今回は法制度その2を書いていきたいと思います。
前回は労働環境全体から見た法制度の歪みを書いていきましたが、今回はブログのタイトル通り企業側に焦点を当てて書いていこうと思います。
前回も少し触れましたが、この国の労働関係の法制度は基本的には皆さんが想像している典型的なサラリーマンを基本として整えられています。
これがどのように社会に歪みをもたらすのか、今回はそこを書くことで色々な企業の苦悩がわかっていただけると思います。
まずこの典型的なサラリーマンと言うとどういう事か、朝の8時に出勤して夕方17時(1時間程度の前後有)に退勤する。
所謂9時間拘束の8時間労働という奴ですね。
そして土曜日は出勤だけど基本的には日曜日は絶対に休み。
これが労働時間における基本となっていると思います。
まずこの部分ですでに違ってくる会社がたくさんあります。
まず24時間営業のお店が今の日本では目に見えない所でたくさんあります。
代表はコンビニですが介護職や病院など医療福祉関係のお仕事のほとんどが昼夜を問わずに働いています。
タクシーの運転手なども個人で見れば決められた労働時間ですが、会社で見れば24時間働いていることになります。
他にも営業時間が9時間以内に収まらない会社というのは、ほとんどが交代制などの会社の中の規定によって働き手の労働時間を分けて9時間以上の営業時間を保っている状態になっています。
しかし現行の法制度はこの9時間拘束の部分にだけ焦点を当てすぎている状態で、個人にばかり焦点を当てすぎているのが現状でこの制度により様々な会社が引くに引けない状態となっているのです。
なぜ引くに引けないのか。
皆さんは労働者であると同時に消費者でもあります。
その中で全員に当てはまるとは限りませんが想像してみてください。
24時間365日いつでも開いている便利なお店。
開いている時間は決まっているがいつでも開いているお店より少し安いお店。
このどちらの常連になっていくか。
これだけの条件だと「少し安いお店に行くに決まっているじゃないか!」
そう思う人も少なくないと思います。
では次に
24時間365日いつでも開いている便利なお店。
自分が働いている時間にしか開いていないお店。
1人当たりの労働時間が9時間拘束と決められている上、22時以降は深夜手当をつけなければならない、全ての会社が一緒の労働力で回っていると考えると自分の働いている時間にしか開いてないお店が存在してもおかしくないですよね。
こうなってくると仕事中に行くわけにはいきませんから便利なお店が、本当に便利に感じてきますよね。
でもこれは便利と感じるのはその24時間営業のお店以外の人です。
24時間営業のお店で働くことになった人はたまったもんじゃありません。
そこでサラリーマンと一緒のように9時間拘束の法律を適用しよう!
となる。
しかしお店は24時間開いているので最低でも3人は必要になってきます。
じゃあ単純に3倍の賃金で良いのか。
そういうわけにはいきません。
22時以降に働く場合は深夜手当を必ずどんな職業で合ってもつけなくてはいけません。
それに全ての休日も開いているのですから休日手当もつけなければなりません。
深夜手当は25%アップ休日は35%(だいたいの目安)です。
休日の深夜働くとなると60%アップです。
本来ならこういった事情があるのですから、深夜に来たお客様には25%の割増料金を頂いて休日の深夜に来た場合は60%アップにしたらいいじゃないか!
と感じる方もいると思います。
しかしそれではいつでも開いているだけのお店であって便利ではなくなる!
こういった意味の分からない経営者の考えで値段据え置きになるのです。
こういった歪みも簡単に言うと(もっと複雑に色々決めればなんとかなるが)法制度が労働者に関する法律のみで国が日曜日が休日!
と定めていないので起こる事ですね。
働き手を守る法律の中に休日という言葉がたくさん出てくるのに、その休日を定める法律はなく各会社が休日を設ける、とだけしている物だからこの競争社会において格差が生まれていくのは仕方のない事だと思います。
昔は各業界によって休日は暗黙の了解で決まっていることが多々ありました。
例えば美容院や理容院は月曜日が定休日のところが多いのですがこれは特に法律で決まった事ではありません。
またデパートなども今では毎週決まった曜日は開いていないという事はないですが、昔は毎週定休日が存在していました。
このように業界が足並みを揃えて休みを取らないと、休日だった日にも働かなければならない状況になっていくのです。
もともとこのように足並みを揃えて休む事を前提とした(サラリーマンを基本としているので)労働条件であるのに、足並みが揃わなくなるとまずは企業が経費の増加に悩みます。
そして先ほど書いたように商品を値上げすれば解決するのですが、ここでも商品の値段を据え置きにするような店が出てきてしまうと、もうどうあがいても経費分を取り戻せません。
値段に転嫁すると労働者への負担の増加だという人が大多数いますが、それははっきり言って見当違いも良いところです。
目先の事だけを考えると支払う料金が増えるのかも知れません。
しかしもともとは休みで開いてすらいなかったのです。
休みだったのですから、それまで通り行かなければ良いだけです。
次に企業が所謂企業努力をしてしまうと、その先に待っているのはその企業で働いている人の労働条件の悪化です。
まずは労働日数の増加、労働時間の増加、賃金の低下...
この先に待っているのはサービス残業です。
これでブラック企業の出来上がりです。
このようにありとあらゆる企業が乱立している今、業界の力だけで足並みを揃えるのはもう不可能と言って良いでしょう。
もう法律を改正してくれるのを待つしかないのです。
便利な分高い・人が嫌がって(休日が減るなど)やらない事をしていたら高い。
この原則が崩れてしまっている今、この部分を元に戻さない限り日本の労働環境は良くなることはこの先ずっとないでしょう。
長くなってしまいましたがこのような状態なので各企業は法制度で頭を悩ませています。
国がルールを決めないまま起業のリスクを減らしたことにより、あらゆる業界に価格破壊が起きました。買い手側のみで見ると良い事のように見えますが価格が破壊されるという事は企業の収入が減るという事です。
企業の収入が減れば個人の収入も減ります。
そのようにしてどんどん消費が抑えられていきます。
収入が減ったから価格破壊が起きたのではありません。
価格破壊が起きたので収入が減ったのです。
次回は「ブラック企業はなぜなくならないのか」を書いていきたいと思います。
ではまたの機会に!