「モモ萌えブログ」になっちゃってますが・・(*^^*)
目の調子が悪くてあんまりPCに向かえないので、こうなっちゃってます。
よかったらお付き合いくださいませ~<(_ _)>
******************************episode.5
カーテンの隙間から差し込む光に幸田は目を覚ました。
昨日はいつのまにか眠ってしまったらしい。
かろうじて布団の上にいる。
すぐ横でモモが眠っていた。
寝返りをうったモモのやわらかい髪が幸田の頬に触れた。
モモの頭は布団にのっているが、体は冷たい床の上にあった。
「モモ、風邪ひくぞ」
軽く肩をゆすると、モモは眠そうにゆっくりと目を開いた。
「・・幸田さん」
少しかすれた声だった。
「・・・風邪、ひいたみたいだ・・」
そう言うとモモは幸田の布団に潜り込んできた。
「・・あったかいな」モモがつぶやいた。
幸田はモモの額に手を当てた。
「熱あるな、なんで布団に寝ないんだよ」
「幸田さんを布団に運んだら、オレもいつのまにか寝てたみたいだ」
と言ってモモはクスッと笑った。
そういえば幸田も床の上で寝ていた・・ような気がする。
「熱なんか出したの、何年ぶりだろう・・ずっと張ってた気が緩んだかな」
モモは風邪をひいたというのに、どこか満足気な表情に見える。
「風邪ひくなんて、生身の人間って感じがするな・・」ぽつりと言った。
「熱でおかしくなったか」
「ハハ・・そうかもしれない」
幸田は起き上がると、モモに布団をかぶせた。
「ちゃんと寝てろよ、薬買ってくるから」
モモは布団から顔を覗かせると、熱で潤んだような目で幸田を見つめた。
「何食いたい?今日くらいオレが作ってやるよ」
モモの目が輝いた。
「そうだなぁ、・・・・・・・りんご」
「分かった、ほかは?」
「やっぱりお粥がいいな。病人って感じがするし」
「・・モモ、楽しんでないか」
「看病してもらうなんて子供の時以来だから、なんだか懐かしくて」
そんなモモの笑顔を見ていると、悪い気はしなかった。
急いで買い物を済ませて戻ってくると、モモは眠っていた。
幸田はモモの額に冷たいタオルをのせると、慣れない手つきでリンゴを剥きはじめた。
よく考えたら、お粥なんて作ったことは一度もなかった。
ごはんに水を入れて温めればきっと出来るよな・・と思った。
なんとかそれらしいものは出来た。
ついでに買ってきた丸吹の豆腐で味噌汁も作った。
春樹がいた時も料理することはあったが、今日ほどきちんとしたものを作ろうと神経を使ったことはなかった。
モモは思ったより食欲はあるようだった。
幸田が作ったお粥をきれいにたいらげた。
モモを置いて幸田は仕事へ向かった。
いつも通り黙々と体を動かし、仕事が終わるとまっすぐ家に戻った。
家に帰ると北川がいた。
テーブルの上に空いたビール缶がいくつか転がっていた。
向かい合わせにモモがおとなしく座っている。
見る限り、熱は下がったようだ。
「様子を見にちょっと寄ってみた。そしたらこの有り様だ」
北川がイラついた声で言った。
「爆弾はもう完成するし、準備は・・」
幸田の言葉を遮って北川が怒鳴った。
「そうじゃない、オレが言ってるのはお前らのことだ。
こんな大事な時にモモは熱なんか出して寝込んでやがるし、気ぃ緩みすぎだろうが」
「風邪くらいひくだろ」
思わずそう言っていた。
北川は呆れたような顔で幸田を見つめた。
「お前の口からそんなセリフを聞くとはな・・お前の頭も相当とろけてんな。
計画の大事な詰めの段階でそれじゃ困るんだよ。仕事はきっちりやれ」
そう言われてやっと自分の甘さに気付いた。
いつからこんなに頭が平和ボケしてしまったのだろう。
北川の言うことはもっともだった。
モモも反省の色をみせていた。
「幸田、お前がモモを売らないって言ったんだからな。責任もって管理しろ。せいぜい頭冷やすんだな」
幸田とモモを交互に睨みながら荒々しくドアを閉め、北川は帰って行った。
沈黙が残った。
モモが口を開いた。
「北川さんが怒るのも当然だ・・殴られたっていいくらいだ」
幸田にしてみれば殴られるほうがまだマシだった。
北川は込み上げる苛立ちを抑えて淡々と釘を刺していった。
北川にこんな姿をさらしたのは初めてだ。
そんな自分が無性に恥ずかしく情けなかった。
「・・幸田さんがオレを売らないって言ったの?」
モモがつぶやくような声で聞いた。
「あぁ」
「それが聞けて、良かった」モモが笑った。
「幸田さんといるとオレ、駄目だな・・気付かないうちにどこかで寄りかかってるんだ。
爆弾ももうオレ一人で完成させられるところまできたし、しばらく会わないほうがいい」
そう言ってジャンパーを手に取った。
「帰るのか」
「あぁ」
モモは足早に玄関へと向かって行った。
幸田は後ろからモモの肩を掴んだ。
「熱下がったばかりだろ、あんな部屋じゃまたすぐぶり返す。ここにいろよ」
「駄目だ。これ以上甘やかさないでくれ」
振り向きもせずモモはドアノブに手をかけた。
「・・オレがそうしたいんだよ」
モモが驚いた表情で振り返った。
自分の口から出た言葉とは思えなかった。
北川の言うとおりだ。頭の中がドロドロにとろけてる・・そう思った。
「幸田さんがそんなこと言うなんて・・北川さんに知れたら殴り殺されるな」
モモが小さく笑った。
「いいか、仕事はきっちり果たす。モモは明日中に爆弾を仕上げろ。それが出来たら次は運び込む作業だ、オレも手伝う」
「分かった」
モモが頷いた。
「幸田さんがオレを売らないって言ってくれたんだ。それに応えるよ。自分の仕事に最善を尽くす」
モモの目にも鋭さが戻っていた。
「あぁ。モモ、気を抜くなよ。素手ならまだしも、銃撃戦になったらオレは役立たずだ・・」
「・・知ってる」
クスッとモモが笑った。
部屋に戻るモモの背中を、幸田は静かに見つめていた。
いつまでもこんな日が続かないことは分かっている。
だが今はそれだけを・・願った。
***********************************
わ~萌える~( ´艸`)
幸田さんこんなにモモに惚れちゃっていいの?
ちょっとダメ男気味でごめんなさい・・(^^ゞ
にほんブログ村
よかったらぽちっとな