今日は良い天気![]()
明日は雨かな…
桜が紅葉していますね
まだ、初日からあまりたっていませんが
作品を中心に
『ボー・ブランメル〜美しすぎた男〜』
について少し。
ネタバレ気にされる方は注意して下さい
この作品で気に入っているのは
フィクションではあるのですが、
『作中にいい人しかいない』こともなく
『勧善懲悪』で白黒クッキリでもなく、
人間模様の中に人間の複雑さが描かれていて
はっきりと物語の筋道はありながら
演者が人物像を深めて
重層感を深められそうなところ![]()
それが、芝居はもちろん歌で表現されていて
華やかさがあるのも好きです![]()
『作中にいい人しかいない作品』
『勧善懲悪』
ももちろん良いし、
好きな作品もたくさんありますが、
そうなると個々の人間味を深めるのは
難しくなるので…
悪人だけどこんな面も…と
どんどん描くと『勧善懲悪』の方が崩れたり…
あと、当時の(イギリス)社交界の
人間模様の雰囲気を表現しているのも
見どころであり、
でも少し、
理解し難いところでもあるかなと…。
同じ人間なので
今の世の中にも通じるものもあるけど、
理解できない感覚があって当然で
そういう雰囲気がちゃんと感じられるのが
いいなと思う
史実、当時の現実と同じか、ほんとに似てるか
は知らないけれどね
初日から
だんだんと皇太子としての雰囲気が
増しているプリンス(瀬央ゆりあ)
現在日本では考えられないけれど?
彼はこの物語の世の中で
揺るがない『中心』なんですね。
自分でも言ってるし、歌ってるけど、
俺様中心![]()
俺が言うことが世のルールなんです
言ってるだけじゃなくて本当に。
まぁ父親がまだ存命らしいので
本当は国王である父親の方が中心なんですけどね
この頃は王室の力が相当強かったのかな
そして、細かいことは全く知らないけれど
社交界に代表される貴族社会は、
端々でセリフ、様子などで描いているけど
今とはかなり感覚が違う。
皇太子妃(音彩唯)はそれらを利用して
自分たちの希望を叶えたわけ。
プリンスの言葉は絶対
プリンスがルール
でも、プリンスは
自分がルールであるからこそ
メンツにかけて
言ったことを理由もなく
コロコロ変えられない
そして、メンツを潰されるのは
社交界では死を意味するほど。
たとえ、絶対ルールのプリンスでもです。
だから、不貞をはたらいた皇太子妃を
『国外追放する!』
と、冗談でも言ってしまった以上、
不貞をはたらいた愛人ハリエットと
寵臣ブランメルを
国外追放せざる得なくなったんですね
それでも、ブランメルを
諦められなかったプリンスは
禁忌ながら『俺に忠誠を誓えば赦す』
とまで言ったのに…
自業自得の暴君とはいえ
これは揺るがない、それもいい塩梅
悲しくて泣けます…![]()
ブランメルはプリンスに
1ミリたりとも友情を感じてなかったのかな…
感じてないだろうな…
でも、だからって
ブランメルが悪いという気持ちにもならない
ブランメルの父ウィリアム(諏訪さき)が
冒頭から
『壁
壁ー
かべーー![]()
壁!』
と叫び続けていて、
うるさい奴だな!と
ブランメル同様思っているのですが笑
【壁】は本当にある
ウィリアムは
【壁】の向こうを見たことがあって、
追放されたのは自業自得だけど
息子に【壁】を越えろと言い続け、
死ぬまで
やれば【壁】は越えれると信じていた
越えれば幸せになれると
ほんとに信じていたんだと思う
でも、ブランメルは
【壁】は越えられない
越えようとすることで
手に入れられる幸せはない
って思い知る
貴族社会が健在で
今とは違う?たぶん世界だから
【壁】を越えるには
たとえばフランスでは
革命しかなかったわけです![]()
トーリー党のクローカー(咲城けい)が
何回も提案していますね
トーリー党内でも革命支持は
支流にはならなかったわけですが。
それで今もイギリス王室は健在なわけですね
ちょっと飛躍しすぎかな
ブランメルはずっと
父親の言葉を信じてなくて
ずっと嫌で
父親を疎ましく思ってきた
父親が死に遺産を目にした時
愛さえ忘れてしまうほど
彼の中で何が起こったのかな
他に道がなかったのかな
すべてを捨てて
ハリエット(夢白あや)と
場末の芝居小屋で生きる道は
なかったのかな…
ウィリアムは【壁】の向こうを
忘れられなくて、
無理をしすぎて、
息子を【壁】の向こうに行かせるために
すべてを捧げてしまっていたのかな
私的に惜しむらくは、
ボー・ブランメルという人物の
心情以外の特徴
いかに生まれ、育っていったのかが
あまり描かれていないことかな。
心情はどんな人にも共通する場合があるし
とても大事だけど、
父親が『【壁】を越えろ』と言ったから
ボー・ブランメルが生まれたというのは
少し乱暴すぎる。
心情面はそれでもいいけど、
じゃぁ同じ心情になれば
誰でもブランメルになる、なれるかといえば
そんなことはないわけで、
だから、そちらの彼特有の理由も
知りたかったなぁと思うわけです
[追記]
ボー・ブランメルの人となりは、
だんだん、ボー・ブランメルとして
登場してからの場面で
補完されるようになってきたけど![]()
![]()
たとえば
ピアポント(縣千)たちとのやりとりや
宮廷での
ブランメルの立ち居振る舞い、行動で。
ブランメルスタイルを
初めてプリンスに仕立てる時の
ブランメルの歌も好き![]()
ミュージカル・ロマン
『ボー・ブランメル~美しすぎた男~』
作・演出/生田 大和
作曲/フランク・ワイルドホーン
アルコール入りのカクテルを
今日は飲みました![]()
甘くて美味しかったです
ルイボスティーと
ベースの芋焼酎は
『となりのダンディー』![]()


