パラサイト-半地下の家族 | クスリに頼らない自遊人

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東大法卒のアル中です。ベンゾジアゼピンを断薬して6年が過ぎました。東大野球部応援とグルメ情報、映画レヴューとメンヘラネタが中心です。
コメントには塩対応なので悪しからず御了承下さい。

先週地上波初公開でした。

一昨年劇場で観た時は強烈でした。

コミカルでテンポのいい展開から突如ホラー🧟‍♂️に。

ネタバレします。


社会の底辺、半地下で全員無職、貧しくも楽しく暮らす「半地下の家族」が、幸せのお裾分けを、と策を弄してある富豪の家族に潜り込み寄生(パラサイト)を始めるが…

その家の地下室にはさらに底辺、決して地上に戻れない「全地下」の住人が…

惨劇の発端は妬み恨み。
格差社会をテーマにした社会派ホラーの位置付けです。

美しいですね。


歴史を動かしてきたエネルギーは、知的好奇心とか、進取の精神とか正義とかじゃなく

むしろ恨み妬み。
革命とか民族対立、宗教対立も。
そしてそれは創造ではなく主に破壊を司どってきました。


全地下で蠢くゾンビの顔。

こんな顔してますよ。
もはや表社会にでることも叶わない。

それを望んでもいない、
この地下室で生まれてずっと生きてきた様に感じていると語る全地下人。

7年前の自分の姿と重なりフラッシュバックに襲われました。

そう、表社会は眩しすぎました。

戻るべき世界ではなく、
妬むべき、呪詛の対象でしかなかったですね。

地底人の妬みの刃は、富裕層や社会の矛盾にではなく、

自分のすぐ上
表に出ようとする半地下の住人に…

そしてその半地下の住人の妬み恨みは、地上の住人に。

自分が回復しようとするのではなく、手の届く人の足を引っ張ろう、傷つけようとするのは

とこの国でも、いつの世も
人の性なのかも知れません。