少し時期は遡って、7~8年前に経験した「競売」のお話です。
不動産投資を続けていると、いつか興味を持つのが「競売」です。
私も、ある時から競売物件に興味を持つようになりました。
とはいっても、最初は何も分かりません。
そこでまず、競売について勉強するため、本を一冊読みました。

河野正法 著/セルバ出版
それが、河野正法さんの
**『はじめての競売』**です。
この本を読むことで、競売の基本的な仕組みを理解することができました。
「これなら、自分でも競売に挑戦できるかもしれない。」
そう思ったことが、私の競売への第一歩でした。
物件探しに使ったサイトは、981.jpだけ。
そして、入札に備えて、各地方裁判所やその支部から必要書類を取り寄せました。
私の場合は、
大阪、堺、岸和田、和歌山、神戸、京都。
それぞれの裁判所の資料を取り寄せ、いつでも入札できるように準備していました。
もちろん、目ぼしい物件が見つかってから取り寄せても間に合います。
ただ、私は初めてのことだったことと、性格的に「先に準備しておきたい」タイプだったので、あらかじめ準備を整えていました。
そんなある日。
「これは面白い物件だ。」
と思える競売物件を見つけました。
場所は、私がオーストラリアへ行く前に購入した、人生で初めて買った物件の近隣。
それだけでも、少し縁を感じました。
ところが、物件情報を詳しく調べていくと、気になる数字が目に入ります。
買受申出保証金が、異様に低い。
「なぜ、こんなに低いんだ?」
さらに調べていくと、その理由が分かりました。
管理費、修繕積立金、駐輪場代、税金、公共料金などの未払いが積み上がり、220万円以上にもなっていたのです。
普通なら、「これは、やめておこう。」
となるところです。
ところが、ここで役に立ったのが、宅建資格を取得するために勉強した民法の知識でした。
私は、未払い金の中にも、買受人(特定承継人)が引き継がなければならないものと、そうでないものがあることを知っていました。
つまり、
「220万円すべてを負担するわけではない。」
ということです。
そこで、未払い金の内容を一つひとつ確認しました。
そして私は、こう考えました。
「だからこそ、素人は手を出さないのではないか。」
競争相手がいるとしても、個人ではなく、競売に慣れた業者くらいではないか。
そう考えました。
そこで、当時の市場価格も調べました。
そして、
「当時のマーケットで売れている価格の6割程度で取得できるなら、買ってもいい。」
そう判断しました。
私が入札価格として考えたのは、170万円余り。
さらに、220万円以上あった未払い金について、買受人が引き継ぐものと、引き継がなくてよいものを整理していきました。
その結果、駐車場代や水道代など、私が負担する必要のないものを除き、最終的に承継する金額は約180万円と判断しました。
つまり、
入札価格170万円余り
+
承継する未払い金約180万円
合計で、
約350万円。
これなら落札しても十分採算がとれる。
私はそう判断して、入札しました。
そして、開札の日。
この日は、
「きっと駄目だろうな。」
と思いながらも、なぜかワクワクしていました。
競売への入札は初めて。
果たして、自分の入札価格で買えるのか。
他に何人が入札しているのか。
業者はいくらで入れてくるのか。
いろいろなことを考えながら、開札の結果を待ちました。
そして、結果は――。
私が買受人になることができました。
「あれ?」
正直、最初に思ったのは、
「結構、簡単に買うことができたな。」
ということでした。
ちなみに、私の次に高かった入札価格は、140万円余りでした。
もちろん、初めての経験です。
買受人になれた喜びもありました。
それと同時に、
「これから裁判所で、どんな手続きをするんだろう。」
というワクワク感もありました。
普通の不動産売買とは、まったく違う世界です。
ここから私は、競売物件を取得するための、裁判所との手続きに入っていきます。
そして、この先に待っていたのは――
私が想像していた以上に、貴重な初体験の連続でした。
次回予告
【実録】
忠岡マンション再生物語 第54話
「落札したら終わり、ではなかった。」
無事に競売物件の買受人となった私。
しかし、ここからが本番でした。
裁判所での手続き、残代金の納付、そして物件の引き渡し。
さらに私は、普通なら強制執行まで至らないらしいのですが、強制執行に立ち会うことになり、現場に足を運ぶことになります。
競売は、落札して終わりではありませんでした。
「こんなことまで、自分でやるの?」
初めての競売は、まだまだ続きます。