「お見合いですか?」
目が合った瞬間、相葉くんがオレに近づき、そのまま腕を掴まれて喫煙室に連れて行かれた
そこで今、長野さんと話したことを言えば、ショックを受けた顔をして言われた
「まぁ…世間一般ではそういうことになるかな」
「なんですか、それ」
「だっだってさ、上司に言われて断れるわけないだろ」
「断ればいいじゃないですか」
「断ればって…一応、取引相手だし。それに、嫌なら付き合わなくて…」
なんで、オレがこんなに相葉くんに言い訳みたいなこと言ってんの?
けど、相葉くんがあまりにもショックを受けたような顔してて
なんかものすごくオレが悪いような気がしてきて
「会うだけって…」
「そんなの嘘に決まってるじゃないですか。もぉ…櫻井さん」
「何?」
「なんで、櫻井さんにその話を持ってきたか分かってます?」
「え?ああ、先方が長野さんに誰かって…」
相葉くんは、大きなため息をついて
「そんなわけないでしょ。相手先の娘さんは、櫻井さんのことが好きなんです」
「はぁ?!」
「俺、前に長野さんと島田商事の専務を接待したことがあって。その時に、向こうが櫻井さんのこと聞いてきたんですよ。あの時、言っとけばよかった」
「何を?」
「俺と付き合ってますって」
「はぁああ?!お前は、バカか!いつ、オレと相葉くんが付き合ったんだよ!」
「そんなのこれからでも遅くないじゃないですか。あんなことしたじゃないですか」
相葉くんににっこり笑って言われて、顔が真っ赤になる
「ばっ…」
そんなオレを相葉くんは抱きしめて
「お見合い話、断ってください」
「だから…」
「櫻井さんが他の人のものになるの嫌なんです。だから、俺のことを好きになってください」
相葉くんは真剣な顔でそういうと、オレを少し離してキスをした