地震大国・日本。

自然災害なのでいつ起こるか分かりませんし、ピアノは重さもあるだけに倒れたりしたら大惨事です。

阪神・淡路大震災では高速道路が折れてしまったり、家屋が破壊してしまったり、たくさんの被害が出ました。

そしてピアノも例外ではありませんでした。

アップライトピアノが、揺れを感じてからたったの三秒で倒れてしまったり、直下型の地震だったため、あんなに重いグランドピアノが飛び上がり、屋根の形が天井にくっきりとついていたこともあったそうです。

まず最初に頭に入れておきたいのが、「むやみにグランドピアノの下に隠れない」ということ。

あの重い体をたった三本の脚で支えています。

いくら上から圧力に強い耐久力があるとはいえ、大きい揺れがくると、床の傷つけ防止でキャスターに履かせているインシュレーターが外れてしまい、不安定になってしまうのです。

そして後ろの脚が折れてしまうことも十分考えられます。

次にアップライトピアノですが、こちらも上から垂直にかかる圧力には強さを発揮します。

しかし設計上、後方上部に重心がおかれているうえ、高さがある割には奥行きがないためバランスを崩しやすいのも事実。

阪神・淡路大震災では、壁につけて置かれているアップライトピアノが、背面の壁に何度も衝突して前方へ倒れ込むケースも多々あったそうです。

現在では、被害を最小限に抑えるために、地震対策インシュレーターが発売されています。

アップライト用は後方の二個が揺れに反応すると割れる仕掛けになっていて、前方への転倒を防ぎます。

また、グランド用には暴走や脚が折れるのを防ぐ機能が備わっています。

ほかにも様々な対策用品が売られていますので、万が一のときのために備えておいた方がいいかも知れません。

どこに基準を置くかによって違いますが、一般的に売られているピアノで高価なものは、ベーゼンドルファーのインペリアル(97鍵)が約1660万円。

スタインウェイのコンサート・グランドピアノが約1720万円。

そしてファツィオーリの奥行き308センチのコンサート・グランドピアノが2100万円です。

コンサート用のピアノですから、個人で所有している人はなかなかいないでしょうが、装飾を入れるなど、特別注文をしていくとさらに価格が上がっていきます。(2004年12月現在)

歴史的価値が高いのは、現在世界に三台しか残っていない、クリストフォリの作ったピアノでしょう。

1720年製がアメリカのメトロポリタン美術館に、22年製がイタリア・ローマの楽器博物館、26年製がドイツのライプツィヒ大学の楽器博物館に所蔵されています。

一番最初に作られたピアノではありませんが、とても価値のあるピアノであることは間違いありません。

クリストフォリのピアノ以外にも、世界にはたくさんのピアノが博物館などに大事に所蔵されています。

これらは歴史的価値があり、値段をつけること自体が不可能です。

ピアノの大きさは、低音部分の弦の長さに比例します。

弦が長くなればなるほど、高音の倍音がはっきり出るので艶のある音が響くようになります。

また低音は、弦が振動する部分が増え、響板も大きくなるので、より厚みがある音が出ることはいうまでもないでしょう。

スピーカーに置き換えてみても、同じボリュームを設定していても、大きいスピーカーの方が低音らしい音が出ますよね。

ヴァイオリンの本体にコントラバスのような太い弦を張っても、輝かしいヴァイオリンのような音は出ませんし、逆にコントラバスの本体にヴァイオリンの細い弦を張っても重く太い音は出ません。

弦の太さや長さに見合った響板があって初めて、適した音が出るのです。

コンサート・グランドピアノの音量は、家庭用サイズのグランドピアノに比べて、いくらか大きくなるとはいえ、高音部分の弦の長さが極端に長くなるわけではありません。

ボリュームが大きくなるというよりは音の響きが豊かになるのです。

音量の差は、打鍵の強さやハンマーの大きさも関係しますが、演奏者側は、サイズによって打鍵の強さを変えませんよね。

また、ハンマーのサイズも飛び抜けて大きいわけではありません。

つまり、ボリュームを変えるカギを握っているハンマーが、ピアノ本体の大きさの差ほど変わらないため、音量に著しい変化がないというわけです。