さらば、わが愛/覇王別姫 | マットガファリによろしく

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1993年中国香港台湾合作映画。

カンヌ映画祭パルムドール受賞。

上映時間2時間52分。

中国の古典的演劇である京劇。

京劇を学ぶ二人の少年は、やがて京劇界のスターになります。

中国近代史の歴史に翻弄されながら、彼らの運命を描く一大叙事詩。

自分の知らない名作は、まだまだ沢山あります。


遊女である母に捨てられた小豆と、兄のように小豆に手を差し伸べる石頭。

京劇の養成所では、鍛錬と折檻の日々。

映画の中の出来事とは言え、時代や国が違うと過酷な日常が描かれる事に驚きを隠せません。

女形である小豆が有力者に対して、身体を求められる場面もあります。

最近では、ジャニー喜多川さんの性被害が報じられていますが、枕営業にしろ、こう言う事は昔から表沙汰にならないだけで、あったのかと思います。

幼いとは言え、後は自己責任ですし、選択の自由かと思います。

やがて、スターになった二人ですが、小豆は石頭に対して、兄以上の感情を持つようになります。


覇王別姫を舞うレスリーチャンの美しい事🎵

見た目だけでは無く、身体全体指先まで、艶めく所作が美しく感じました。


日中戦争、文化大革命、共産党政権の弾圧。

愛する人の妻である元遊女の菊仙に、自分を捨てた母を投影してしまう。

アヘンに、現実逃避を求める様は、切なく胸が張り裂けそうになります。

愛と憎しみは表裏一体で、弾圧による人間の愚かさも描かれています。

赤裸々な心情の中でも、踊り舞う姿には魅了されてしまいます。


今は亡きレスリーチャンの姿が、儚くも美しい。

エンドロールの余韻に、席を立つ事が出来ませんでした。