今回は「職業別で見る第3次産業の中の優遇不遇」宿泊・飲食業編を書いていきたいと思います。
この産業も前回の医療・福祉業ほどではないですが、働いている人の男女比が女性の方が圧倒的に多いです。
また、その中で男性は雇用されている人の総数が931,419人いるのに対し正規雇用が507,678人パート・アルバイトの数が407,658人です。
対して女性が雇用されている人の総数は1,704,409人居るのに対し正規雇用が274,734人に対してアルバイト・パートの数が1,406,713人となっています。
この数字を見てもわかるように女性の方が圧倒的に正社員じゃない雇われ方をされている方が多いです。
男女の働いている人の総数だけを見た場合男性の方が総数が少ないのにも関わらず、女性の方が正規の職員が少ない。
これをどう考えるかというのも今回の宿泊・飲食業編で書いていきたいと思います。
さて先ほど書きましたが、皆さんはこの男性の方が正規が多いが、働いている人は女性の非正規の方が多いというのはどう考えますか?
男性の宿泊・飲食業で働いている人の総数は個人経営やチェーン店などの全ての物を含めて1,316,404人です。
これは女性のアルバイトの人数よりも少ないという結果です。
ではこれをアルバイトやパートに安い給与でこき使っているブラック業界だ!
と考えますか?
女性の正規雇用をもっと増やせ!
と思いますか?
私は両方とも有りえない考え方だと思います。
こういう考え方をする人はおそらくよっぽどのお金持ちでそういうお店でご飯を食べたことが無いか、社会に出て正規職員(又は従業員)として働いたことの無い学生なんだろうなと思ってしまいます。
というのも駅などにある求人情報誌を見てもわかるように、どの飲食業も宿泊業もそこそこの数の正社員募集が出ています。
安い給料でこき使うな!というのであればそちらの正社員の方で応募したら済む話ですし、女性の正規雇用も募集されています。
実際私も学生のころに飲食店でアルバイトをしていて、社員さんともよく話していましたがそもそも女性の正社員応募の電話なんて鳴ったことすらないとおっしゃっていました。
それにどこからが安い給与なのかの線引きは私にはわかりませんが、自分にある程度都合の良いようにシフトを組んでくれて、大きな仕事上のミスをしても一切損害に対する責任が無く(問えない)誰でも出来るような仕事内容である。
この全ての条件があればアルバイトなのですが、その上でさらに良い給与を求めること自体がそもそもの間違いではないのかなぁと私は思います。
今では主要都市部ですとちょっと探せば時給が1000円を超えているバイトなんてすぐに見つかります。
それらを選ばずに自分の中でやりたい職を選んでおきながら、待遇に対して文句を言うのはお門違いです。
さっさと辞めてしまいなさいとしか言いようが有りません。
良く聞くのが正社員と仕事の内容が一緒なのに安い給与でこき使われてる!という意見を良く聞きますが、飲食店で現場でやっている仕事の中で正社員の人とアルバイトで大きく違うのはお店に対する責任です。
クレーム処理もアルバイトにやらせても別に問題はありません。
その後大きな問題になったときにアルバイトではなくその任せた正社員が責任に問われるだけです。
アルバイトが発注・清算・在庫管理の全てをしても問題はないのです。
何か問題が発生したら責任を負うのは正社員ですから。
アルバイトですとシフトを変えて欲しくなったら気軽に言えますが、正社員ですとシフトの変更はなかなか通りません。
最近の人は何かを勘違いしているのか、飲食店と他の普通の企業の営業マンや事務員さんと比べて責任という言葉を言っていますが、こと飲食業などの接客業と呼ばれている仕事については責任というものは他の仕事と比べて割合が大きく違います。
仕事に対する責任ではなくお店に対する責任ですので間違えないように。
その責任という部分が大きな給与の違いになってくるのです。
決して他の仕事が責任を重要視していないという訳ではなく、接客業に置いての責任は全く別の物なのです。
そういった理由もありそもそも宿泊・飲食業で働く人たちの中で、正社員を希望する人が極端に少ない事、女性の就業者の中でそもそも正社員を望んでいない人が圧倒的な人数いるので、こういった就業者の状況になっているのが現状です。
またお手軽さというのも正規職員の数が少ない原因の一つで、とりあえずアルバイトかパートをしようと考えた時に募集されている求人を見ると飲食業の求人が圧倒的に多いのも原因です。
そして普段から関わる事の多い業種ですので、比較的抵抗なくその職に就くことが出来ます。
企業から見るとこれは不遇な部分に見えるでしょうが実はその逆で飲食業界は他の様々な業界から見ると圧倒的に人材確保が楽な職業です。
私の会社は第3次産業ですがかなり特殊な事業ですので、1度募集を出したところでバイトも正社員も全然応募の電話が鳴りませんが、飲食業でバイトをしていた時は1度出すと電話に人が取られて仕事の妨げになるくらい電話が鳴っていました。
かつ飲食というのは忙しい時間帯というのが一番わかりやすい業界です。
人手が必要な時間帯がわかっていれば、人を雇うのもかなり楽ですしそもそも希望者が多いので人材不足に悩まされることはあまりありません。
働く上での需要と供給が今の社会とかなりマッチしています。
この点は特に行政で優遇されている訳でもないのに、社会的にかなり優遇されていると感じます。
しかし募集がたくさん出ているという事は逆に言うと定着率もかなり悪く、ハイペースで働いている人が変わります。
そしてその募集が出ている分だけお店が存在するという事ですので、競争はかなり激化しています。
繁華街に出ると2件に1件は飲食店なんて地域もざらにあるほどです。
行政的に見た時の優遇不遇はまずしっかりとした法整備がなされています。
飲食店を出すときは資格が必要ですし、税務署などもしっかり入るので優良企業からすると悪い会社は排除されやすいです。
しかし逆に数が余りにも多すぎるという点と、数が多すぎるので行政がその全てをチェックしきれないという点もあります。
そうなってくると逆に悪い儲けを考える所が客を捕まえやすいですし、優良企業などはかなりしんどくなります。
またよほどの立地条件や味でなければ固定客を取るのが難しく、その日の集客予想も大雑把になります。
しかも一定の時間に集中してしまうと、せっかく訪れて貰った客を逃してしまうとこにもなります。
そういった面でリスクも多い職業ではあります。
宿泊業については特殊な業界ですのでなかなか私の知識が及ばない所もありますが、特徴的なのはある範囲内に密集して存在していることが普通ということです。
他の職業では繁華街にもあるし郊外にもあるし、ビジネスタウンにもあるしと会社や店舗の場所が様々ですが宿泊業に関しては大抵がその地域の大きな駅前かビジネスタウンの駅前にあり、それ以外は観光地に集中しているのが特徴です。
そしてこの職業は他の職業と働く時間に関する法律が違います。
他にもそういった職業は飲食系もそうなのですが、詳細については調べてください。
基本的には24時間常に誰かが施設の中に居なければなりませんがその日によって客の数は常に変動します、ですのでかなり特殊な勤務体制になります。
次に特徴的なのが初期投資費用が他の職業と違い桁外れに掛かるという事です。
民宿のような宿泊施設であっても建物のほかに普通に生活する品物全てを宿泊出来る組数分用意をしなければなりません。
駅前の高級ホテルになってくると調度品も一級品ばかりですし、部屋数がかなり多いです。
この宿泊・飲食業というのは行政的な優遇・不遇はあまりありません。
ただ言えることは行政が抱えきれる数を超えてしまっているため、取り締まりが出来ていないお店が多いという事の方が問題でしょう。
その点ある意味不遇だと言えるでしょうし、今回の消費税増税の一番のあおりを受けている業界でもあるのではないかと思います。
宿泊も飲食も食べるものを提供します。
食事を提供する時に材料費がかなりかかりますので、消費税が変わると全てのメニューにおいて使っている材料の種類と量によって金額が変わってきます。
値段を据え置きにするとすればより安価な食材を使わざるを得ないし、値段を上げるにしてもなかなか受け入れてもらえる物でもありません。
消費税が3%上がったら商品が3%上がると言った簡単な話ではありません。
食材の輸送費も3%上がっていますし、どこか1つでも間に入っている会社が企業努力をしてしまうとどこかで歪がでます。
となればより多くの材料を使っているお店が一番被害にあいやすくなります。
街中にある飲み屋であってもそうですが、実際の売り上げを1円単位までしっかり出している所は少ないんじゃないかなと思います。
実際小さい規模の飲食店や飲み屋はかなりどんぶり勘定でやっている所が多いですが、行政はなかなか取り締まりをすることが出来ていません。
行政は消費税を上げる前に取り損ねている物をしっかりと取ってから最終手段として税率の変更をするべきじゃないでしょうか。
まとめ
優遇
・基本的にどちらの業界も行政の観点では優遇も不遇もされていない。
・人材確保がかなり楽な業界である事。
不遇
・少し前にツイッターなどで問題になったように、社会的モラルに欠けた人が責任の観点を勘違いしている。
・基本的にどちらの業界も激戦区での戦いになるので客の取り合いになりがち。
・数が多すぎるので行政の目が行き届いておらず、優良店でも行政の目を潜り抜けているような悪い店舗に潰されることがある。
個人的感想
ある程度の競争は良い事だと思うが、行政がそこにブレーキを掛けなければ就業者であり消費者でもある国民全員に被害が出ている。
基本的にどんぶり勘定なので上手な行政の介入方法が必要だと思う。
今回はここまでで次回は「職業別で見る第3次産業の中の優遇不遇」運送・郵便業編です。
ではまたの機会に!