息子の部屋のエアコンの調子が良くない。



効きが悪く、南向きの部屋なのでかなりの暑さになるらしい。



それに加えて、夫の膨大な荷物がその部屋を占拠していて、埃が積もっている。



埃アレルギーのある息子は、それで鼻水やくしゃみが出てしまう。



「こんな環境で、健康被害も出ていて耐えられない!一人暮らしをする」と訴えてきた。



それならば、一人暮らしの練習にもなるし、ウィークリーマンションを探そうかと、ネットで検索したり、物件を(外から)見に行ったりした。



その一方で、エアコンを買い替えることになった。



1日のほとんどを部屋で過ごす息子にとって、猛暑の中での冷房は命に関わる大切なものだ。



配線の都合で、普通のエアコンは付けられないそうで、窓付けのエアコンを家電量販店で注文した。



楽しみに待っていた工事の日、やって来た取り付け工事の人が窓を見て



「この窓には付けられません」と言うではないかガーン



どうやら、サッシの立ち上がり部分があるので、窓のサイズからそれを差し引いた長さの物しか取り付けられないらしい。



けっきょく、頼んだ品物はキャンセルとなったえーん



ならば、ネットでサイズの合うものを探して、息子に取り付けてもらうことにした。



ネットの中の説明には、女の人が一人で取り付けている絵があって、『工事不要』と書いてあるので、簡単な作業だと思って軽く考えていた。



数日後に商品が届いて、息子が作業に取りかかった。



ところが、ネジで補助金具を窓枠に取り付けたり、枠を窓枠に固定したり、サイズに合わせてジャバラをカットしたり…なんだかとてもめんどくさそう💦



私は、説明書を読むのが苦手というか嫌いなので、息子に任せていた。



作業を始めた息子は、ネジ1つにも苦労していた。



考えてみれば、中学もまともに通っておらず、技術・家庭も学ぶこともなく、作業経験もほとんどない。



手に力が入らず、まっすぐにネジを締め込むのも難しそうだ。



ドライバーを替えたりしながら悪戦苦闘して、なんとかネジ止めはできた。



次に、エアコンを引っ掛ける枠を取り付けるのだが、サイズが合わずに、窓に収まらない。



うまくいかないので息子は「できない!僕には無理だよ~」と近所に聞こえるくらいの大声で叫びだした。



怒っているようにも見える。



ここで、以前の私ならザワザワしまくって、『なんとかしなければ』が発動していた。



息子の機嫌が良くなるように、物事がうまく行くように、手出し口出しして、なんとかその場を収めようとアワアワしてしまっていた。



ところが、この度はわりと冷静に見ることができた。



どうにもならなければ、返品できるかな?無理かな?

夫は動けないから、誰が専門の人に頼んだ方がいいかな?



などと、ぼんやり考えながら黙って放っておいた。



「何か手伝うことがあれば、言ってね」という一言だけを息子にかけて。



息子は、しばらく休んでいたが、もう一度説明書を見直して、読み落とした部分に気がついたようだ。



「あ、こうすれば良かったんだ!」と言って、再び作業を開始した。



なんとか枠も固定できて、最後にエアコンの本体を引っ掛ける所だけ、私も手伝って2人で持ち上げた。



カチッという音とともに、本体の取り付けが終わった。



やれやれ、息子が最後まで1人でやり切れてよかった。



専門の作業の人なら30分もかからずにできることなのだろうけど、息子は何時間もかけてやった。



「慣れてないから時間がかかった」と言っていたけれど、きっと息子の自信にもなったことだろう。



子どもの頃から、息子がぐずったり荒れたりするのが嫌だったので、息子の機嫌を私が取るパターンができてしまっていた。



それが、息子の失敗から学ぶ機会を、立ち直り方を身につける機会を、奪っていた。



息子が大人になった今、やっと境界線を引くということが少しずつできるようになった。



学んでよかったし、もっと早く知りたかったとも思う。





ところで、新しいエアコンで部屋が快適になり、夫の荷物も少し減らしたせいか、一人暮らしの話はどこかに行ってしまったようだ。



私は、よい機会だと思ってたんだけどな〜爆笑