿の裏まで、
ずらりと並ぶ境内社を順番にご紹介。
阿夫利神社。
【御祭神】大山祗命
小御嶽神社(石碑)。
【御祭神】磐長姫命
父神の隣りに並んでいます。
八幡神社。
鬼林稲荷神社🦊
雷電神社の御祭神・大雷神は、イザナミの遺体から化生した八の雷神のうち、最初に生まれた神です。
長い参道でも境内でも、誰にも遭遇しませんでした。
ずっと私一人きりだったのに、お祭りなどで賑わう境内へお参りして来たような、そんな気分になりました
たくさん並んだ境内社に囲まれているからなのかな。
全然嫌な感じはなかったので、歓迎されたのは間違いないと思います
温かく賑やかな雰囲気の神社でした
お読みいただき、ありがとうございました