お疲れ様です。
ようやく春めいてきましたね。
我が家も春期講習真っ只中ですが、日々の単元学習に加え、実力UPのための総合問題演習をされているご家庭がほとんどかと思います。
今回、きよみず先生が『総合問題演習で偏差値大幅改善』ということについて動画で述べられていましたので拝聴してみました。
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算数が伸びないお子さんの中でも、いろいろなパターンがあるかと思います。
①計算・基礎ができていないので授業についていけない
②家での演習時は解けるが、テストになると解けない
③週テストは出来るが、範囲が広いテストは解けない
④特定の分野が苦手
⑤応用問題になると解けない
このようにいろいろなパターンがあります。
まずはひとつひとつ見ていきます。
①計算・基礎ができていないので授業についていけない
まずは計算力・暗算力を一定水準まで上げてから話が始まります。
ということを口酸っぱく言わせて頂いていますので端折らせて頂きます。
②家での演習時は解けるが、テストになると解けない
多くの場合は問題文と式を引っ付けて暗記しているだけで、内容の理解まで及んでいません。
一見理解しているように思えても、その問題文でしか解法のイメージが展開できず、問題文が変えられると解法が繋がらなくなってしまうのです。
これについては類題演習をしっかり加えることで『理解できているはずの内容』を別の問題文に置き換えられてもリンクさせることができるのかという練習をしていかなければなりません。
多くの教材には副教材というのは用意されていて、その中に類題が準備されていることが多いかなと思います。
こういうのを上手に取り入れていくとgoodなんですね。
③週テストは出来るが、範囲が広いテストは解けない
本日のポイントはここになります。
このタイプの子は単元テストであればきちんと解けるのですが、
・今までの内容が抜けてしまっている
・解法を丸暗記して週テストを乗り切っただけなので定着が浅い
・解法理解まで辿り着いたが引き出しから出す能力が足りない
こういった理由で広い範囲のテストになると苦戦してしまうということなんですね。
こういう子にとって有効になってくるのが総合問題演習です。
総合問題演習というのは何かというと、範囲が決まっていないランダム問題演習です。
ランダムに散りばめられた演習をすることですね。
今までに習った内容を出された時に、それが解けるのかというところ、ここの洗い出しが出来るようになっています。
もちろん、それによって苦手なところや抜けているところの穴を埋めていく要素もあるのですが、最も大事な点は『これらを取り組む中で、持っている解法の引き出しから上手に引き出してくる訓練をすることができる』ということです。
要するに今までに蓄えた知識やテクニックを上手に活用するための力というのがここで身につけられるということです。
ではどんなな教材に取り組めばいいの?ということですが、SAPIX生:『基礎トレ』や『基礎力定着テスト』の活用
予習シリーズ生:『総合問題集』
その他の生徒:『下剋上算数』
これは1回に10問分の問題がランダムに収録されていて、これが全部で100回分あります。つまり1冊で1000問あります。
さらに基礎編と難関校受験編に分かれていますので、合計200回分というボリュームを出しています。
これについてはすべての単元を学習し終わったということを前提に作られていますので、基礎編を5年生の冬休みに開始してちょうどいいかなと思います。
難関校受験編については、基礎編をやってみてほとんど間違えませんというようなお子さんについてはこの難関校受験編の方を取り組めばいいかなと思います。
これらを毎日毎日習慣的に取り組むことであらゆる単元の知識をすっと引き出してくるとても良いトレーニングになりますので、その部分を課題に感じている人にとってはお薦めしたい教材になります。
ここまでお話してきましたが、総合問題演習をすれば必ず成績を伸ばせますよという単純な話ではないのですが、生徒によって伸び悩む原因というのがそれぞれあります。
原因によって必要なアプローチが変わってきますので、それらをしっかり見極めたうえで少しずつ着実に成績を伸ばしていきましょう。
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いかがでしたでしょうか?
確かに家庭学習において、きよみず先生が述べられている三段構えの勉強法が出来ているか否かで大きな差が出るかと思います。
①新しい単元の習得
②履修分野の復習
③履修分野の思考力トレーニング
新5年生になると真面目に取り組めば取り組むほど①だけでも手一杯です。
しかし、エビングハウスの忘却曲線が示すように極一部の至高のお子さんを除いて、殆どのお子さんにとっては②が必要ではないでしょうか。
その意味ではきよみず先生が指摘されているように、算数では『下剋上算数』、理科・社会では『コアプラス』が役に立つことは間違いありません。
しかし、問題はどれだけこれらの教材を頑張ってやっても、この教材だけでは引き出しは増えても、難関校以上を目指す場合はこれだけで本当に十分だろうか?という疑問が残ります。
もちろん、必要条件は満たしてはいるかと思いますが、十分条件は満たされていないのではないかと思うのです。
ゆえに、引き出しを増やすと同時に複数の引き出しからから解法を引き出し、組み合わせるトレーニングが必要かと考えます。
その意味では『下剋上算数』や『コアプラス』だけでは些か役不足ではないかと思われます。
合格へのプロセスにおいて、この『思考力トレーニング』は6年生秋以降のSSやNN が担ってくれるのですが。。。
その場合、心配なのは『9月以降の僅か3ヶ月でマスターすることが出来るか?』ということです。
いかに良問とはいえ、結局一周しか回すことができず、自力で解けるまでには至らず、憂き目をみる受験生が一定数いらっしゃるという現実があるのも残念ながら事実です。
とりわけ、合否の分かれ目ゾーンにおられるお子さんたちにとっては『この差』こそが、現実の合否の差となる可能性が十分に考えられるので、決しておざなりにはしておけません。
そのために5年生や4年生のうちから①だけではなく、②③のトライアングルトレーニングを進めていかなければなりません。
今回の動画はそれを確認する良い機会となりました。
『総合問題演習』皆様はどのように行っておられますか?
<追記>
私事で恐縮ですが、この度約20年勤めた大学から離れ、所謂『町医者』になることになりました。
糖尿病患者さん、そして透析患者さんとともに歩んだ20年でした。
日本随一を誇る大学病院の糖尿病内科で臨床・研究の研鑽を積めたことは私のとってとても大きな財産になりました。
糖尿病
↓
糖尿病性腎症
↓
慢性腎不全
↓
透析
私の20年はこのプロセスを止めるために費やした人生でした。
どんなステージの患者でも100%透析にさせないということは出来ませんが、少なくとも腎症の進展を抑制もしくは緩徐にすることはできます。
糖尿病患者においては血糖・血圧・脂質コントロールといった集約的治療に加え、薬物療法(腎保護薬)の使い方次第で腎機能低下速度を緩徐にすることができるのです。
これからは大学病院レベルの治療を地域の患者さんのために、そして透析導入患者さんが一人でも減るように全力でサポートしていこうと思った次第です。
そしていつか愚息が医師になったとき、糖尿病性腎症進展抑制のための秘奥義を伝授したいと思います。
『医師になる』という目標を掲げ、今日も粛々と目の前の問題に取り組んでいる愚息をこれからも応援していくつもりです。
もちろん、愚息の傍らにはいつもあのお方が。
果たして愚息は生きて中学受験を終えることができるでしょうか💦。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
また1週間頑張っていきましょう!