不思議な一日それはパドバでの出来事でした | 美術作家鈴蘭のブログ

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描いたり、書いたり、作ったり。

ヴェネツィアビエンナーレからの帰り

パドバに一泊し

フレスコ画を観る計画。


私はパドバに来るのは初めての事でしたが

パドバ大学の噂や世界遺産登録の事など、また何人かのパドバ出身の方々の事などから勝手なイメージを持っておりました。

 一泊2日の短い滞在で得た印象はそのイメージとさほど開きは無かったように思います。歴史を感じる建物や街並み、学びに意欲的な若さ、などのイメージです。


旧市街に宿をとってくれたおかげで夕方と翌日の2回、Basilica di Sant'Antonio di Padova(サンタントーニオ・ダ・パードヴァ聖堂)に行く事ができました。しかも2回ともミサ中。

初めの日は、ただただ、フレスコ画が素晴らしすぎてなぜここにアシジのフランチェスコのことが書いてあるのか気付きませんでした。

だいたい、聖アントニオってフランチェスコとなんか似てる人(裕福な生まれで若くして亡くなったとか)くらいにしか認識してませんでした。貧弱笑い泣き

初めての日は夕方

ミサ中に聖堂に入って行くと熱心に

聖アントニオのご遺体安置の石に触れながら祈っておられる方々がポーン(なんか凄いのかも。真似しておこうか滝汗)。

フレスコ画に圧倒されながら祭壇の背後をぐるりと周って中庭に出ると




『もう時間です。閉まりますよ。』

と係の人が鍵をかけに来られたので出て広場から改めて聖堂を見上げました。



ヴェネツィアビエンナーレでたくさん歩いて疲れていたのに

聖堂を出ると元気になっていました。

広場でアペリティーボウインク


更に元気を取り戻して

夕食を

ホテルの人におすすめ店を教えて頂きました。

ごく近く。



イワシ

緑のサルサはプレッツエーモロだそうです。

爽やか。


イカ墨のリゾット ポーン墨どこ行った?墨!ポーン


なるほど

混ぜ混ぜで見事な黒になるんですね。



久しぶりのソアヴェクラシコ

ピッタリ酔っ払い


隣の席に老夫婦が

和やかにお食事中

こちらに視線を熱く向けている気がするけど滝汗


お食事も終わりになった頃

日本から?と

とうとうご婦人が声をかけてくれましたウインク

プーリアから来られたそうです。

ご挨拶してお別れしました。


聖堂の前まで来ると

先程の老夫婦が歩いていらっしゃる。


『また会いましたね。ホテルは近く?』

またちょこっとおしゃべり

毎年来ていて同じホテルに泊まること、明日には帰ることを話してくれました。

そこでやっと私は聖アントニオが守護聖人の人がわざわざ毎年来るって事はお祝い日なのかも知れないと気が付き ホテルに戻ってから調べてみるとまさに5/15が聖アントニオの祝日㊗️だったのです。

 更に聖アントニオは失くし物の聖人と言われているとあり、ここで思い出した事一つ。

ミッションスクールの寮に入っていた時 洋画の先生だったシスターが 探し物をする私に『聖アントニオ様にお願いしておけば大丈夫』と仰った事。度々聞いたと言う事はいつも何か探していたんですね。聖アントニオのカードもメダイもいただきしばらく持っていましたがどちらもそれぞれ私より必要かもと思った方に差し上げたのでした。


そんな事を思いながら眠って翌日は

予報通りの雨模様。

でもこのかわいいポルティコのおかげでそれほど雨に濡れずに歩けたパドバの町。


朝再びBasilica di Sant'Antonio di Padovaに行くと またもやミサが美しい歌声と共に始まるところでした。昨日とは違った光で見えなかったところがはっきり見えてびっくりです。

ご遺骨の前でも 今日は『聖アントニオ様』とご挨拶できました。その前から下がろうとしたまさにその時、ゆうべの老夫婦が現れました。『今日はやっぱり雨ね 良い一日を、ではでは』と小声で、ニコニコ


とても素敵な朝でした。


ではまた