あなただけをみつめる。11 | 青いたんぽぽ

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腐なので、ご注意ください(笑)

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少し、動き出す?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜

 

 

 

授業料のケーキをおごってもらい、有岡くんとはその店で別れる。

オレも相葉さんにお礼を言って帰ろうとすると。

 

「櫻井さん」

「はい」

「お酒、飲めます?」

 

なんて聞いてくるから。

 

「飲めますよ。好きなほうですけど?」

「じゃ、これから行けます?」

 

ちょっと、近所の居酒屋で飲む感じで誘ってくれるから。

 

「そうですね、一度戻って店を閉めてからでいいですか?まだ、張り紙したままなんですよ」

 

お得意様のところに行くときに、店を軽く閉めてる状態だったのできちんと戸締りだけはしたいし。

飲むなら、もうちょっと楽な恰好をしたかった。

相葉さんは、分かりました。と言って。

 

「俺も着替えてくるので、あとで迎えに行ってもいいですか?知り合いのとこなんですけど、櫻井さんの雰囲気に合うなぁって思って。一度、一緒に飲みたかったんです」

 

なんて、微笑みながら言うから。

たぶん、相葉さんに下心なんてなくて、ただ男友達と飲みに行く感覚なんだろうけど。

でも、近所の居酒屋で飲むというわけではなさそうで。。

こんなオレとしては、誘われてる感覚になってしまう。

 

そうじゃないんだ

相葉さんはそんな人じゃない

オレの周りにいる人とは違う

 

そう自分に言い聞かせて。

 

「分かりました。待ってますね」

 

と言ってオレは自分の家に向かった。

 

 

店の2階がオレの住居になっていて。店を閉めて、部屋に入りクローゼットを開ける。あまりフォーマルっぽくならないように、白い長Tに長めのニットカーディガンに黒のスリムなパンツ。

 

これでどうだ!

 

鏡の前でチェックする。

久しぶりにこんな事してる。あの人と出かける時以来じゃないだろうか。。

 

「友達と飲むだけなんだから」

 

鏡の自分に言う。

 

「何もないから」

 

当たり前だ。

 

相葉さんはこっちではなく、ノーマルなんだ。

 

って、なんでオレはそんなに相葉さんを意識してんだ?

 

オレは、頭を軽く振り鏡の前から離れた。

 

そんなことをしているうちに、相葉さんが迎えに来てくれた。

 

「遅くなりまして、すみません」

「いえ、全然ですよ」

 

相葉さんは、謝りながらオレをじっと見る。

 

え?なんか変?

 

オレは袖を掴みながら、両手を横に真っ直ぐ伸ばして。

 

「おかしいですか?」

 

って聞いたら、相葉さんはあっ!って顔して。

 

「ちっ違うんです!ただ…」

「ただ?」

「…なんでもないです」

「?」

 

あまり突っ込まないほうがいいのかと思って。

変なら変で仕方ないし。

オレは、首を少し傾けて。

 

「行きましょうか?」

「はい」

 

相葉さんは、オレとは視線を合わせずに歩き始めた。

 

 何かおかしな事を言ったんだろうか?

 

少し前を歩く相葉さんの後ろ姿をオレは見つめた。

 

 

 

つづく