「好きだよ。」
夕方の優希の言葉が私を悩ませる。
私は彼が大切だ。それははっきりしてる。
好き?ー うん、好き。
でもそれは恋愛感情なのだろうか。
優希は答えを促さなかった。
きっと私が戸惑ってるのを知ってる。
いつまで待ってくれるだろう。
まず、そもそも”好きだ”とは言われたけど”付き合って”とは言われてない。
あー。
恋愛は難しい。
「奏?まだ起きてるの?」
いつの間にか夜中になっていたようだ。薫ちゃんがドアをノックして部屋を覗いた。
いつから布団の上で考えてたっけ?
「なぁに?悩み事?」
まぁね。私にも悩む時くらいあるよ。
「優くんのこと?」
言い当てられて凄く動揺した。
「やっと言ったのね。で?」
え?
「告られたんでしょ?なんて答えたのよ。」
それが……何も。
「はぁ。気づいてからじゃ遅いのよ?」
わかってる。わかってるけど。
「もぉいいわ。私は知らない。おやすみ。あんたも早く寝なさいね。」
うん。おやすみ。
パジャマを来ているからお風呂には入ったのだろう。寝支度をして布団に入った。このままじゃ埒が明かない。今日は寝よう。
瞼を閉じてもしばらくは寝れなくて、言葉がぐるぐる頭の中で回ってた。
気づいたら隣に心地よい温もりがあって私はそれに抱きついた。包まれて気持ち良くて、いい夢が見れた。
目覚まし時計の音。
もう起きないといけない時間なんだ。
もう少しここにいたいな。
鳴り止まない時計を止めようと手を伸ばすと私が届く前に音は消えた。
あれ。
勝手に止ってしまうくらい時間は経っていただろうか。
「き……んー。」
叫ぼうとした口を手で抑えられた。
「大っきい声出したら薫ちゃんに聞こえるだろ。」
叫ばれたくないなら勝手に人の布団で寝ないでください。
「おはよ、奏。」
いつからいたんだろ。
窓の鍵、開けっ放しだったかな。
「冷たいな。昨日は抱きついてきたくせに。」
…………え?
あれは夢じゃないんですか?
「可愛かったなぁ。」
かぁっと顔の熱が上がった。
恥ずかしい。穴があったら入りたい気分。
ちゅ、っとおでこにキスをおとして自分の部屋に戻って行った。
あぁ。
朝から心臓に悪い。
顔は熱いし胸はドキドキいってる。
あぁ。私、どうかしてる。