綾川「祐(ひろ)君。僕は君が、早く結婚したい。と言ったのを憶えている。それに、君は子供を欲しいと
あれほど言ってたじゃないか?」
菅原「祐が言ったんですか?」
綾川「そう。でも僕は ”何を似合わない事をいってんだよ!” とその時は言ったけれど。その内に、祐
君が本気で、そう思っていることが判ってきた」
菅原「祐。ホントか?」
祐「。。。。」(祐は頷く事しかできなかった)
綾川「祐君。赤ちゃんができるという事は、本当に大きい事なんだ。それまでの、人生観がどんでん返しを
喰らうと思って間違いない。君は、もう赤ちゃんを手にする事は絶対にできないんだよ?」
菅原「。。。。そんなに、でかい事ですか?」
綾川「でかい。それまでは、こんな事になるなんて想像もつかなかった。話に聞いていたのとは、全く
威力が違った」
菅原「。。。。家(うち)も、そろそろ考えてるんです」
綾川「本当にでかい。頭の中で ”可愛い爆弾”が破裂してしまったら、もう何も手に着かない。全て
の事を犠牲にしても、全然惜しくない。菅原君。僕のオコズカイはいくらだと思う?」
菅原「3万円くらいですか?」
綾川「それの4分の1だよ。8千円」
菅原「エーーーー」
綾川「祐君は知ってるよね?」
祐「知ってる。綾川さんのオコズカイは8千円」
菅原「。。。。(おれのオコズカイが、8分の1になるのか!)」
綾川「僕はそれで、文句はない。奥さんが、子供にたっぷり愛情を注いでくれる。保育所に預ける気は
全然無い」
菅原「うーーーん。まいったなこりゃ。考えてもみなかったな」
菅原は、もう祐とムサシのことで集まったことは、忘れてしまっているようでした。
そこで、これまで黙っていたムサシが、ようやく口を開いたのです。
「ちょっといいですか?」