大阪にある市販薬・処方薬依存症の自助グループを取材した。MDAA(メディカル ドラッグ アディクション アノニマス)は東京で始まり、大阪は2018年にできた。昨年11月に高槻市内で開かれたミーティングには14人が参加。参加者はニックネームで呼び合い、自分のペースで思いや経験を語っていた。話し手以外は聞くことに徹し、質問や意見はしないのがルールだ。
代表のヒロシさん(仮名)も処方薬依存の経験者。医療機関で処方された睡眠薬や抗うつ剤を手放せなかった。なくなれば、医師に処方箋をもらうために通院を繰り返した。大阪でMDAAが立ち上げられたのは「違法薬物依存のミーティングに、市販薬や処方薬の依存に悩む人たちは入りづらさを感じるとの声があったから」という。
■共感するものがあるからこそ
共感するものがあるからこそ、語ることも聞くこともできる。「違法薬物と依存症として多くは重なるものの、違法かどうかという点で『自分はこの人たちとは違う』と感じる人もいる。誰になら語れるか、どこなら通い続けられるかを考え、場所を選ぶのは大事なこと。その選択肢は一つでも多い方がいい」とヒロシさんは語る。
市販薬や処方薬の依存が病だとの認識は、社会や当事者自身も、まだ浅い。処方薬依存では、大量に処方する医師や病院にも責任があると指摘する人もいる。さらに、合法薬物としてひとくくりにされがちだが、市販薬と処方薬でも問題の捉え方が異なる部分がある。
ヒロシさんは「苦しんでいる人に、あなたは一人ではないということを伝えたい。同じような経験をしてきた人たちが、自分以外にもたくさんいること。その人たちと回復できるということを知ってほしい。安心して語ることができる分かち合いの場が広がっていくことが目標」と話している。
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MDAA伊豆
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MDAA東京
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MCafe静岡
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MDAA大阪
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[MDAAについて]
①MDAAは処方向精神薬の有害作用や離脱症状、後遺症や依存の問題で苦しんだり、クスリの問題で生活上の困難や悩みを抱えている当事者、その家族、関係者が悩みや不安を吐き出し、分かち合い、各々がクスリと自律的に対処できるようになることを目指す場所です。
断薬を経験した人も多く参加していますが、医療行為に該当するような減断薬方法の指導を行う場ではありません。また特定の考え方を共有して対外的な活動を行うこともありません。
ミーティングへの参加資格は設けていません、興味のある方はどなたでも参加できます。
当事者や家族関係者が集まり、離脱症状や副作用、病気のことなど普段なかなか話せないこと、理解してもらえないこと、聞けないこと、生活上の不安や悩みごとをオープンダイアローグ形式で話し合っています。
②ミーティング参加にあたっては参加者お一人あたり200円以上の献金のご協力をお願いしています。
③ニックネームでの参加を推奨しています。どこまで自分のプライバシーを明かすかは自分で決められます。
④参加者の安全を守り、安全安心なミーティング会場を維持するため、ミーティングは秘密会です。会場で聞いた話は一切外部にもらさないことを約束の上、ご参加下さい。
⑤他の人や他の人の意見を尊重する限り、ご自身のどのような経験な意見を話すことも自由です。
他の人を批判したり、自分の考えを押し付けることは厳にお断りします。
⑥個人情報の管理には十分ご注意下さい。MDAAは匿名参加であり名簿も構成メンバーも組織もありません。ミーティング会場をはなれて参加者間でトラブルが発生しても一切介入することはできませんし、責任を負うことはできません。