読みきかせ【小学校1年生】(5月)『あおくんときいろちゃん』『た』 | 水脈のブログ

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読みきかせ記録(絵本等の紹介)と、自分の心に生じた想いや、刻まれた記憶を思いつくままに綴っています。
当ブログ開設当初から好きだった東方神起やジェジュン、ユンジェに関して。そして、2021年以降は、防弾少年団(バンタン:BTS)のことに、思いを馳せることも。

小学校での「お話タイム」

今週は、1年生のクラスでした。

季節感も考慮しつつ、

入学してまもない1年生には

楽しくて、

ほっと安心できる結末の絵本を

選書しようと思いました。


私が選書したのは、以下の2冊です。


『あおくんときいろちゃん』

レオ・レオーニ・作 藤田圭雄・訳

(至光社)


『た』

田島征三 (佼成出版社)


1冊目は、

文章によるストーリーだけでなく、

絵を読んで(見て)楽しむという

絵本の特徴を活かした

『あおくんときいろちゃん』


作者のレオ・レオーニが

孫たちにお話をせがまれて、

手近の紙に色をつけながら

偶然生まれたお話 

とのことですが、

なるほど

「あおくん」も、「きいろちゃん」も、

擬人化されているものの、

それ以上ないほどシンプルな

青い丸🔵と黄色い丸🟡で

表現されています。


そして、お話のベースになっているのは、

青🔵と黄色🟡を混ぜたら、

緑🟢になってしまったという混色。

(皆さんも三原色の混色、覚えてますよね?

光の三原色と

物体の色とは、異なりますが、

今回は後者 です)


減法混色図は、下記

武蔵野美術大学造形ファイルリンクから 

引用いたしました 


1年生でも、

別々の色を混ぜることで

さらに異なる色を作る経験は

あるでしょうから、

容易にイメージできるだろうと思いますが、

この絵本を読む時は、

いつも、手作りの

「あおくん」と「きいろちゃん」を

持参しています。


ある日

ママにお留守番を頼まれた

のにも関わらず、

「あおくん」は

仲良しの「きいろちゃん」と

遊びたくなり、出かけてしまいます。

「きいろちゃん」の家も留守で、

あちこち探し回り、ようやく

「きいろちゃん」に出会え、

うれしさのあまり、

みどりになった二人。

そのまま楽しく遊んだのですが、

その姿のまま、家へ帰ったら、

それぞれの家で、

「うちの あおくん(きいろちゃん)じゃない」

と言われてしまいます。

悲しくなって、泣いて泣いて、

ふたりは ぜんぶ 

なみだになってしまいました


でもそのおかげで、

元に戻ることができて、

パパとママにもわかってもらえて、

一件落着。


読みきかせも

高学年になると、

簡単には反応せず、

スンッ とした表情で聴いてくれるのですが、

1年生は、

思ったことをそのまま言葉にしてくれて、

とても自由です🗽


友だちみんなで輪になって遊んでいるページ

ひらいた ひらいた なんのはな ひらいた

では、

そのまま続けて、

「♪れんげの はーなが ひーらいた

ひーらいた とおもったら 

いーつのまーにか つーぼんだ」

と、歌詞の最後まで、

みんなで合唱してくれました😅


また、

あるひ あおくんの ままは おかいもの

「おるすばん たのむわ あおくん」

だのに あおくんは きいろちゃんと

あそびたくなりました

と読むと、

ぽつりと、

「さびしくなっちゃったんだね」

とつぶやいた児童が。


登場人物は色と形だけ、

目鼻も手足も描かれていない抽象的な姿ですし、

違う姿(色)になったり、

涙になって元の姿に戻ったり、

ちょっと不思議なお話なのですが、

聞き手の子どもたちは、

物語の登場人物に、

ちゃんと感情移入して、

聴いていてくれた様子にうれしくなりました。



もう一冊の

田島征三さんの『た』

この5月、一年生は、

ひらがなの読み書きを学習していた時期

ですし、

田植えが始まった水田が

美しい時期でもあるので、

この絵本を選んでみました。


「た」の文字で始まる

言葉でストーリーが綴られている

例えば

冒頭のページでは、

たがやす

たねまく

次のページは

たちまち!!めがでた

そして

たいよう

たくましくそだつ

と続き、

害虫たちと たたかうを経て

収穫の喜びと感謝、

最後に

たべる 

と、しめくくくられています。

(実際には、裏表紙カバーに

たらふく の文字も)


1ページに書かれている文字数が少ないですし、ひらがなを読めるようになった子どもたち。

一緒に声を出して読んでくれました。


また

秋になり実った稲穂で

黄金色の田が広がり、

山にも黄色い果実が実っている

(「みかんがなってるね」と叫んだ児童も)

たからのふうけい

の次のページには、

たよる

たすける

たすけあう

という

一人の力ではなく、

みんなで協力して

収穫する様子が描かれているのですが、

「たすけあう」と

子どもたちが唱和した後、

「イギリス人もだよね」

とつぶやいた男児がいました。


なぜ、

「イギリス人」だったのかわかりませんが、

「たすけあう」精神には、

国籍関係ないよ

と思ったのかな?と思うと、

思いがけない言葉に、

ちょっと感動してしまいました。


大きく口を開けてはっきり発音する

「た」の繰り返しに、

田島征三の力強い絵と、

文字も絵に負けないくらい

太く大きな活字で、

生命力ががあふれているような絵本で、

読み手の私も元気がもらえました。