5月23日日曜日,かつては貴重な女性受講生だった江戸っ子娘が結婚するということで,披露宴にお招きいただいた。
白いドレスを身にまとい,新郎の横でにこやかに微笑む彼女。普段は泣き虫の彼女だが,今日は泣いていない。小さな顔に華奢な腕,どう見ても測量着を身にまとい,現場作業をテキパキとこなすようには見えないが・・・。
「だんな様,夫婦げんかをするときは御注意下さい。こんな細い腕をしていますが,現場で鍛えた腕から強烈なパンチが繰り出されるかもしれませんよ。」と新婦の恩師としてはちょっと怒られそうなスピーチをする。
3年前に合格し,本日,妻となる彼女。素敵なパートナーと出会い,幸せいっぱいだ。
彼女との出会いは今から7年ほど前。平成15年6月17日,翌年の本試験合格を目指す基本講座だった。
「新婦と初めてお会いしましたのは平成15年6月でした。とても強烈な印象を受けました。この美貌もさることながら,とても奇抜な,個性的なファッションをしていたんです。」と思い出を語る。
平成15年6月開講の水道橋平日夜クラスの開講日に集まった受講生は8人しかいなかったが,まさに少数精鋭であった。快挙といっていい,7人が一発合格を果たした。
年末,彼らの合格を祝おうとみんなで集まった。その時,クラスの中で一人だけ合格できなかった彼女も来てくれた。笑顔で仲間の合格を心から祝っていた。胸中はいかばかりかわからないが,辛い思いもあったであろう。
私が彼女の立場だったら,このお祝いに参加しただろうか。彼女のように笑顔で仲間の合格を祝福できただろうか。当時,私は彼女の先生であり,もちろん年上であるが,お恥ずかしながら,この合格祝いでは,彼女から教えられた。
そんな心の優しいとても素敵な女性の前職はスタイリスト。だからであろう。毎回,とても個性的なファッションで受講していた。
スタイリストから土地家屋調査士へ,華麗なる転身?
自分のやりたいことを見つけ,それにチャレンジし,結果を出す。苦労もあるけど,とてもやりがいのある人生だ。
今では,支部のおじさん調査士にかわいがられ,アイドル的存在だときく。結婚しても,調査士業界で頑張るそうだ。日本一のミセス土地家屋調査士になってほしい。
今回の勉強ネタは,婚姻による表題部所有者の氏名等の変更の登記に関する問題を御提供します。
問 A市B町1番の土地(地目;宅地 地積;100.00㎡,以下「本件土地」という。)の表題部に所有者として記録されている山田花子(表題部に記録されている住所はA市B町1番1号)が,山本太郎(住所 C市D町2番2号)と平成22年2月22日に婚姻し,氏と住所(新住所 C市D町2番2号)を変更した。
この場合において,本件土地について必要となる表示に関する登記の申請手続(必要な登記の申請は,書面を提出する方法によりするものとする。)をE市F町3番3号に事務所を有する土地家屋調査士金子博が,本件土地の表題部所有者であり,婚姻により氏を変更した山本花子から依頼されたもとして,下記の各設問に答えなさい。
設問1 本件申請の申請情報である登記の目的,添付情報,変更後の事項ならびに登記原因及びその日付を答えなさい。
設問2 表題部に記録されている住所である「A市B町1番1号」は,本件申請における申請情報の内容とすることを要するか否かを答えなさい。
設問3 本件申請における登記には,表題部所有者に申請義務はあるか否かを答えなさい。また,表題部所有者からの申請がない場合において,登記官が職権ですることができるか否かを答えなさい。
答
設問1 登記の目的 土地所有者の表示変更登記
添付書類 変更証明書 代理権限証書
変更後の事項 氏名 山本花子 住所 C市D町2番2号
登記原因及びその日付 平成22年2月22日氏名変更、住所移転
設問2 申請情報の内容とすることを要しない(所在,地目,地積の変更の登記と異なり,表題部所有者の氏名等の変更の登記においては,変更前の住所を申請情報の内容としなければならないとする規定はない)
設問3 申請義務はない。登記官が職権ですることはできる。
今度の日曜日は,水道橋校で直前ファイナル答練の開講です。スピーチのマイクを講義のマイクに持ち替えて頑張りたいと思います。受講生の皆様,よろしくお願いします。