この時代の精神科病院は医療ではなかったのかもしれない。




看護師はほとんど准看護師。


それも病院付属の准看護学校出身者ばかりで、学生のうちからパートに来ている。



理学療法士と思っていた人は無資格者。



作業療法士と思っていた人たちの三分の二は無資格者。




なんだ??

これは病院なのか?!

唖然とした。


窮屈な思いをしながらも、様々な職種にチームアプローチの重要性を説明した。



一番反応がよかったのは医師。

このころから医師不足で、雑務の多さに医師たちはうんざりしていたのだ。

コメディカルが入ることで専門に専念できると知り、中堅の医師を中心に賛成の意見が多かった。

リハビリや看護はそれぞれの職種が責任を持って対応してほしいと言うのが医師の本音だった。




作業療法士や理学療法士は若手だけが前向き。

「お医者様にそんなことをいうなんて。作業療法士はいつからそんなにえらくなったんですか?」


若手OTとカンファレンスしていたとき、年寄りOTから言われたイヤミだ。

翌日から若手OTたちも非協力的になった。





一番の難関は看護師だった。




どうしてこんな頑ななのか、古株の医師に説明してもらうまでわからなかった。
私が就職したのはその地域で一番大きな民間の精神科病院。



そのころ珍しかったデイケアやグループホームがあった。



さぁ!これから!!

思っていたのに、
初日から異変に気が付いた。




父ほど歳の離れた上司が私に敬語。



すべてのスタッフがよそよそしかった。



理由はすぐに分かった。



私が来ることがおもしろくないスタッフが、「金持ちのお嬢さんが道楽で勤めるらしい。関わらない方がいい」と言いふらしたのだ。



なんで?





これが始まりだった。