まぁーくんは、激しさと優しさと
しょーさんを見ながらスルと思うんだよねー←なにそれw
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
5人での収録。
楽屋での雰囲気は、傍から見たらいつも通り。
ただ違うのは、いつもならニノの隣に座っているのは、大野さんなんだけど。
「それ、どういうことなの?」
「これはさ…」
隣には、しょーちゃんが座ってて。
仲良く新聞を読んでいる。
そんな2人を見ていられなくて、ソファに腰掛けて雑誌を読んでいる松潤の隣に座った。
「逃げてきたの?」
松潤は、雑誌から目を離さずに俺に言う。
「そんなんじゃないよ」
「じゃ、前みたいに入って行ったら?」
「マジで言ってんの?」
「行かないなら、俺が行くよ?」
「なんで?」
「俺ね、前のしょおくんの笑顔の方が好きだから。今の笑顔は好きじゃない。そういうこと」
松潤は、雑誌からこっちに視線をやるとニヤリと笑う。
そして、顔を俺の耳に寄せて。
「しょおくんの方を見て」
囁くように言われて、ちらりと言われた方を見れば、しょーちゃんが慌ててこっちの方から顔を背けた。
え?見てたの?
「俺の言った通りでしょ?」
「で…でも、たまたまだったのかも…」
「今はそれでいいんじゃない?」
松潤は俺から離れると、また雑誌に目をやる。
俺はもう一度、しょーちゃんの方を見たが、それから一度もこちらの方は見なかった。
いつも通りに番組の収録が進む。
俺の隣には、しょーちゃんがいて。
笑顔で接してくれてるはずなのに、見えない距離がある。
触れてくることはない。
セットチェンジの合間は、すぐにしょーちゃんのそばにはニノがいて。
楽しそうに話したり、肩を組んだり。
みんなから見れば、いつも通りの仲の良いメンバーに見えるのかもしれない。
ニノは必死だよ
松潤の言葉が頭の中で繰り返される。
もし、しょーちゃんの記憶が戻ったら?
どうなる?
俺を好きだったしょーちゃんは、もう俺のことなんてなんとも思わなくなる?
「調子が良すぎんだろ、俺」
「何が?」
思わず出た言葉に、近くにいた大野さんが聞いた。
「え?」
「どういう意味なの?」
「え…いや…」
真っ直ぐ見つめられて焦る。
大野さんもしょーちゃんのことを想ってる。
でも、大野さんはニノにしょーちゃんを託している。
「まさかと思うけど、相葉ちゃん、翔くんのことを」
「そ…そんなこと!」
大野さんは、真顔のまま。
「ニノに任せてくれって、俺、言ったよね?」
「うん」
「それ、出来なくなってんじゃない?」
なんで、みんなは俺の気持ちが分かるんだろう。
「もしさ」
「え?」
「もしそうなら、早くそれをニノに言ってあげて。俺、これ以上苦しむやつを見たくないから。みんなが笑ってる姿を見たいよ」
「大野さん…」
「ニノのことは、俺らに任せとけ。好きなゲームでも買ってやるよ、あいつに」
大野さんは、優しく笑うと俺の肩をぽんぽんと叩いた。
「ごめん」
「何が?」
「大野さんもしょーちゃんのこと」
「翔くんはさ、笑ってるのが一番なんだよ。それが出来んのは、俺らじゃない。相葉ちゃんの隣で笑ってる翔くんが一番可愛いんだからさ」
「ごめ…」
「だから、謝んなって」
大野さんは、俺の肩から手を頭に持っていき、優しく撫でる。
「次のゲームで、翔くんに良いとこ見せてやんな」
「うん」
「ホントに手のかかる弟たちだよ、まったく」
撫でられてる手がすごく温かくて、俺は泣きそうになるのをぐっと堪えた。
つづく