約8000種類もの部品から構成されているピアノ。

この中には木材で作られているものと、プラスチック製のものがあります。

ピアノの改良が進められていく中で、よりよいピアノを作るために試行錯誤し、プラスチックや金属など新素材が登場しました。

部品において、プラスチックなどは必要不可欠な存在。

お互いが持つ性能を活かし合っています。

基本的にピアノの本体には木材が使われています。

音を響かせるために大きな役割を果たしている響板には、スプルース(マツ材)という木を10センチほどの柾目の板にし、それをつなぎ合わせて使っています。

これは、軽くて弾力性があり、「振動伝播速度」が一番速いので選ばれました。

この「振動伝播速度」とは振動が伝わる速さのことで、いかに振動が速く伝わるかで音が変わってきます。

ヴァイオリンなど弦楽器のボディ部分にも使用されていることから、響板には最適の材料といえます。

またピアノに使われている木材は、土台となる部分には硬い木が、鍵盤には軽くて丈夫な材木が選ばれます。

まさに適材適所なのです。

それに対抗するのが、アクリル樹脂を使用したピアノ。

カワイから発売されている、ガラスのような透明なピアノを見たことはありませんか?
このピアノは、普通のピアノの黒く塗られている部分がアクリル樹脂で作られているため、屋根を閉めていてもアクションの動きなどを見ることができます。

近代的なデザインで、元XJapanのYOSHIKIさんが弾いていたことでも有名。

しかし、構造そのものに大きな違いはないものの、どうしても木材が持つ深く豊かな音を出すことが難しくなるのは否めません。

ちなみに、スプルースと並んで振動伝播速度が速いのが「竹」。

竹で響板を作ったピアノはいまだかつてありませんが、実現したらとてもおもしろそうです。

ピアノを弾くために欠かすことができないのが椅子。

「クラシックな感じがする丸椅子がいい」とか「使いやすさよりデザイン重視」など様々な意見が聞こえてきそうですが、実用性を考えるなら、自分に合ったタイプの椅子を選びたいものです。

昔から多く使用されてきたのが「丸椅子」。

頭部を回転させて自由に高さが変えられるという利点があるものの、中央の棒一本で重心移動を支えているのでバランスを崩しやすいのが難点。

しかも、ずっとクルクル回していると、スポッと抜け落ちる可能性も大。

好奇心旺盛な子供には、ちょっと危険かも知れません。

次に、学校の音楽室でよく見かけるのが「高低椅子」です。

背もたれがついていて、数段階に分けて高さが調節できます。

小さな子供でも、うしろに落ちてしまうことがないので、安心です。

演奏会でも使用されることがあり、理想的な椅子といえます。

この高低椅子が発展し現在普及率が高いタイプが、名前の通り「新・高低椅子」です。

背もたれがなくなり、横に長くなりました。
猫足デザインもあり、とてもオシャレ。

そして、コンサートでよく使用されるのが「高低コンサート用椅子」。

ネジによる高さの微調整が可能で、クッションに高級素材を使用しているため、椅子の中で一番高級といわれています。

また、連弾に適した椅子もあります。

その名も「連弾椅子」。

「新高低椅子」より横に長く、古くから使われてきた椅子です。

箱形になっていて、ふたを開けると楽譜など小物が収納できる点は優れたものですが、残念ながら高さの調節ができません。

その不都合を払拭するのが「連弾高低椅子」。

別名「親子連弾椅子」とも呼ばれています。

これは高低音部、両方の高さを調節できます。

連弾だけでなく、隣に座って子供にレッスンするときなどは大活躍です。

以上のように、椅子一つとっても多種多様。

飾っておく分には、かわいいデザインやオシャレなタイプがいいかも知れませんが、実際に弾くときは、必ずしもその椅子が適しているとは限りません。

「たかが椅子」だなんて思わずに、ピアノ同様、じっくり吟味して選びましょう。

鍵盤はフェルトで覆われており、ふたがついています。

今では常識のようになっていますが、なぜ必要なのかはっきりしません。

ふたがついているのは、外傷から守るためというのが一般的な考え方。

鍵盤楽器創成期からついていたわけではありませんが、鍵盤が常に空気にさらされっぱなしでいるとホコリが溜まっていまいます。

また、不意に物が落下してしまった場合は鍵盤が傷つくという恐れもあります。

その危険を防ぐために、ふたが有効な働きをしているのは確かです。

フェルトもまた弾力性に富んだ布ですから、外傷やホコリから守る役割もあるでしょう。

しかし、それだけではふたの効果と重複してしまい、フェルト特有の必要性がわかりません。

そこで、ほかに考えられるのがクッション効果。

アップライトピアノを思い出してみてください。

ふたを開けると譜面台がついています。

つまり、譜面台の部分だけ出っ張っているということですから、そのまま閉めてしまうと、鍵盤が傷ついてしまう可能性もあります。

それを防ぐため、フェルトの弾力性が効果を発揮していると考えられます。

また、グランドピアノを演奏するときに屋根を開ける場合、まず譜面台の上を覆う部分を開いてから屋根を持ち上げますよね。

しかし長時間この状態を続けていると、内側に傷ができてしまいます。

そのため、演奏会などでは重なっている間にフェルトをはさんでいるのです。