師匠からは「もっと余裕を持ちなさい」と言われ、最近、意識して会社を休むようにしている。で、今日、思い切って休んだ。ホワイトボードに「休」と書いて、休んでみた。平日の火曜日に休んだことなんて何年振りだろう。何をしようかな。昨日の夜から考えていて、息子が小さいときに行って以来、行ったことがなかった映画に行こうかなと思い立った。近くの映画館で、都合のいい時間帯の映画を探した。そうしたら、午前10時くらいにコロッケ主演の「ゆずりは」という映画がやっていることを知った。あのコロッケが笑わずに本名で出ているらしい。
正直、洋画がよかったが、ネットでの評価がまずまずだったので、とりあえず「ゆずりは」に行ってきた。
葬儀社を舞台にした映画で、妻の自殺で感情を失った主人公が、新入社員の男性の存在をきっかけに、感情を取り戻していくという内容だった。映画の内容は、葬儀ばかりで、自殺や交通事故、自然死など多くの人生ドラマが織り込まれていた。思わず泣いてしまった。
で、エンドロールが流れたとき、ふと思った。「私、泣いてはいたけど、魂は揺さぶられなかったなあ」。ネットでは五つ星が出ていたりしたので、私の感覚がおかしくなったかと思った。怒りとか哀しみ、喜びなど人間らしい感情を取り戻していくことがまるですばらしいことのように描かれていた。でも、私はというと、会社では泰然自若として、感情をなくし、笑わない訓練をしている。映画の筋書とはまるで真逆だ。
それでも師匠に、「映画を見て、涙活をしました」とだけラインした。すると師匠からのラインには「この映画は見させられたのです。見せたのは金毛九尾(こんもうきゅうび)の狐です。うまくできていたでしょう。アマテラスさんをだましたくらいですから。人心掌握は得意です。何事も目だけで判断せずに一歩踏み込んで考えること」との答えが。やはりそうか。違和感をかなり持っていただけに、これはスサノオさんの私へのお試しだったのかと思った。
映画のチケットはいわば、私がスサノオの道に沿っているかを見極める検定料みたいなものだった。
帰り、おいしい珈琲を飲んで、家族にお刺身を買って帰った。それにしてもこんな一日があってもいいのかな。洗濯物をすべて干し終えて、布団も干して、心も洗濯したような感じがする。明日から、また仕事だ。