お疲れ様です。
今年も西村先生の中学入試分析会参加リポート(SAPIX編)がありました。
昨年はAIのような分析であって、いろいろ思うところがありました(保護者も専門知識がないと理解できないので憂鬱)。。。との西村先生の感想がありました。
しかし、今年はどうやら違っていたようです。
是非聞いてみたいと動画を見てみましたので、かいつまんでご紹介したいと思います。
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今年のSAPIXの入試分析会は渋谷区文化総合センター会場だけでなくて、その後に実施された有楽町よみうりホールの分析会にも参加してきました。
有楽町の分析会ではこんな始まり方でした。
『SAPIXの授業は生徒参加型の授業ですので、今日は保護者の方にもクイズを交えて進めていきます』
では第一問です。
正解は
です。
開成合格者の9人に5人はSAPIX生です。
筑駒も桜蔭もSAPIX生は今年も健闘。
そんなことが紹介されてから、こんなことが伝えられました。
『さて、今春の入試結果の細かいデータは本日お配りした資料に掲載しておりますので、私からは資料に載っていない今年度の入試のトピックスとアドバイスをお伝えします。』
有楽町よみうりホールの分析会も昨年とはまるで違います!
ということで、この後は私が参加した渋谷区文化総合センターと有楽町よみうりホールの分析会の内容をミックスして、私の意見感想を挟まずに紹介していきますね。
2024年入試の3つのトピックㇲその1からいきます。
【トピックスその1】
今年も変わらず激戦入試だったということです。
首都圏の小学6年生の数は2023年~24年入試にかけて約5000人減少しました。
その一方で、受験率は昨年よりもやや上昇して15.3%になったので、首都圏の受験人数はほぼ昨年並みだったということです。
実はここ数年、ずっと増え続けてきた受験者数がついに今年減少に転じたんです。
これはSAPIXだけではなく、他の大手塾もそうだんですけど、中学受験者数が減ったとあまり表立って言わないようにしているように感じるんですよね。
って私の意見・感想を早速言っちゃいましたよね。
【トピックスその2】
安定志向が強まったことです。
『安定志向』とはどういうことか?
それは入試日程の前半で合格を確保しておきたいと考えて
・1月入試を受けること
・2月1日の午後入試を受けること
が進んだとのことです。
1月入試を受けるというのは、埼玉の入試は1月10日から、千葉の入試は1月20日から、東京・神奈川の入試は2月1日から始まるので、東京に住んでいる受験生が東京よりも先に入試がある埼玉・千葉の入試を受けるということです。
これは埼玉・千葉の学校の評価が高まっているとも言えます。
例えば、『栄東の東大特訓を受けて、あとは開成・聖光・筑駒しか受けません。』とか『浦和明の星、市川が高い志望度の学校なので、女子学院と豊島岡しか受験しません。』といったケースだそうです。
2月1日の午後入試を受けるというのは、昨今の入試って午後に入試を設ける学校が増えていて、それに伴って午前に入試を受けて、その日の午後に別の学校の入試を受けるというケースが一般的になっているんですね。
さて、ここでクイズ第二問です。
正解は×(0.9校)です。
午後受験の受験校数は平均1.0校までには至っていないものの、午後受験の受験校数は年々増えているとのことです。
複数回入試を実施する学校は合格を出しても、その受験者が他行に進学を決めて入学してくれないことを考えて、多めに合格を出すんですよね。
すると、その複数回入試を実施する学校の後の方の日程の入試では、合格者を絞るために倍率がもの凄いことになります。
そんなもの凄い倍率の入試を受けることに前に合格して入試を終わらせたいと考えて、出来るだけ早い入試日程で受験を終わらせる短期決戦が一般化していることなんですね。
【トピックスその3】
成績上位層が第一志望校として選ぶ学校の多様化です。
具体的には、桜蔭中学を目指すコースの子が桜蔭に合格したものの、最終的に豊島岡、筑波大付属、渋渋、渋幕、慶応中等部を選ぶというケースが出てきているということです。
このような例は女子学院中学を目指すコースの子たちでもあったそうです。
ここで大事なことは豊島岡、筑波大付属、渋渋、渋幕、慶応中等部に受かるためには桜蔭や女子学院に受かる学力をつけておくことが必要だと、そんな解説がなされました。
それはいかにもSAPIXらしいポジショントーク・・・いやもう私の感想は控えて、ここでクイズ第三問。
正解は②の2026年です。
現在の新5年生の年が『サンデーショック』の年にあたるということです。
『サンデーショック』の年は、ミッション系の一部の学校が入試日程を2月1日から2月2日に移動させるため、入試動向に大きな変化が生じることになります。
例えば2月1日に桜蔭を受けて、2月2日に女子学院を受けるというように、本来入試日が同じでいずれかの1校しか受験できない学校を両方受験できる年になるという訳です。
このような『サンデーショック』は前回は2015年にあって、その時に感じたことを伝えると、確固たる学力を身につけた生徒は選択肢の幅が広がるので『サンデーチャンス』になりますが、そうでない子にとっては厳しい入試となって『サンデーピンチ』になる、そんなことが伝えられました。
それをビジネスチャンスにできるSAPIXこそ『サピックスチャンス』なのでは…と私の感想はもうやめておきますね。
新6年生は新5年生ほどでないものの、2月2日が日曜日なので若干の入試動向の変化が予想されるとのことです。
青山学院は2月2日から3日に入試日を移動することを発表されています。
一方、2015年には入試日を移動させたフェリス女学院は2026年は入試日を2月1日のままで移動させないことを発表しています。
ここまで女子のケースを例に出してきましたが、男子のケースについても溝端・岡本両氏が紹介します。
筑駒の通学区域拡大によって受験者が5.3%増えたものの、広がった区域の受験者層の割合と同じだということ、東大合格実績が向上している駒場東邦や設備が拡充した早稲田はサピックスオープンで志望校に挙げた生徒が急上昇したものの、実際の入試での出願は高い人気を避けてかサピックスオープンほどの志願者増ではなかったことなどが紹介されます。
そ、そうそれを聞きたいんだと友いますよ参加者は!
ということで来年度以降の受験生へのアドバイス3選を紹介します。
【来年度以降の受験生へのアドバイス】
一つ目のアドバイスは『志望校選び』についてです
ここで4問目のクイズです。
正解は①の在校生の様子からなんとなくうちの子に合っていそうなところを選ぶです。
改めての確認ですが、偏差値というのは入口における入り易さ、入りにくさだけを表しているんです。
ですから偏差値というのは、良い学校順に上から並んでいるとは限らないんですよね。
そこで学校選びは
から優先順位をつけていく、その優先順位をつけるにあたって直接学校に足を運ぶことがもの凄く大事なんです。
ただ、いろいろな学校を見学にいくと、どの学校も良く見えて選べない、そういうことがあると思います。
そういう時には『なんとなくこの学校がいいぁ』という空気感を大切にしてもらえたらと思います…と伝えられました。
学校は新しい動きがあると注目を受けやすくて、例えば
・新校舎の設立
・入試日程の変更
・学校の新設
・大学との連携強化
・共学化
などによってニュースに取り上げられます。
その一方で『変えないことの良さ』にも注目するべきで、伝統校では昔から行っている教育が今の時代にもマッチしているため、あえて変えないという選択肢をしているところも少なくないこと
『変えることの良さ』もあれば『変えないことの良さ』もあります。
その両方を直接学校に足を運んで雰囲気を味わって、我が子に合う学校選びをして頂きたい、そんなことが伝えられました。
【来年度以降の受験生へのアドバイス】
二つ目は『受験に強い子になるために必要なこと』です。
SAPIXが教える受験に強い子になるために必要なこと知りたいですよね。
渋谷区文化総合センター会場の溝端氏は次の3点を『伸びる子』の特徴だと紹介しています。
【伸びる子の特徴その1】
『授業を大切にしていること』です。
筑駒合格者の2/3はSAPIX生です。
開成合格者の56%はSAPIX生です。
なぜSAPIX生は強いのか?
それはSAPIXの授業が特別だからです
SAPIXの授業は討論形式です。
『知らない』『分からない』で止まらないで、そこから考えて討論する授業において人の話を集中して聞くことができる、こういう子は伸びます。
【伸びる子の特徴その2】
『メモを上手にとって活用すること』です。
授業中、講師が言ったことをメモしたり、他の生徒が発表したことをメモする。
メモをするということは頭の中で再整理をするということで頭を使うんです。
だから、メモを上手にとって活用できる子は伸びていくんです。
そう紹介されました。
私もSAPIXの入試分析会、必死にメモとりました。
【伸びる子の特徴その3】
『いろんなことに興味を持つこと』です。
いろんなことに興味を持っている子は伸びていきます。
保護者の方は是非家庭でお子様の興味関心を持つように話しましょう。
そして、お子様の興味関心を大事にしてあげて下さい。
そうおっしゃっていました。
一方、有楽町よみうりホールの岡本氏はまたクイズを披露します。
正解は①イチローです。
受験に強い子は失敗しても失敗してもそれを『チャンス』だと思って学びに出来る子、こういう子は強いです。
是非お子さんが失敗した時に溜息をつくのではなく、それをぐっと我慢して『成長のチャンスだね』と笑顔で言って欲しいと思います。そう伝えられました。
【来年度以降の受験生へのアドバイス】
三つ目のアドバイスは『受験生への保護者の関わり方』についてです。
ここでまたクイズです。
正解は②子どもの泣き言をとことん聞いてあげることです。
中学受験の主役は子どもです。
諦めないで目標に向かって最後まで頑張るのは本人です。
そして本人が最後まで走り切れるように生活面、メンタル面でのサポートするのが保護者の役割です。
教えるのは塾の講師の役割ですから、稚拙な泣き言であったとしても、まずしっかり子どもの言うことを聞いてあげること、子どもの目線に立って共感してあげること、お父さんお母さんがちゃんと自分のことを分かってくれている、認めてくれている、それが子どものパフォーマンスを上げることに繋がっています。
でも、お子さんをサポートしていく中でどうしても子どもの短所に目が向いてしまうと思うんですよね。
そんな時こそ、できるだけ多くの長所を見つけてあげて、ことだるごとにそれを子どもに伝えてあげることの方が大事だと思います。
そして前半一部の最後に受験を終えた保護者の声、体験記の一部は朗読されます。
保護者その①
最後の最後まで私は不安ばかりでした。この不安を払拭しようと子どもに何かを言うのは違うと思います。不安は不安のまま抱えること。それが私の役割と割り切るほかなく、あくまで子どもの前では『どうしたら学力がつくのか』『今、何をやれば合格に繋がるのか』『どの学校なら戦えそうなのか』子どもと一緒に考えていく。一番不安を感じる自分が一番安心を与えなければならないこと。大変難しかった。家庭学習だからできること。それは学習を通じて人生を教えること。愛情を教えることです。
保護者その②
中学受験は本当に辛かったです。この世から消し去ってしまいたいくらいでした。それでもどんな辛いことがあっても負けない力を得ました。子どもが見えないと思っていた景色を見せてくてました。
というお二人の保護者の体験記が紹介されて岡本氏はこのようにおっしゃっています。
このように聞いていくと子どもと歩いた日々これ自体がお子さんだけでなく、皆さんの人生においてもかけがえのないものになっていると感じます。
ここで最後の問題です。
はい。
これはみなさんが全員見たことがある人の言葉です。
正解は
これからも我々は子どもたちに学ぶ楽しさ、努力することの素晴らしさを伝え続けていくことをお約束して本日の私の話を終わらせて頂きたいと思います。
ということでここまでで前半の第一部の入試の総括でした。
このあと後半の第二部、各科目の具体的な入試問題分析の時間になります。
まずは2024年算数の入試問題分析解説からです。
ここでも今年の話は昨年とはまで変わっていました。
特に渋谷区文化総合センター会場の算数の先生の話は面白かったです。
具体的な算数の入試問題が私が好きな漫画『SLAM DUNK』に絡めて紹介されて『こういう先生に算数を教わっていたら算数できるようになっていたかもしれないな』と思いながらとても興味深く聞くことができました。
そんな話の内容ですが、私からは今春の算数の入試傾向を一言でお伝えします。
それは『定番問題の習熟度で勝負が決まる』ということです。
定番問題というのは、中学受験の教師として3年間関われば見飽きるような問題とのことです。
定番問題を難しくする方法は主に3つあるとのことで
という方法で、これらのスパイスを加えると定番問題が難しくなるものの、今年はそのスパイスがかなり抑えられた問題が目立ったとのことです。
そこで来年以降中学受験に臨むにあたり、どんな勉強をしてほしいかというと
ことだそうです。
そして算数が好きになって、そんな算数好きの子を満足させることができる塾は
とのことでした。
2024年国語の入試問題分析解説です。
国語の話は開成、桜蔭、筑駒、本郷、攻玉社、市川の入試問題の紹介で私の両隣のパパも前の席のママも頭を深く下げて瞑想していたので、私からは2024年の国語の入試問題の傾向を2点だけお伝えしますね。
その1は読みづらい文章が増えたこと
その2は複合的な読解問題が見られたこと
です。
読みずらい文章、意味が読み取りづらい文章であっても心折れずに最後まで読み切ること。
本文の意図、示された写真などの資料の意図、設問の意図を正しく読み取って答えることが大事です。
そんなことが紹介されていました。
それができるようになるために、家庭でお子さんにどんなことをやらせるといいのか、そこを伝えると参加者が瞑想を始めなくてもよくなるのではないかなと思いました…ってどうしても感想言いたくなっちゃうな。
2024年理科の入試問題分析解説です。
今年の理科は誤魔化しがきかない真っ当で厳しい入試だったとのことです。
大谷選手の活躍をもとに作られた芝中学の野球の問題や女子学院ではトマトの断面図に種の位置を書き込ませる問題が出題されました。
また、開成ではサナギになるものを選ぶ問題が出題されました。
このような問題から導き出されることとしては、身の回りの理科についていつもアンテナを張って実際の生活の中で気付いて学ぶことが大事ということです。
2024年社会の入試問題分析解説です。
今年度の注目の話題は
とのことで、それぞれのテーマでどんな出題があったか紹介されました。
『ジェンダー』では武蔵が労働による性別による格差についての出題。
聖光は『イクメン』という言葉の意味とこの言葉が差別的な表現だと捉えられる理由について出題されるなど男子校でジェンダーを考えさせる問題が目立ったとのことでした。
『新紙幣』では肖像画となる人物に関する問題や紙幣のデザインを変更しないとどんな不都合が生じるかという問題が出されました。
『物流』では物流2024年問題など働き方改革に関するトラックドライバーの残業時間の規制やワークライフバランスについての問題が多く出題されました。
『災害』では2023年という年は関東大震災からちょうど100年目の節目となる年でこれまでに起こった災害について幅広く考えさせる問題などが出されたとのことです。
これらの問題は『SAPIX10大ニュース問題集』で学ぶことができますが、暗記では太刀打ちできません。
例えば、『オーバーツーリズム』というのがどういうものかを知識として知っていても、栄東で出されたオーバーツーリズムの緩和策を考えさせるような問題はなかなか解けません。
中学受験の社会では社会をより良くするために提案する力が求められています。
そこで中学受験社会を突破するために必要な3つの力が紹介されます。
【中学受験社会を突破するために必要な力】
一つ目は幅広い知識を正しく理解して使いこなす力です。
知識を暗記するのではなく使いこなすためには生活の幅を広げることが必要です。
新年になってから本日までの間でどれくらい日本の年中行事に触れたでしょうか?
慶応普通部では正月に関係のある事柄を5択からすべて選ぶ問題が出されました。
その選択肢が正月に関係があるかを考えながら聞いてみて下さいね。
この問題生徒たちに聞いたところ、鏡開きは答えられるのですが、そのほかに衣替えと針供養を選ぶ生徒が多くいました。
正解は鏡開きと松の内の2つです。
松と聞いて門松を思い浮かべた人も多かったのではないかと思います。
お子さんて体験したことはよく覚えています。
ご自宅で行事を体験してみてはいかがでしょうか。
【中学受験社会を突破するために必要な力】
二つ目は正確な知識をもとに情報を読み取る力です。
基本の問題で失点しないようにすること、与えられた条件をもとに計算することが大事だとのことです。
【中学受験社会を突破するために必要な力】
三つ目は自分は未来の救世主という意識です。
最近の社会では提案させる問題が出ます。
國學院では冬に海水浴場に来る人を増やすにはどうすればいいか、東洋英和では林業を活性化するためにロボットをどう活用するか、そんな問題が出題されました。
社会で起きている問題は大人が解決してくれるものではなく、子どもの自分も考える、そんな意識が持てるといいですね。
大人と子どもの経験の差は親子のコミュニケーションで埋めていきましょう。
でもそれはなかなか難しいですよね。
子どもの経験値を上げるのに最も有効なこと。
それは…
SAPIXの授業では自分の常識を覆す視点を得ることができます。
という宣伝でSAPIX2024中学入試分析会が締めくくられました。
宣伝…。
そう、入試報告会とか分析会のような塾の無料イベントって塾生を集めるためのものですからね。
ということで今回は私の視点でSAPIX2024中学入試分析会参加リポートをお送り致しました。
分析会の内容は今回私がお伝えしたものの、参加するとこのような資料をもらえて、資料の情報価値が非常に高いので資料をもらうために参加するという方も結構いらっしゃるようです。
新小5以下のお子さんをお持ちの方は来年の分析会に参加してみてはいかがでしょうか。
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いかがでしたでしょうか?
にしむら先生のようなプロの講師にとっても今年のSAPIXの入試分析報告会は参考になることが多かったように思います。
個人的に前半部分で特になるほどと思ったのはメモの取り方と活用法です。
愚息には少し足りなかった部分でした。
メモを取ったり板書をすることで安心するのではなく、頭の中で再整理をすることに主眼をおいて授業中も頭をフル活動してもらおうと思います。
それからもう1つ。
豊島岡、筑波大付属、渋渋、渋幕、慶応中等部に受かるためには桜蔭や女子学院に受かる学力をつけておくことが必要であるということです。
確かに偏差値帯でいってもそれほどの差はなく、現実的な話でも私の高校時代の同級生のお子さんは豊島岡に落ちて桜蔭に受かっています。今や桜蔭でもトップクラスだそうです。
男子に置き換えると海城や駒場東邦、学芸大付属早稲田、学芸大附属に受かるためには開成や麻布に受かる学力をつけておくことが必要であるということになるのではないでしょうか。
とはいえ、これはなかなかの大仕事です。
開成や麻布に受かる学力をつけるには一体どうすればよいのでしょうか?
保護者としては最も聞きたいことですが、それは後半で示されていました。
各教科のポイントが詳細に示唆されていました。
算数は兎にも角にも『基礎問題』や『基本問題』を自在に扱えるようになるまでありふれた解法を身につけることが大切であるということです。
もちろん、これには解釈が必要かと思います。
そのまま真に受ける訳にはいかず、『基本的な解法を自在に使いこなす』ことは必要条件であり、この上に思考力や応用力が身についていないとこれらの学校へ挑戦することはなかなか難しいということです。
次に国語の入試問題は小学生にとって読みづらい文章が出てくることが予想されるので、最後までしっかりと読み込む力を身につけるだけでなく、複合的な読解問題にも対応できる力をものにすることが必要となってくるということです。
ただ、SAPIXでこれだけ難関校に合格者を輩出していることの背景にはSAPIXのテキストと授業で十分対応できるということだと思われます。
今までに指導した研修医に聞いたところ、SAPIX→御三家出身の研修医全員が『SAPIXの授業と教材だけで国・理・社は十分です』といっていたのを思い出しました。
『正確な知識を身につけること』は必要条件ではありますが、それは最低限のノルマであり、重要なのは知識を正しく理解して使いこなす力であったり、正確な知識をもとに情報を読み取る力を身につけることです。
さらには身の回りの事柄について常にアンテナを張って実際の生活の中で気付いて学んだり、社会をより良くするために多岐にわたり提案する力が求められてることから、日常において自分や家族に起きている問題や新聞・ニュースに目を通して社会の問題に対して家族と議論しながら『自分なりの考えや意見をもつこと』が肝要なのだと改めて悟らされました。
一方で、国・理・社については基礎知識は少なくとも5年生のうちに完成させておくことが必須だということも分かりました。
やはり中学受験を制するには『戦略』が必要であり、保護者は監督として、子どもは選手として一緒に走り切るためにしっかりとした戦略を立てていかなければならないと今回の動画を見ながら痛感しました。
我が家は来年はいよいよ受験学年となりますので、こうした入試分析会をさらに我々自身が分析することも保護者の仕事であると改めて分思った次第です。
皆さんは入試分析会どのようにご活用されておられますか?
<先週の学び>
先週の学びですが、昨年はベン図についてSAPIXでも浜学園の最レでも学習してきました。
今回のテーマはそのベン図を自在に用いて、『倍数個数のベン図(3個)』の問題を解くトレーニングを行いました。
60=2×2×3×5となりますから
1~60までの60個のうち、2の倍数と3の倍数と5の倍数にトリアージします。
2の倍数:60÷2=30個
3の倍数:60÷3=20個
5の倍数:60÷5=12個
ここでの課題は重複する数字をどのように裁けるかにあります。
そこで役立つ武器が『ベン図』になります。
まずは重複する数が最も多い2と3と5のLCM (最小公倍数)から埋めていきます。
LCM (2,3,5) = 30より
(2の倍数) ∧ (3の倍数) ∧ (5の倍数):60÷30=2個
これをベン図に書き込んでいきます。
同様に
(2の倍数) ∧ (3の倍数):60 ÷ 6 = 10個
(2の倍数) ∧ (5の倍数):60 ÷ 10 = 6個
(3の倍数) ∧ (5の倍数):60 ÷ 15 = 4個
ここから重複している(2の倍数) ∧ (3の倍数) ∧ (5の倍数)=2個を引くと
(2の倍数) ∧ (3の倍数) ∧ (5の倍数を含まない):8個
(2の倍数) ∧ (5の倍数) ∧ (3の倍数を含まない):4個
(3の倍数) ∧ (5の倍数) ∧ (2の倍数を含まない):2個
これをベン図に書き込むと
あとは
2の倍数:60 ÷ 2 =30個
3の倍数:60 ÷ 3 = 20個
5の倍数:60 ÷ 5 = 12個
より上のベン図から空欄を埋めると
(2の倍数) ∧ (3と5の倍数を含まない):16個
(3の倍数) ∧ (2と5の倍数を含まない):8個
(5の倍数) ∧ (2と3の倍数を含まない):4個
以上より
1~60までの数で2の倍数でも3の倍数でも5の倍数でもないもの数は
60 - (16+8+8+2+2+4+4) = 16個。
3から6までに1/60~59/60が3セットあるから
16×3=48個
恐らくこれがオーソドックスなやり方かと思われます。
愚息はこのプロセスを通っておりました。
倍数個数の2個のベン図が書ければ3個もそれほど難易度は変わらないかもしれません。
さて、コベツバではもう少しエレガントに導いていましたので、息子と二人で『ほう!』と感心しながら学ばせて頂きました。
60が2と3と5の公倍数であることが条件になりますが、この60個のうち、2の倍数でないもの割合は1-1/2=1/2、3の倍数でないものの割合は1-1/3=2/3、5の倍数でないもの割合は1-1/5=4/5であるので、2の倍数でも3の倍数でも5の倍数でもないものの個数は
60 × 1/2 × 2/3 × 4/5 = 16個
と簡単に求めることができます。
『割合』が真に身に着いていれば、このような解法も自在に使える日がきっとくるかと思われます。
ふり返ると、かつての私も初めて透析穿刺をしたときは、エコーガイド下でも手元が全くおぼつかない状態でした。
今では目をつぶっていても触れた血管の感覚だけで痛みを感じさせず一瞬で刺し切ります。
背景には血管の走行、深さ、太さ、そして硬化さえも触れただけで分かるようになったからです。
結果、穿刺する角度・速度・強度すべて患者に合わせて調整するようになりました。
もちろん、ここまで穿刺技術を昇華するまでには患者様には大変申し訳なかったですが、幾度となく失敗もしてきました。
ただ、失敗ごとに『なぜ失敗したのか』その原因についてふり返り、ひとつひとつ潰してきました。
『算数』についても同じことが言えるのではないかと思います。
愚息が初めてベン図を学んだのは小学3年生の駿台・浜学園の最レだったと記憶しています。
当時はベン図の『べ』の字も分からなかった愚息も今日までに相応の問題を解いてきました。
いまだ発展途上ではありますが、それなりに使いこなせるようになってきたことは、一緒に問題を解きながら愚息の成長が逞しくも嬉しく思えた先週の学習でした。
同時に、現状まだまだ昇華の過程であり、目指すべき『頂』に向け、今後更なるトレーニングを積んでいかなければならないと気が引き締まる思いにもなりました。
さぁ~愚息よ、頑張っていこう!
<追記>
桜満開となりましたね。
先日、我が家の聖帝様と愚息で上野公園に桜を見に行ってきたようです。
桜見とともにリスペクトする野口先生像の前で記念写真を撮ってきました。
上野恩賜公園内の竹の台噴水東側にあり、昭和26年(1951)に同じ福島県出身の玉応不三雄によって建立されたそうです。
野口先生は福島に生まれ、北里柴三郎先生に師事、ロックフェラー研究所にて梅毒の病原体を発見、アフリカで黄熱病の研究中感染して死去されたのは有名な話です。
我が家では、愚息の高祖父も埼玉県第一尋常中学校(現浦和高校)→東京帝国大学医学部→北里先生に師事した後、大塚で内科医院を開業したのですが、開業後間もなく患者からの感染で道半ばで死去されたそうです。
大変な借金を残してお亡くなりになられたので、高祖母はたいそう苦労されたそうです。
そのため曾祖父が医師になることを猛烈に反対されたとのことでした。
そのような背景もあり、その後我が家の家系では医師になる者は一人もおりませんでした。
私は高祖母の意に反して医師になりましたが、糖尿病専門医としてこの度開業することになったのも、あるいは高祖父と同じ血が流れているからかもしれません。
ということは。。。愚息も。
さぁ、本日も『間違えたら死あるのみ!』の我が家の聖帝様による春期特別個別指導(無料)が待っています。
(※私は救急外来日当直で不在です)
どうか奥義『天翔十字鳳』が炸裂しませんように‼
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
また1週間頑張っていきましょう!