あなただけをみつめる。10 | 青いたんぽぽ

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腐なので、ご注意ください(笑)

常に雑食←

 

この子、好きなんです。ははは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆.。.†:*・゜☆.。†.:*・゜

 

 

 

 

相葉さんに連れてこられたのは、近くのファミレス。

入り口から、生徒を探せば、こちらを向いて手を振る可愛らしい少年の姿。

 

「あの子です」

 

相葉さんは手を振り返すと、オレを連れてその子が座ってる席に行く。

 

「ごめんね、待たせたかな?」

「いえ。先生?」

「ん?」

「誰ですか?」

 

少年はオレの顔を見て、不思議そうに言う。

 

まぁ、そうだろうな

 

いきなり知らないやつが付いてくれば、だいたいの人はそう思うはず。

オレは警戒されないように笑顔で。

 

「相葉先生の友達です」

 

そう言って手を差し出せば、少年は、はぁ、有岡です、と言ってオレの手を握り返してきた。

 

「いきなり、ついてきて、ごめんね。あの、オレはキミ達の邪魔する気ないから。相葉さん。オレ、やっぱり帰りま‥」

「あのさ、有岡くん。この人、うちで講師やってたんだって。だから、教え方上手いはずだよ」

 

相葉さん、いきなり何言い始めたんだ?

 

「ちょっと、教えてもらって」

 

「「はぁ?!」」

 

なっ何⁉︎

 

相葉さんは、驚いてるオレらをにこにこと見て。

 

「俺、理系なんですよ。で、この有岡くんも理系は得意なんですが、俺と一緒で文系が苦手で。教えてあげたいのはやまやまなんですよ。でも、今言ったみたいに俺が教えてあげるよりは、櫻井さんの方が適任かと」

 

ああ、なるほどね。。

 

「やっぱりね。先生が教えてやる。なんて言うから不思議だと思ったんだよね」

 

オレも同じこと思ったよ、少年。

 

「相葉さん、最初から巻き込むつもりだったんですね?」

 

2人で呆れながら相葉さんを見れば、ふふふっと笑ってる。

 

さっき、あんなこと言わなきゃ良かったと後悔しても遅い。

せっかく、有岡くんも教えてもらえると思ってここにきたのだから。

仕方ない。

オレは、有岡くんの隣に座り。

 

「どこが分かり難いのかな?」

 

そう言いながら、参考書をみれば、有岡くんも相葉さんに教えてもらうことを諦め。

 

「よろしくお願いします」

 

そう言って、ここなんですが。と、オレに聞いてきた。

 

 

 

 

 

 

「ああ、なるほど!」

「ここは、そんなに難しく考える必要はないんだよ」

 

有岡くんはのみ込み早い。

オレが教えることをすんなりと頭に入っていく。

 

ん?これなら、普通に教えてもらえば大丈夫なんじゃね?

 

ちょっと不思議に思いながら有岡くんの顔を見れば。

 

「何か、僕の顔についてます?」

「いや。有岡くん、キミ、ホントは文系大丈夫なんじゃない?」

 

有岡くんはオレに言われて、へへって笑う。

 

「嫌いじゃないんですよ。ただね、僕が教えてもらってる先生があんまり合わないっていうか。だから、わけが分からなくなるんです」

 

ああ、そういうことか。

確かに、そういこともあるな。

 

オレは笑って、うんうんと頷いた。

 

「まぁ、合う合わないってあるけど、もしわからないことがあるのなら、もう一度その先生にきいてごらん。じっくり話合えば、意外と上手くいくことあるし。おにーさんはそう思うよw」

「そうかな。僕、櫻井さんなら、合いそうなのになぁ」

「ありがとう。今日、有岡くんに教えた甲斐があったよ」

 

お互い笑い合ってると。

 

「俺もそう思うんだよね」

 

と相葉さんがぽつりと言う。

 

「え?」

「俺も今聞いててそう思ったんですよ。櫻井さん、復帰しません?」

「ははは。それ、村尾さんにも言われますよ」

「でしょ?」

「けど、仕事ありますから」

「櫻井さん、何してるんですか?」

「古本屋」

「へぇ。今度、僕、行ってもいいですか?」

「もちろん」

 

有岡くんは嬉しそうに、やった!って言うから、可愛いなって思う。

 

「すみません、櫻井さん」

「いえ、可愛いお客様が増えましたw」

「それは良かったですwで。櫻井さん、今日の授業料を」

「あっいいですよ。オレ、楽しかったし」

「そういうわけにはいきません」

「じゃ、ここのケーキおごってもらおうかな」

「え?」

「オレ、甘いの好きなんです」

「へぇ。そうなんですね」

「安すぎない?そう思うよね、先生」

「オレ、それで十分。甘いもの食べてるとき、幸せだから」

「小さい幸せだな」

 

有岡くんがぽつりと言うと、相葉さんが。

 

「有岡くん、あのさ」

 

 

小さい幸せっていうけど、それが後で大きな幸せになることがあるんだよ

 

 

ちょっと真剣な顔でそう言った。

 

その言葉がすごくオレの心に響いて。

 

オレはじっと相葉さんの顔を見つめてしまった。

 

 

 

 

つづく