一般的に購入しようとした不動産に所有権移転請求権仮登記が設定されていた場合は、誰も手を出しません。
なぜなら、仮登記の後に所有権が移転されても仮登記には順位保全の効力があり、本登記の順位は仮登記の順位によるからです。
例えば、AがBに不動産を売り2月1日にBが仮登記をしておくと、その後、AがCにこの不動産を売って3月1日にAからCへの移転登記がされても、Bが4月1日に仮登記を本登記にすれば、Bは2月1日の順位によりCに優先し、所有権を主張できる。(仮登記を本登記にするには、登記上の利害関係者(=C)の承諾が必要ですが・・・)
教科書的知識では、上述のように仮登記を本登記にすれば問題ないように考えます。自分もそうでした。
しかし現実はそう簡単にはいきません。
まず、売主であるW建設は、建物を占有しており、また契約後に不渡りを1回だしていて、しかも近日中に2回目をだすことが確実な状態でした。
根抵当権者の信用金庫にすぐ連絡をとり、面談させていただきましたが、返済も滞っているようです。
二重売買した先のG社は登記簿上の住所が港区虎ノ門にありました。
そこの住所に行ってみると古びた雑居ビルがあり、郵便受けには該当する会社名はありませんでした。
W社長を問い詰めると、すべて番頭の担当部長の口聞きだという。
こうなってくるとマンション事業がどうなるか?というより、支払った手付金を何とかして回収しなければなりません。
しかし常識的では考えられない事が現実に起こっているのです。
おそらくW社とG社は通謀しており、売買に当ってはたいした資金が動いていないでしょう・・・
しばらくしてW建設は、2回目の不渡りをだしました。
信用金庫は差押登記を設定し、競売により貸付金の回収を図る動きになりました。
競売により処理された場合は設定日が抵当権に劣後する仮登記、G社の所有権も吹っ飛びます!
仮登記を設定していてもどうにもなりません・・・
不動産&FP魂

