芸術か猥褻か? | クスリに頼らない自遊人

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東大法卒のアル中です。ベンゾジアゼピンを断薬して6年が過ぎました。東大野球部応援とグルメ情報、映画レヴューとメンヘラネタが中心です。
コメントには塩対応なので悪しからず御了承下さい。

古い話しで恐縮。

その昔「チャタレー裁判」というのがあった。
小説「チャタレー夫人の恋人」が刑法に規定される猥褻にあたるかどうか? が争われた事件。

そこで議論になったのがコレ、

猥褻か芸術か?

芸術ならセーフだが猥褻ならアウトで違法。
その線引きをどこにおくか? という議論

言うまでもなくこんな下らない議論はない。
なぜならこの2つは二律背反の関係になく全く別の物差し。
orで論ずるとか、線引きすることはそもそもできない。

芸術ならヤラシくなく
ヤラシいなら芸術ではない  

ではなくて、

芸術だろうと無かろうとヤラシイものはヤラシイし、

ヤラシかろうと無かろと芸術なら芸術なのだ。

だから芸術性という価値があれば、ある程度のヤラシさ(反規範性)は社会として許容しましょうかね、という話で

芸術性が猥褻性(違法性)の阻却事由になり得る、というだけのこと。

芸術作品だからヤラシイ目で観ちゃイカン! 
○○○を○○ちゃ駄目!

…そんなナンセンスな話じゃない。


論理的に考える能力が社会全体で劣化しているのか、二択じゃ無いモノを'or'で論ずる破綻した不毛な議論が世の中にまかり通っています。

芸術猥褻論争は全く関係ない2つの評価軸を混ぜちゃった混乱ですが、

逆に、根っ子は同じなのに対極であるかの論争も世の中には多い。

感染拡大防止か経済か?

これも二択じゃない。

出歩かない・カネを使わないのは不安だからで、それを払拭するには感染対策なりリスク説明なりをキチッとやらなきゃいけない、

つまり両者は表裏の関係でもあって全然二択じゃない。

実際、いち早く経済活動を回復させているのは感染を封じ込め「安心」を獲得してマスクすら外せている国々です。

まぁ相手はウイルス、これは今後どう転ぶかはわかりませんが。


身体か精神か? 

これもそう。
身体と精神は自律神経を介して密接不可分、鏡の表裏の関係。

精神的ストレスは自律神経を介して血圧や呼吸、動悸などの身体反応に直結するし、

身体的な問題は精神的にストレスになり、これまた自律神経を介して不安や不眠、イライラなどの精神症状を引きおこす。


身体依存か精神依存か?

精神と身体が不可分である以上、これもほとんど意味がない。

身体依存性がある対象物やプロセスなら、元は精神依存だけでも繰り返しているうちに耐性(身体依存)が付くし、

身体依存だけで止められないで繰り返しているうちに習慣化すれば、必ず止めること自体が恐怖の対象になる、

増やすにせよ減らすにせよ替えるにせよ、考えることやることはドンドン薬に捕らわれる、つまり精神的にもドップリ捕まってしまう。

結局、麻薬を飲み続ければ心も体も蝕まれるということ。

だから精神にも身体にも栄養と休養を与えそしてトレーニングを課すことが蝕れた心身の「回復」の処方箋だということなのだと思います。

そして極めつけ。

薬害か依存症か?

いうまでもなくこれも二択じゃない。

薬害で病気になった、
という'原因ー結果'の関係であって、A or Bの関係じゃない。

人にもよるが、私のケースなら薬害でもあり依存症でもあるワケで、だから自分自身に対しては依存症としての対処もするし、 

他方、薬害としての活動にもたまに首を突っ込む。

薬害だからアイツらのせいで
依存症なら自分のせい

そんなアホみたいな話じゃない。

さて、
「芸術性」を免罪符にある程度の反規範性(猥褻)を許容してきた結果

今ではチャタレーなんかヤラシくもなんともない。

ヘビーな猥褻が蔓延してしまって、猥褻への耐性がついてしまっい、一人一人の感覚が麻痺するほどに「規範」「モラル」の方が壊れてしまっています。

これって「薬害」と「依存」の関係に似ていると感じているのですが、考え過ぎでしょうか?

薬害だから、私のせいじゃないから、私は悪くないから

続けることが認められる

そんな免罪符が拡散して
その結果「依存」が、
「止められない」人が蔓延しているんじゃないか?

密かにそう感じてしまいます。


〈MDAA ZOOMミーティングの予定〉


8月30日(日) 20時から
ミーティングID: 
 656 079 9148

パスワード: 

 bMFR53

*オープンミーティングです


9月3日(木)  1300-1430

ミーティングID: 

 623 067 2924

パスワード:

  8sxhBn  

テーマ: 未定

*オープンミーティングです。どなたでも参加できます。


MDAAは処方向精神薬で依存、離脱症状、副作用や後遺症、減断薬に伴う悩みなどの問題を抱える当事者、家族、関係者が集まる自助グループです。

ニックネームでの参加を推奨しています、どこまで自分のプライバシーを明かすかは自分で決められます。

守ってもらうことは2つです。
人や人の意見を否定しない裁かないこと。

ミーティングで聞いた話は絶対に外に持ち出さないこと。

あとはどんな自分の経験や意見を話すことも自由です。

途中参加、退出も自由です。

初めての参加でもお気軽に。