友達 | 0811-weさんのブログ

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子供の頃出会った彼は女の子のように可愛かった。絵がうまくて優しくて明るくてみんなの人気者だった。それに比べて私は協調性がなくて暗くてわりと嫌われ者なのに彼と友達になれたのは奇跡だと今更ながら思う。特に五六年のころはいつも一緒に遊んでいた。遊び仲間のリーダーが彼で、とにかく移動教室も、休み時間もお昼のときも調べ学習のときも休みの日もいつも一緒に過ごした。
中学では一度も同じクラスにはならなかったけど、廊下で会えばよく話した。それが普通だったのに、高校に行ってから、周りのひとたちは私たちが付き合ってると決めつけて、冷やかしてきたり嫉妬してきたりしてあの時はとても辛かったし悲しかった。特に彼はイケメンに成長したから、高校に入った途端女子の憧れの的になっていてその事で他の男子たちに嫉妬されたりひがまれていて陰湿な言葉を浴びせられることが多くなっていた。非常に気の毒だったし腹が立ったのに、私は何もできなかった。
でも、気がつくと彼はそのうち持ち前の明るさと優しさで男女問わず人気者になった。彼のよさにみんな気づいてくれてよかったと安心はしたけれど、仲良しの友人が遠くに行ってしまったように思えて寂しくて、それから彼にきつくあたってしまうことが多くなった。正直すごく嫉妬していた。自分だけ成長した彼にも彼にはびこる女子たちにも。それに一番こわかったのは、自分が異性として彼を好きになってしまうことだった。子供の頃からの遊び仲間を意識なんかしたくなかった。悪いとこを探して嫌いになろうとバカみたいな努力をしたけれど、優しくて、かっこよくて、面白い彼の粗なんてひとつも見当たらなかった。困って焦った私は彼を避けたり冷たくあしらうことしかできなかった。メールもらっても単語しか返信しなかったり、話しかけられてもすぐに会話を終わらせようとしてしまったり…。それにも関わらず、いつまでも親切で優しく話しかけてくれたことがありがたくて家に帰って思わず泣いたこともある。私は相変わらずつっけんどんな態度とってしまうのに彼は昔と変わらずに悩みを打ち明けてくれたり友人として接してくれて、本心はすごく嬉しいのに態度はぎこちないままになってしまう自分が嫌だった。
大学の受験の前に面接の質問の例文の印刷されたプリントを「俺はもう終わったからあげるよ」ってくれたし。どうして、私なんかに…。
卒業してから、彼にとった自分の行動が情けなくて、申し訳なくて、もうあんまり会えないのかもしれないと思ったらすごく寂しくて後悔だらけだった。私は照れてばかりでありがとうもごめんねも全然言えてなかった。
もう会えないと思っていたけど、大学のとき、文化祭に誘ってくれたのもうれしかった。絵を描くのが好きで女の子みたいだった彼がロックダンスなんてするようになって雲の上の人みたいになっちゃったけど、やっぱり変わらずに接してくれるのが嬉しくてありがたかった。
でも、それから7年も音信不通になっていた。ただ、メールの返事忘れてただけらしいのに、ついに縁を切られたと私は長年勘違いしていた。ちょっとしたきっかけがあって3年前にまた連絡がとれるようになって再会出来た時は本当に嬉しかった。ブランクがあるとは思えないくらいフランクに話しかけてくれる彼にほっとした。
過去のことでいろいろ謝りたいことがあるんだけど、性格がよすぎるから忘たふりしてるのか、ホントに忘れてるのかなんかいっつも楽しい話してくれているから、なんか今更あやまるのもかえって悪い気もして言い出せない…
私には子供からの友達って彼しかいないけどお互いに忘れてることも、忘れたふりしてることもたくさんあるのかなと思うと、そういうのがいとおしいというか…。尊敬してるし、大切で大好きな友達。