スカイツリーの側で | 土地家屋調査士受験!カネコのちょっと役立つハナシ

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東京の新名所,スカイツリー。

3月7日,そのスカイツリーに見下ろされながら,墨田区の路上で測量。

地籍多角点と書かれた鋲にミラーが付いたポールを立てる。

気泡を調整して,水平を保つ。

じっと待つこと・・・約40秒,「はい,オッケーです」と土地家屋調査士の声。

調査士がトータルステーションを設置した点と私がミラーを設置した点との距離,角度の測定が終わる。

この調査士は開業して三年目。事務所を軌道に乗せて,元気ハツラツといった感じで調査士業務をこなしている。

申請,測量,立会いと現場に同行し,補助者としてお付き合いしたような格好だ。


事務所に戻ると,「このあいだ仮換地上の建物の表題登記をしましたよ。どんなだったけなあと思いつつ,これを見直した次第です。」と,私の前にテキストを置く。

懐かしい昔のベーシックテキストだ。

そう,この調査士は私の元受講生。

最近申請したという仮換地上に建てられた建物の表題登記の申請書と図面を見せてくれた。


建物図面には,敷地の形状が実線と点線で描かれている。従前の土地の形状も点線で描かれているのだ。

実務では,仮換地上に建てられた建物の建物図面の作成において,その敷地の形状の描き方は登記所によって取扱が異なるようだ。

仮換地の形状を実線のみで示して提出してほしいという登記所もあれば,その他に従前の土地の形状も点線で示したものを提出してほしいという登記所もある。

実務では,申請前に,事前に登記所にどちらの方で提出するのかを訊いて,申請すればよい。



しかし,試験では,登記先例に従って,仮換地の形状を実線で示したものが正解。

下記のとおり,登記先例によれば,仮換地の形状を実線で図示するものとされている。

<重要先例>

仮換地に指定された土地に建物を建築し換地処分の公告前にその登記を申請する場合,建物図面は仮換地について作成する(昭40.4.10民事甲第837号民事局長回答)。


したがって,択一問題では,仮換地上に建てられた建物の建物図面に従前の土地の形状を示さなければならないときたら「誤」。書式の解答として描く場合は,従前の土地の形状を示してはいけない。

関連過去問H23-15・エ

仮換地上に建築された建物に関する表題登記に添付する建物図面においては,仮換地の形状を実線で図示し,所在欄には括弧書きで換地後の予定地番を記載しなければならない。→正


この過去問の内容の一部でもあるが,仮換地上に建てられた建物については,その所在の表示方法も重要な論点の一つ。

<重要先例>

仮換地上に建築された建物を表示する場合,その所在地番はいわゆる底地の地番を記載する。なお,この場合,換地の予定地番をかっこ書で併記する(昭43.2.14民事甲第170号民事局長回答)。



手伝いを終えて,ちょっと一杯に付き合ってもらった。

忙しいのに嫌な顔せず付き合ってくれる調査士。

彼の仕事の技術もさることながら,人脈を大切にする人柄も見習わなければと感じた一日でした。