宙組公演の初日が
2月28日と決まりましたね
大劇場で公演が始まることになって
ほんとうに良かったです
新人公演は中止とのことで残念ですが
東京ではできますように
昨日は
月組東京公演の初日が明け
星組『ザ・ジェントル・ライアー』は
無事に千秋楽を迎えましたね
おめでとうございます
そして
今日は星組『王家に捧ぐ歌』の配信日
さて、23日に
星組『ザ・ジェントル・ライアー』の
配信を視聴しました
バウが全公演中止になり
ガッカリでしたが
KAATは全公演幕が上がり
配信もされて良かった
イギリスの貴族社会の
社交界や貴族たちの様子を描いた
しっとりと落ち着いた
でも少しおかしみ感じるおはなし
こういう落ち着いて
物語の流れとか
個々の演技を楽しむ舞台も好きです
個別の印象を少しだけ。
アーサー【ゴーリング卿】瀬央 ゆりあ
遊び人なんだけど
有閑階級の
飄々としてさらりとした雰囲気があって
貴族の衣装がお似合い
(この舞台では)ほんとうは
割とドギツい遊び人設定っぽいけど?
原作はそうでもなかったですね
そこは強調されずに
ダンスパーティのシーンも
瀬央さんのカッコ良さを見るシーンに。
アーサーは物語を進めて
話をまとめるための(ハプニング的な)
キーになる行動をしまくる役に見えました
しかも結構間が抜けているのですが
情けなさとか三枚目感控えめで
善良、純朴さを感じつつ
スマートな雰囲気を保っていて
ハマり役でしたね
ただ、さらに公演を重ねていたら
観劇中にはアーサーが間抜けとは感じない
話の流れの良さが出たのかなとも思ったり
もう少しコメディ感が出る?とか…
ロバート・チルターン 綺城 ひか理
誠実で実直な雰囲気が滲み出ていて
髭を蓄えた英国紳士
理想の夫
がピッタリでした
演説のシーン
ガートルードの小桜さんとのデュエット
ロバートから始まる全員の合唱のシーンが
雰囲気も素敵で
歌声がじんわりしみました
ガートルード・チルターン 小桜 ほのか
落ち着いて理性的な淑女
小桜さんの持ち味にピッタリ
歌声が美しく
安定感があって
歌い上げる歌い方じゃない
今回の小桜さんの歌声が
私は好きです
ローラ【チーヴリー夫人】 紫 りら
性格の悪い雰囲気を
全面的に押し出す役作りでした
イメージとしてはシンデレラの継母、継姉
ローラはこの物語のキーパーソンで
かなり難しいお役な気がするのですが、
代役とは思えない仕上がりで
演技が上手いなと改めて思いました
配信を視聴して
音波さんはハマり役だっただろうなと
やっぱり思ってしまうのですが
その上で、ダブルキャストなら面白かったよねって思う
紫さんの演技力でした
メイベル・チルターン 詩 ちづる
若いけどしっかりした聡明な淑女
演技も歌声も素敵でした
ちょっと音くり寿さんっぽいですね
星組でますます活躍されそう
トミー・トラファド 稀惺 かずと
若々しくて押し出しも良く
キラキラしていました
メイベルに振られてしまうけど
トミー&メイベルの並びが可愛らしくて
お似合いでした
ド・ナンジャック子爵 咲城 けい
レディ・マークビー 水乃 ゆり
ちょっとズレた感覚の貴族のカップル?
子爵の振り切った軽さと
マークビーの天然ボケ?のような雰囲気
公演がもう少し長ければ
さらに馴染んだだろうな
水乃さんはフィナーレのダンスを
瀬央さんとペアで踊っていて
やっぱりダンスが素敵です
キャヴァシャム卿 美稀 千種
アーサーの父
アーサーが結婚することばかり考えている
ちょっとおかしみのある
愛嬌あるパパでした
フィプス 大輝 真琴
愛嬌があって風刺の効いた執事
主人であるアーサーを
フォローするのではなく
トンマな行動に導くフィプス
面白みがありました
ミュージカル・コメディ
『ザ・ジェントル・ライアー
~英国的、紳士と淑女のゲーム~』
原作/オスカー・ワイルド
脚本・演出/田渕 大輔
幕間の画像
サービスかな?
一部ですが

さて、配信視聴後に
図書館で借りた
原作『理想の夫』を読みました
こんなにすぐに読むことも
あまりないのだけど
舞台を視聴して
まだこなれていない部分や
演出で省かれた部分が
あるような気がして
なんだかスッキリしなかったので。
読んでみた感想は
舞台では原作の古臭い部分を排除して
登場人物が出演者に
ピッタリ当て書きになるように
上手く改変しているなと思いました
原作のまま公演するのは
ちょっと厳しいな
と感じる部分がありますし
いい格言だけを選んで残して
いろんな部分を削っていました
格言的なメッセージも
どストレート過ぎで煙たくならないならOKな私
じんわり温かい格言なら
多少説教臭くても平気です
ただ、今聞いたら
当時を知らないとわかりにくく
面白くもない内容の
しかも長々とある会話や
今とは隔たりのある格言とか思想を
作品から排除できるだけ排除したせいで
登場人物の人となりを感じるために必要な
会話のやり取りも一緒に
取ってしまった感じも。
特にアーサーの人物像が
掴みにくかったかな…
ロバートとガートルードは
すごくはっきりした人物像なので
しっかりわかりますけど。
メイベル嬢も
原作でもちょっと軽めの扱いで
アーサーとメイベルのやり取りからの
ふたりの関係がわかりにくいけど、
舞台ではアーサーが主役な分、
もうちょっと焦点を合わせてくれても
良いのになと感じました
メイベルだけでなく
ローラとアーサーもそうで、
ローラに関しては原作では
もう少ししっかり描写されているので
描き方が物足りない気も
でもローラは原作でも
とても狡猾で自分本位な女なので、
舞台ではまだちょっとマシに
描かれているのだなと
逆の驚きもありました
舞台ではちょっと哀愁も感じて
悪者になりきれない部分も感じましたし。
先生の演出と
紫さんの演技のおかげかな
もう少し公演期間があって
熟成されていたらなと感じました
アーサーのドジな行動と感じた流れが
原作ではそうでもないんですよね
原作のアーサーは
ドジとか間抜けなキャラではなくて、
頭の良い冷静さと
斜に構えたナイーブさのある
大人の男って感じなので…
その方が瀬央さんにも似合うかな
そこが少し気になりました
でも、こういう作品も好きです