相葉くんとの距離が近づくたび、ずっと思ってたんだ
オレのどこがいいんだろうって?
どこからどう見ても『男』なんだよ?
柔らかくもないし、胸だってあるわけでもない
可愛さだって、ひとかけらもないやつなのに
カッコよくて
笑顔は可愛くて
スタイルだって完璧
人を思いやることが出来て
誰にでも優しくて
世の中にこんないい人、いる?
ってくらいな人
そんな人が、オレみたいなやつと付き合っていいんだろうか?
もっと、素敵な人がいいんじゃないか?
もっと…もっと…
オレは言いながら、持っていたクッションに顔を埋める
「相葉くんに、好きって言われて、抱きしめられて。すげー嬉しくなるんだ。これって、もうオレは相葉くんのこと…でもさ、いつかは気が付くんじゃないかなって」
「気が付く?」
「うん。オレみたいなやつといても楽しくなんかないってさ」
「どういうこと?」
「仕事が趣味みたいなやつだよ?料理だって出来ないし、相葉くんを楽しめるようなこと、一つも…」
無理に笑いながら、顔を上げて二人の方を見ようとしたら、智くんがそっと自分のスマホをオレの耳に当てる
『そこから、動かないでください』
相葉くんの声が聞こえて驚いて智くんを見れば、智くんはふふっと笑って
「その先は、きちんと相葉ちゃんと話した方がいいだろ?」
「え…でも…」
「もう気持ちは翔くんの中で出てるんだから、あとは二人で話しな」
そう言われて智くんとニノを見れば、2人とも優しい顔でオレを見る
「なんか変なことされたら、すぐに連絡してね。助けに行ってあげるから」
「ありがとう」
三人で、ふふと笑ってると、部屋のチャイムが鳴った