「あの男の人とは仲がいいんですか?
いつも一緒にバイトされてますよね。」
びっくりした。この人、常連客?
「幼馴染みですが…。」
「では、彼氏ではないんですね?」
なんでそんなこと聞いてくるのよ。
「あの…」
「なら、俺と付き合ってもらえませんか?」
「え?」
思考回路停止。どこに?……ってボケてる場合じゃないか。
「いきなり言われたらそうなりますよね。
わかりました。ではまず 友達に
なって下さい。俺、園田和也って
いいます。これ、連絡先なんで。
じゃあ。」
返事をする間もなく、帰って行っていまった。手には彼の連絡先が握られている。まだ状況がわかんない。嵐のようだった。頭がついていかない。
「なに ぼぉっとしてんの?おいっ!」
「……え?あ、あぁ。なんでもないよ。」
「嘘つくなよ。…なんだよ。
俺には言えないことなのか。」
最後の優希の呟きは、小さくて聞き取れなかった。
今日はいつもと変わらず二人で登校した。昨日から彼の機嫌の悪さ、絶好調。私が昨日のことを教えようとしても聞く耳を持たない。そのくせ、いつもと同じ時間に迎えに来たのだ。
「昨日ね…」
「もういいって。」
今日、何度も繰り返した会話。
「もぉ!
いいならそんな態度しないでよ!」
もう知らない、あんな奴。勝手に不機嫌になって私の話は聞かない。なんで怒ってるのかさえわからない。
少し焦った様子の優希を靴箱に残して、私は教室へ向かった。
「奏。吉村君と喧嘩したんだって?」
「あいつが勝手に……。もういい。
思い出したくない。」
親友の由美は少し考えた様子で
「ちゃんと話してみ?聞いてあげるから。」
と言った。こういう時の由美の真剣な顔に弱い。
結局 私が折れて、全部話した。完全に呆れた顔をされてる。なんで私が呆れられてんのよ。
「あんたもさ、鈍いよね。
時々、見てて可哀想になるわ。」
「鈍いって…どこが?」
「ま、今回は吉村も子供だったわね。」
なんかスルーされた。
「だから鈍いって何が?」
「自分で気づきなさい。
私、吉村君と話してくるわ。」
「は?」
「じゃね。」
「ちょっと。」
私は置いてけぼりですか。…てか、なんでこんなに皆 勝手なの。