彼岸過迄 | クスリに頼らない自遊人

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東大法卒のアル中です。ベンゾジアゼピンを断薬して6年が過ぎました。東大野球部応援とグルメ情報、映画レヴューとメンヘラネタが中心です。
コメントには塩対応なので悪しからず御了承下さい。

漱石の代表作の一つだが今回教材で使うまで読んだことがなかった。

連載を依頼された漱石から、いつまで書くのか尋ねられた編集者が「彼岸過ぎあたりまでお願いします」と答えたからこのタイトルになったのだとか、
だからストーリーとタイトルには何の関係もない。
私小説仕立てのその主人公、

自己評価は低いがブライドは高く付き合いベタ。
人の気持ちに過敏すぎて傷つくのも傷つけるのも苦手
本人は周りに気配りしているつもりだが、その実、周りの自分への評価に怯えているだけ。

結局グズグズ優柔不断で問題を先送りして溝と傷を深める。

場面もほとんどが心理描写
それも主人公が想像(妄想?)した他人の心理と、自分を言い訳する描写ばかり…
その描写は地頭の良さを誇示するかのようにやたら凝ってて小難しい。


あまりに自分に似ている彼の事をどう思うか? と陽茉里チャン(仮名 高3)に尋ねたら、

「かわいそうだと思います!!」

イタイケなJKに同情されるならヘタレも悪くない。

どこに共感できるのか? と聞いてみたら、

「あ、そのかわいそうじゃなくて、なんていうか
ザンネンな人の方

波田陽区かい

これは共感でも同情でもなく死刑宣告ですね

今時の若い娘、ボキャブラリーが貧困だと思ってましたが、とンでもないです。

百年の時を越えて、令和のJKに適切に捌かれた明治の「私」
ちゃんと見えてますし、表現できてますし
健全な男性観を持ってますよ

ザンネンでモテないオトコというものがわかってます。