「で、どうするの?」
あれからすぐに相葉くんから離れて自分のデスクに戻り、なんとか最後まで業務をこなして、逃げるように智くんのとこに行った
何かを察知してくれた智くんは、笑顔で自分の部屋にオレを連れてきてくれた
夕食の準備をしてくれている間に、ニノも来てくれて、2人にお見合いのことを話した
「どうするって…」
ソファに座り、クッションを抱きながら顔を埋めていると、隣に座っているニノに優しく頭を撫でられる
「断るの?」
「出来ないよ。だって…」
「上司だからって、そんなことまで聞く必要ないと思うけど?」
「そうなんだけどさ」
「翔くんの悩みは、それじゃないんだろ?」
智くんはテーブルに料理を並べて終えて、オレにビールを渡す
「翔くんは、お見合いの方はダメだと思えば、断るよね。そういうとこ、はっきりしてるし」
「相葉さんか」
ニノはくすりと笑ってオレの顔を覗き込んだ
「う~~」
「可愛い」
「可愛くなんかない!」
オレは智くんから受け取ったビールを開けて、ぐびっと飲む
「ホント、翔くんは分かりやすい」
「そんなことない」
「分かりやすいよ」
ニノは笑いながら、オレの頭を撫でる
「もぉ!」
「分かった分かった」
智くんはオレの隣に座ると、オレからビールを取り、それを飲んだ
「相葉ちゃんはなんて言ったの?」
「え?」
「お見合い話、相葉ちゃんは知ってんだろ?」
「うん」
「で?」
「断ってくれって」
「だろうね」
「それで……俺を好きになってくださいって」
「返事は?」
「へっ返事なんて…」
「翔くんは、相葉ちゃんのことどう思ってんの?」
「どうって…いい人だと思うよ。イケメンだし、料理は上手いし、優しいし。オレのこと、ホントに好きなんだなって思う…けどね」
「うん」
オレはふぅと息を吐いて、ずっと考えないようにしていたことを話すことにした