キャッチコピー力基本3カ条

・自分に関係があることだと認識してもらう
・印象に残すために強い言葉を用いる
・相手の心に「WHAT」を生み出す


これまでは、

・自分に関係があることだと認識してもらう
・印象に残すために強い言葉を用いる

この2点についてお話してきましたので、ここでは最後の1つ。

・相手の心に「WHAT」を生み出す

についてお話していきたいと思います。

【人は疑問を解決する答えを知りたい】
私たち人間にはいろんな習性があります。
その中の一つにこんな習性があるのをご存知でしょうか。

「疑問を解決する答えを知りたいがために続きや中身を読みたくなる」

人間というのは、自分自身が常識だと思っていたことと逆のことを言われると、頭の中で「なんで?」という疑問が生まれます。

またこれまで特に深く気にしていなかったことに対して「そういえばそうかも」と思うような質問を投げかけられると「なぜだろう?」という疑問が生まれます。

その「なんで?どうして?」といった疑問の答えを求める習性があるのです。

【一般常識と逆のことを言ってみる】
ここで紹介している『相手の心に「WHAT」を生み出す』という手法は、実際にさまざまな広告のキャッチコピーや本のタイトル、雑誌記事の見出しで使われています。

例えば……

・傷はぜったい消毒するな(※1)
・営業マンは断ることを覚えなさい(※2)
・なぜ、オンリーワンを目指してはいけないのか?(※3)
・千円札は拾うな。(※4)
・お客様は「えこひいき」しなさい!(※5)
・非常識な成功法則(※6)


これらを見てみるとどのタイトルも一般常識とは反対のことが書いてあります。
これを見た受け手の頭の中にはきっと「なんで?どうして?」が浮かぶことでしょう。

ちなみに命令系が多いのは、その「なんで?どうして?」をより強く思わせるためです。

上で挙げたようなタイトルを見たあなたは、疑問を抱いたあとにどんなことが書いてあるのか本の中身が気になったのではないでしょうか。

【「言われてみるとそうかも」という疑問を投げかけてみる】
みなさんも何か疑問を投げかけられて「言われてみるとそうかも」と思ったことがあると思います。
そしてそのあとに「それはなぜだろう?」と考えたのではないでしょうか。
結果その答えを知るための行動を取るはずです。

この人間の習性を利用したタイトルが付けられた本もたくさんあります。

・なぜ宇宙人は地球に来ない?(※7)
・さおだけ屋はなぜ潰れないのか?(※8)
・なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?(※9)
・ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか(※10)
・浜崎橋はなぜ渋滞するのか?(※11)
・なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?(※12)


このように普段気にしていないことでも改めて指摘されると気になることってあります。
「言われてみるとそうだけど、それはなぜ?」という疑問が湧き答えを知りたくなるのです。

相手の心に「WHAT」を生み出す手法・テクニックは本のタイトル以外でも使えます。
広告のキャッチコピー、雑誌記事の見出し、提案書のタイトルにも使えます。

【続きを読ませるタイトルの付け方】
ではここで紹介した手法・テクニックを使ってある提案書のタイトルを考えてみましょう。
「お客様第一主義」を企業理念に掲げている会社に新しい企業理念を提案する際の企画書のタイトルです。

おそらく普通に考えただけなら、

「新しい企業理念に関する提案」

このようにどこか堅苦しいというか味気ないタイトルになってしまいがちです。


これをまず『一般常識と逆のことを言ってみる』の方法に変えてみましょう。

「新しい企業理念に関する提案」

       ↓   

「「お客様第一主義」のままではいつか会社は潰れる」

これなら受け手は「なんで?」という疑問が頭に浮かぶはずです。
そして提案内容についてより知りたいという気持ちになるのではないでしょうか。

同時に「お客様第一主義」を企業理念に掲げている会社としては、上のようなタイトルだとイラッとする可能性もあります。
この場合はしっかりとなぜこれまで言われてきた「お客様第一主義」ではダメなのかという理由を説明できなければならないでしょう。

しっかりと説明することができれば、受け手の心に刺さるプレゼンができるはずです。

では次に同じ提案書のタイトルを『「言われてみるとそうかも」という疑問を投げかけてみる』の方法に変えてみます。

「新しい企業理念に関する提案」

       ↓   

「「お客様第一主義」を企業理念に掲げる会社は、なぜ「お客様第一」を実践できない?」

「お客様第一主義」を企業理念に掲げる会社はたくさんあります。
しかし実際に「お客様第一」を実践できている会社というのは多くありません。

あらためてこういった疑問を指摘されると受け手は、

「言われてみるとそうかもしれない……」
「自分たちの会社は本当にお客様第一なんだろうか?」


とドキッとしつつも、それがなぜなのか疑問に思い答えを知りたくなるのです。

【相手の心に「WHAT」を生み出す】
ここでは『相手の心に「WHAT」を生み出す』方法についてご紹介してきました。
その方法としては大きくわけると2つ。

・一般常識と逆のことを言ってみる
・「言われてみるとそうかも」という疑問を投げかけてみる


この2つの手法を使えばきっと相手の心を掴むキャッチコピーや見出しが書けるはずです。

ちなみにもっと簡単かつストレートに、受け手に「なんで?」と思わせるテクニックがあります。
それはキャッチフレーズの中に「なんで?」を入れてしまうことです。

わかりやすい例に四谷学園という予備校のキャッチフレーズがあります。

「なんで、私が東大に!?」

きっとこれが、

「○○予備校に通ったおかげで志望校に合格できました」

といったキャッチフレーズでは受験生やその親の心に「なんで?」という疑問は生まれなかったでしょう。
このキャッチフレーズはストレートに「なんで?」を入れただけでなく、言葉の後ろに「東大」という強い言葉があることでより高い効果を発揮したパターンです。

このテクニックもセールスレターやダイレクトメールなど、幅広い場面で応用することができます。

普段仕事をしているとキャッチコピーや見出し、タイトルを考える機会はたくさんあります。
その際に『相手の心に「WHAT」を生み出す書き方』を意識すれば、きっと手ごたえのある反応が返ってくるでしょう。





※1 傷はぜったい消毒するな(夏井睦著/光文社)
※2 営業マンは断ることを覚えなさい(石原明著/明日香出版)
※3 なぜ、オンリーワンを目指してはいけないのか?8小宮一慶著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)
※4 千円札は拾うな。(安田佳生著/サンマーク出版)
※5 お客様は「えこひいき」しなさい!(高田靖久著/中経出版)
※6 非常識な成功法則(神田昌典著/フォレスト出版)
※7 なぜ宇宙人は地球に来ない?(松尾貴史著/PHP研究所)
※8 さおだけ屋はなぜ潰れないのか?(山田真哉著/光文社)
※9 なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?(小堺桂悦郎著/フォレスト出版)
※10 ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか(青木高夫著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)
※11 浜崎橋はなぜ渋滞するのか?(清水草一監修/ニッポン放送取材班編/ニッポン放送)
※12 なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?(パコ・ムーロ著/坂東智子訳/ゴマブックス)

傷はぜったい消毒するな [ 夏井睦 ]

¥907
楽天


なぜ宇宙人は地球に来ない? (PHP新書)/PHP研究所

¥950
Amazon.co.jp