わたしの母は、毒気がある。悪気はないのだが、思ったことをすぐに感情に出し、言葉に出してしまう。それがいかに子供の心を傷つけるか。
いまだに忘れられないのは、子供を身ごもったとき。それも28歳の時だ。
妊娠がわかり、台所に立つ母にこっそり「子供ができたみたい」と打ち明けた。ふつーは、「そう。よかったわねえ。体、大事にしなさいよ」。だ。この答えを私も待っていたような気がする。
でも、返ってきた答えはなんだと思いますか。
汚いものを見るような顔で「うぇ~」。でした。たぶん、妊娠したことが汚らわしいように思ったのでしょう。いやらしい。みたいな。
わたしはひどくショックを受けたことを昨日のことのように覚えています。当の母親はけろっと忘れていますが。
このように母の毒気は枚挙にいとまがありません。だからお嫁さんとの折り合いも悪く、先日は「自殺したい気分です」なんてメールを私に送ってきました。これは私に甘えたいからなんだそうです。少しでも気を引きたいみたいな。そういうときは、まともに反応しては元の木阿弥。
「反応しない」練習です。師匠に相談し、メールでどう返答したかというと、「お母さん、ごめんね。いま、私は仕事がたてこんでいてなかなか電話もできません。こういうときはエステとか行って自分にうんと優しくしてください。私も長女だからお母さんのことは考えていますよ。来年になったら時間ができるので、それまでちょっと待っててね」。と。母からのメールは「わかりました」でした。
本当に自殺したい人は、こういうメールは送ってこないと思います。師匠は何度も子供のころ、自殺したいと思ったようですが、なかなか自殺するのは勇気がいることと言っていました。
こういう母とどう付き合えばいいのか、師匠に聞いてみました。師いわく「今は、なるべく距離をおいたほうがいい」と。
でも、こういう毒母は、生まれながらにして毒を帯びており、それは他の人間の魂を磨くための「砥石」なのだそうです。だから、感謝すべき存在なのだと。確かに。母との向き合い方は、自然にはできません。こちらが傷つかないように、常に一歩引いて、自分を俯瞰して付き合わないと、蛇の毒にやられてしまいます。一番いいのは、自分がこうした問題をも気にならないように成長してしまうことのようです。
それにはまだ今は無理で、来年になれば、私のほうがぐんと成長できるようです。いずれにしろ、なんでも「時機」があるのですね。
みなさんの周りにも毒のある人はいませんか。でも、角度を変えてみたら、自分の魂を磨いてくれる砥石の役割を担ってくれているのかもしれません。そういう人がいなければ、自分を高めようなんて思わないかもしれないから。
それにしても命は大事です。最後、自分があの世に行くときに、「ああ、楽しかった。本当にいい人生だった」とおもえることが私あゴールだと思います。いくらお金を持っていたって、そう思えないなんて寂しいですよね。しかもお金はあの世には持っていけませんよね。
