難しいこと前提、の宅地造成 | 住まいと暮らしとお陽さまと

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日々の暮らしに朝陽のようなすがすがしさ、夕日のような温かさを感じる住まいを作りたい。
建築士として日々思い、感じることを綴ります。

少し前に【道を造るリフォーム?】のタイトルでブログに綴りました。

 

今日はその続編。

ちょっと専門的なお話です。

 

 

 

300坪の広さ、家の前の道からは5メートルの高低差がある敷地に、一直線で登る道を造るご相談でした。

 

お客様の要望を叶えた道のレイアウトは決まりました。

増築プランもほぼまとまりました

 

次は、合法的に工事を完成させるためには、、を探る段階に来ました。


・敷地の形状を変更する(分割する、土地の高さを変える)行為

・土地の地目をに宅地に変える 行為

 

N市では敷地が【500㎡】を超える場合、上記の行為を行うときは「開発許可申請」の対象になります。

 

また、土を削ったり、盛り上げる場合は「宅地造成規制区域」であれば、「宅造(たくぞう)申請」と工事後の「完了検査」も必要です。

 

そこで、長年お付き合いのある申請業務を生業にしている設計事務所(代願事務所)の方を交えて、関係者で方向性の打ち合わせをしました。

 

開発と宅造に該当することは、敷地状況を知った段階でわかっていました。

大変だけど、愚直にやるしかない、合法的に進める、というのが私の考えです。

(ごく当たり前の事ですが…)

 

代願事務所の方のご意見を伺ったところ、以下のような言葉が返ってきました。

 

境界明示(けいかいめいじ)が大変ですよぉ~

(敷地境界について、境界ポイント(杭やピンなど)を地面に打ち込んで、持ち主 全員の立ち合いと同意の署名捺印を押していただく作業)

 

宅地造成規制だから、土を盛る量、削る量の計算が必要で、

敷地に対する降雨量の計算、その雨水の排水経路などのこともありますしぃ

 

許可がおりるまで1年かかるときもありますよぉ~、

ある物件では申請費用だけで100万円かかりましたよぉ~

 

増築も確認申請出して、竣工(工事の完成)後には「検査を受けてないといけないし、

みなさん、「検査済証(けんさずみしょう)」が早く欲しいとおっしゃるしぃ。

 

『みなさんって、どなたですの?!』

…… ここまで聞いていて、堪らず反応する私がおりました。

…… この方は何が言いたいのやろ??(
 

検査済証が早く欲しい、は銀行のローンの実行(請負業者への入金)が目的だし、
それをいつまでに欲しい、というのは請負業者の都合だったりするわけで。。。

 

時間がかかっても、費用がかかっても、「計画を遂行する」かどうか、決めるのはお客さまですから、「こんな苦労がある」と熱心に言われてもサ!
 

確かに苦労はするでしょうけど、苦労って言っても、血がにじむわけでもないし。
 

 

申請上の課題や工事上の課題は、解決策を探して超えていくしかないわけで…

 

費用が掛かりすぎると判断するのはお客さまで、、、

 

その判断材料を並べるのが私たちの役目なわけで、、、

 

「あくまでも合法的に進めたいので、時間をかけてやるだけですね。」
と、いう結論で終わりました。
 

そして、本日、市役所の「開発指導課」さんに、事前相談のための事前相談、に行きました。

 

・現在、地目が山林で、宅地に変更すること

 

・境界明示が土地の持ち主が多くて、書類を整えるのが非常に困難であろうこと。

 

・高齢になられ、車で家の前まで行きたいから道を造りたい!という希望があること。

 

など話しましたら…

 

今言えるとしたら…

 

・N市では 田・畑を宅地に変更する場合は対象ですが、山林を宅地に変更する場合は対象外です。

 

・個人住宅で、 敷地内にアプローチを造る工事 であれば開発申請まで必要とは言わない場合もあります。

 

ここには書きませんが、

「こういう状態」であればそもそも対象外なので「開発申請は不要」です。

と、いうこともお聞きしました。

 

ということで、開発申請は回避できるかもしれない、という希望が出てきました!

 

 

ですが!

宅地造成規制の申請で、 残しておきたい石積みやコンクリートの壁(土留め)の撤去が必要であることが判明しました。

 

これは土留めとして不完全なものがあると『危険』なので、撤去して『安全』な状態にすることが求められているわけです。

 

これは、如何ともしがたいので、お客さまに報告・相談することにします。

 

 

ややこしいことも整理して考えれば、シンプルになり、

 

シンプルになればできること、できないことがはっきりして、

 

できないことをできるようにする手立ても浮かんだりします。

 

そういうプロセスが私は好きだ💖

最後まで読んでくださってありがとうございます。

 

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