今週末は星組祭
昨日は
星組博多座公演『ME AND MY GIRL』
暁さんのビルバージョン
今日は
11時半から星組バウ公演
『My Last Joke-虚構に生きる-』千秋楽
15時半から
星組博多座公演『ME AND MY GIRL』
水美さんビルバージョン
と配信が続きますね
さて、先週末は良い秋晴れでした
久しぶりに宝塚大劇場へ
星組バウ公演を観劇しました
作品について少しメモ。
今日の千秋楽も
素敵な公演になりますように
以下ネタバレ等気にしていません
エドガー・アラン・ポーの人生
ヴァージニアとの愛(純愛)を中心に
詩、小説の創作と編集者としての生活
その中での
エドガーの苦悩が描かれていました
花組バウの時は
そんなに感じなかったんですが
先生が演出された舞台から感じる
真面目さというか真っ当さ
真っ当じゃない物語も
違和感なく真っ当にしちゃうというか、笑
淡々とした穏やかさみたいな感じ
愛情をピックアップする
優しい感じ、
ロマンチストなんだろうなと感じて
雰囲気が好きです
雰囲気でいうと
たとえば、クレム家での
エドガーが書斎(部屋)にいて
ヴァージニアが下手からやってきて
横から見たやり取り
そこに母マリアもやってきて
横から見たやり取り
そんなシーンが何回もあるんですが
なんかその構図というか
どことなく穏やかさのあるというか
淡々としているけれど
好きな雰囲気です言葉足らずですね
ただ、良かったか?というと
やはり花組バウ同様手放しではなくて、
私はエドガー・アラン・ポーは
彼の作品は多少知っていますが、
知らない作品も多く
伝記とか読んでないし…という。。
後世に影響も大きい偉大な作家だから
ちょっとくらい知ってて当たり前
っていう感じかもしれないけど、
教養…というには
たぶんマニアックなんだよねぇ
日本では特に。
だから、舞台上に描かれてないと
わからない事が多々…
たとえば、
養父との確執の理由
価値観が違うんだろうとは思ったが
何故返事もしない?結局養父との関係は決裂?
ヴァージニアとの恋愛・結婚への障害の理由
観劇後調べて
年齢差が大きいのはわかったけれど…
何が一番の障害なの?
ポーの金銭状況の変遷と理由
観劇後調べたら
ずっと貧乏だったみたいだけど
編集社変わってから給料上がったんちゃうの?
とか細かいところが全然わからない
だからポーが追い詰められるのが
感覚は伝わるけど
物語としては真に迫ってこない
ポーの作品への評価の変遷
小説で認められたのは分かったけれど…
というか知ってるけど…
詩は…?
大鴉は物語詩なのよね、
巧みに物語に組み込まれていましたし
ヴァージニアへの想いとか伝わってきたし、
大鴉への大衆の評価はわかりましたが、
その評価がどの程度のものだったのかとか、
ヴァージニアが亡くなったあと
ポーの大衆からの評価が落ちたあと
ラスト付近に必死に書いていたのは
何なんだろうとか、
自分が編集していた雑誌関係の評論?でしょうか
詩でしょうか。
なんとなくその変遷が伝わってこない…
あと、ポー以外のフランシスの詩とか
ロングフェローの詩とかも
舞台上読まれなかったけど
ポーの詩との違いとか
イメージがもっと伝わってきたら良かったのにとか。
ヴァージニアとの結婚後の生活の状況と理由
急に結婚してた?
急に家に帰ってこなくなってた??
結核で妻が死にそうなのが怖いから?
としても…それならそれで
エドガーに心情を吐露させるとかしないと
なんで帰ってこないの??
ってなるよね
ヴァージニア死後のポーの状態
史実的にもポーの最期は謎らしいけれど
なんかよくわからなかったよね…
死後の遺作のシーンに繋げたかった
というかそちらがメインなのはわかるけど…
ラストが生きるためには
結婚後のすれ違いも
もう少し繊細に描かれていたら良かったのでは?
etc
よくわからないことが多くて
エドガーの苦悩が
感情としてしか伝わってこないことが多く
もったいない気がしました
星組さんたちは熱演でした
その熱演に引っ張られたのか?
作品内容のせいかな…
久しぶりに観劇したせいもあるのか?
オープニングからだいぶ
感情が揺さぶられて、
始まってたぶんそんなに経ってないのに
感情移入とかまだないはずなのに、
天飛さんエドガーのはじめのソロで
ボロボロ泣いてしまって…
なんか物語の主題?も
そこからくる
ひとりひとりのセリフ?も
一幕序盤から迫って来すぎて、
ちょっと動揺…かなりかな
落ち着いて観劇するまでに
時間がかかりました
さて、それぞれ少しだけ。書けるだけ
エドガー・アラン・ポー 天飛 華音
悩み、思い詰める役ですが
それが天飛さんにピタリとする気もしたり、
それでいて、
天飛さんの別の面なのか
明るい部分がふんわり滲んで
ヴァージニアとのやり取りに
柔らかさや軽やかさを感じて
観ていて引き込まれました
そのせいか、上記したように
物語的には
いろいろ疑問とかもどかしさもあったけど
違和感なく最後まで
エドガーの人生に注目できました
なんとなく序盤すぐに
エドガーの生母、義母
ふたりの母の結核による死が
エドガーの人生に
大きく影響しているんだろうなと
物語の方向性を感じていたんですが、
それはそうだけど、
エドガーがそれだけで
詩作に逃げ込んだり
ヴァージニアを求めたわけじゃない
ということが
天飛さんエドガーから
なんとなく感じられて
それが良かったです私が感じただけですけど
ヴァージニア・クレム 詩 ちづる
ヴァージニアはだいぶ幼いのですが
それが自然に伝わってくる感じで
可愛いさも嫌味がなかったです
ドレスが似合って
フォルムが綺麗だし
歌声が綺麗
二幕からだんだん
驚くほど純愛なんですが
あまりやりすぎると物語が軽くなりすぎるけど
ふたりがクラシカルな雰囲気を
もっていたので
置いてけぼりにならずに
美しいなと思えました
ルーファス・W・グリスウォルド 碧海 さりお
エドガーと敵対する編集者
売れること、
大衆の評価だけを重要視する人物
でも、時代の流れというか
流行りには敏感なんですよね
もっと憎々しい個性があってもと
思ったりもしたけど、
誇張しないから
この物語にしっくりはまっていたのかなとも。
大鴉 鳳真 斗愛
エドガーの人生、心情として
作品の中心になっている
ポーの物語詩『大鴉』から。
幕開けからラストまで
エドガーのまわりに出現し
不穏な空気を漂わせるダンサー
無表情で鋭く踊る姿が印象的で
迫力がありました
フランシス・S・オズグッド 瑠璃 花夏
ポーの詩に理解を示し
親しい交流もあったアメリカの詩人
上品で控えめな雰囲気で
いつもながらに
惹かれる演技と歌声でした
ただ、物語としては
フランシスの立ち位置というか
エドガーとの関係が少し曖昧というか
親しい友人?、プラトニック…?
友人なら友人で
それはよいのですが、
舞台上でのふたりの関係
それぞれの気持ちへの納得が
特にエドガーの気持ちは
あんまり感じられなかったかな
最後まで宙ぶらりんで
疑問を持ちながら観ているという感じが
あんまり良くはないかな
ナサニエル・P・ウィリス 稀惺 かずと
エドガーの味方で編集者のひとり
グリスウォルドの大衆に迎合した
流行りを追いかけるやり方に対抗し
エドガーに協力し
エドガーの作品を世に広めることに成功
全体的にくっきりした印象があって
キラキラしていて惹かれました
歌声も良かったです
トマス・ホワイト 美稀 千種
上級生とか専科の方が
出て来た時によく感じる安心感って
何なんだろうって
いつも思うんだけど
まず、声とか台詞回しとかなのかな?
物語としては、
なんかエドガーがあっさり
トマスの出版社を辞めたみたいで
ふーん??って感じでした
しばらく本当に辞めたのかもよくわからなかったし
マリア・クレム 澪乃 桜季
ヴァージニアの母
憎々しい役でもなく
ふたりのそばにいるマリア
特に前半は
場面的にはそれが良かったけれど、
後半になるにつれて
どういう立ち位置かよくわからず
ふたりへの気持ちもよくわからず
もう少し、発言させてもよいのでは?
ヘンリー・W・ロングフェロー 大希 颯
上品な紳士の雰囲気がありましたね
エドガーのライバルで
流行り好きのグリスウォルド側ですが
良識ある人物像でした
「…Into every life some rain must fall.
Some days must be dark and dreary.」
エリザベス・F・エレット 乙華 菜乃
アメリカの詩人
作品によってではなく
巧妙な世渡りで世に出て来た?
という感じの
グリスウォルド側の人物
社交界にいる
したたかな婦人という感じがして、
フランシスと同じような詩人ということが
始めの方は特に
わかりにくかった?かな
エリザベス・ポー 紅咲 梨乃
エドガーの生母
天使のような雰囲気で
エドガーの母へのイメージが伝わりました
ソロもあり綺麗
フランシス・アラン 七星 美妃
エドガーを気遣う継母
エドガーの味方であることが
もっと強調されても良かったかな?
ジョン・アラン 希沙 薫
エドガーが気に入らない継父
希沙さんがジェントルなおじ様役で
ちょっとびっくりしました
ルイス・G・クラーク 朝水 りょう
カッコいいんですよね〜
敵役でしたが。
ジョージ・グレイアム 夕渚 りょう
動き、振る舞いが綺麗で
出て来た時に目を引きました
星組公演バウ・ゴシック・ロマンス
『My Last Joke-虚構に生きる-』
作・演出/竹田 悠一郎
…Let my heart be still a moment and this mystery explore; -'Tis the wind and nothing more!'
…
Quoth the raven, `Nevermore.'…
(Edgar Allan Poe 『The Raven』)