「リクさんも、希子ちゃんのこと狙ってるらしいですよ?」
グループの中でも一番仲のいい、というか、一番気を許せる相手、樹が言った。
その言葉を聞いて、え、と一瞬止まる。
希子、とは、俺たちが働くチームのスタッフの一人で、俺とは同い年。
同郷で、話が合って、俺が一番気心知れてる仲だと思っていた。
希子、って親しく呼んでるのも、俺だけなのに。
いや、壱馬もそう呼んでるか。
それなのに、リクさん、だと?
「それ、どういうこと?」
樹が一体何を知っているというのだろう。
「この間、リクさんが希子ちゃんのこと食事に誘ってるの、見ました」
だからといって、狙っているとは限らないし、実際に食事に行ったのかどうかも分からない。
「それで?」
「それでって?」
「二人で?ご飯行ったと?」
「行ったかどうかは知らないけど、今度行こうって言ってましたよ」
「希子は?何て言いよった?」
「はい、ぜひ、って」
何だよそれ。
あいつ、好きな人いない、とか言いながら。
でも、リクさんはかっこいいし、優しいし、大人だし…
誘われたら行くよな、ご飯くらい。
「どうするんですか?北人さん」
にやにやしながら樹が俺を見つめてくる。
冗談じゃない。
メンバーとライバルになんかなりたくない。
だったら…
「先に告るしかないやん」
「希子」
その日の夕方、控え室で一人準備する彼女を見つけた。
聞きたいことは、ただ一つだ。
「ねぇ、リクさんとご飯行った?」
「え?」
驚いた表情の希子が振り向く。
「なんで、それ…」
後ろめたいような顔をしている。
「ねぇ、どっち?行ったと?」
壁に押し付けるように、追いやる。
すぐ近くで、彼女の瞳を覗き込む。
「…まだ、行っとらん」
「まだ?じゃあ、これから行くと?リクさんのこと好き?」
「そんなんじゃないし!!」
「じゃあ何?断ったらいいやん」
「そんな簡単には断れんよ。てか、北人にそんなこと言われる筋合いないし」
「俺が、行ってほしくないって言ったら?」
「え、」
至近距離で瞳を見つめ合う。
彼女の黒い眼が揺れる。
「希子は、俺のもんやし。誰にも渡したくない」
「それって、どういう意味?」
「好きやって言いよるんやけど」
「それ、本気?」
「本気。気付かんやった?分かっとったやろ?」
「……」
「分かっとって言わせたやろ?」
希子が俯く。
「ねぇ返事は?これでも、リクさんと二人でご飯行く?」
「…行かん」
壁に押し付けた彼女の頭を、手のひらで撫でた。
「よかった」
照れたようにこっちを見上げる彼女がかわいくて愛しい。
そしてギュッと抱きしめた。
🥰🥰🥰🥰
いつか、北ちゃんがメンバーと好きな人が被ったらどうする?
という雑誌インタビュー受けてたのを思い出して、書いてみました😊
メンバーとライバルにはなりたくないから、
先に告っちゃうかなぁ、
って言ってたので😊😊
そして、九州男児っぽく(?)
独占欲強めの北ちゃんにしてみましたーー😊😊
こーーんな北ちゃんに迫られたいね😊
あと、初めてメンバーの名前をお借りしてみたよ😊
こういう妄想を書くのは、初めてかもー
リクさーーん、ありがとーー
あれ、なっちゃんとのほのぼの妄想書いてたんだけど、出来上がりません😂