(再掲載) 廃人まで5年の薬 | クスリに頼らない自遊人

クスリに頼らない自遊人

東大法卒のアル中です。ベンゾジアゼピンを断薬して6年が過ぎました。東大野球部応援とグルメ情報、映画レヴューとメンヘラネタが中心です。
コメントには塩対応なので悪しからず御了承下さい。

のぶです。
タイムリーに
「薬害·廃人症候群」についての東洋経済の記事がありましたので、まったくその通りの「ベンゾ廃人」だった私の経験談を再掲します。

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寒い日の移動にはバスを多用しています。地下鉄🚇はまだ苦手なので都心では重宝しています。

子供のころからバスは酔いやすく嫌いだったんですが、離脱が進み自律神経バランスが良くなったのか最近は全く酔いません、
寧ろ車窓を楽しみながらゆっくりバスるのが好きになりました。


向精神薬による異常には、自分ではなかなか気がつきません。

私も自分がおかしくなっていることには気がつきませんでした。

SSRIで躁転して提訴告訴を重ねていたときも、
「自分が正しいのだから」と
考えの違う人を許せません

極端に偏狭で不寛容

でも自分の行動が普通ではないとは自覚できてませんでした。


2013年、服薬をはじめて5年目に入った頃からです。

本格的に狂ってきたのは。

躁転してたこともあって(診断上は寛解ですね)
3年目位からはベンゾだけ(コンスタン、レンドルミン、ユーロジン) になってました。

毎週クルマでゴルフに行き
司法試験めざして勉強していたし、予備試験の成績も良くアタマが変だとは思いませんでした。

それがある日気がつくと
本が読めなくなってました。 
全然理解できないし覚えられない、
面白くもありません。

そこからはアッと言う間です。

昔読んだマンガですら駄目になりました。

テレビニュースが理解できなくなりました。
何を言ってるのかわからない

買い物できない
アマゾンでも無理。
ピルカッターもスケーラーも調達できないから手で割ってましたよ。

テレビドラマも映画もダメです。ストーリーどころか登場人物の名前も関係もサッパリ

好きだった野球を見てもプレーが理解できません。  
なぜ打者が一塁に走るのか? がわかりません。

100回以上訪れた台湾
空港からどうやってホテルに行くのかわからない
タクシーにもバスにも電車にも乗れない

歩き慣れた街で道に迷います

家の近所ですら、何度も道を間違えてしまう  

交差点に突っ込んで全損事故を起こし

そのうち車の運転、操作ができなくなってました。

話せなくなりました。
頭の中で話を組み立てられません、

人の話が頭に入らなくなりました
電話もかけられません

病院で症状を説明することも困難になりました。

病院に行くたび、異常を訴えるたびにクスリが増えました。

デプロメールが倍になり
レメロン追加
アモキサン追加
ドグマチール追加
サイレース追加
ワイパック追加

…その頃はもう感情も思考も何もありません

風呂にも入れません
食欲だけはクスリで異常にありますが
アモキサンで酷い便秘です。

入院、メジャー治療を勧められます。

全身から悪臭を放ちながら

早く死んでしまいたい
山奥の病院に籠りたい

毎日毎日、一日中そればかり考えていました。

異常に気がついてからものの半年です、クスリ漬け廃人になるまで。

ほんの6年ちょっと前のことです。

これに出会い
自分の状態はクスリで狂ってるだけだと教えられることになったのは。

廃人までたった5年飲んだだけです。

クスリ止めて2年位までは 
まだ本も読めないし
映画もダメ
バスなんかとてもとても

止めてから4年、
今はベンゾ無しに何だってできますし、何でも読める。
好きなところに行き
会いたい人に会えます。

今もまだ飲み続けていたら、私はどうなってしまっていたのか
どこまで壊れていたのか

生きていたのか?

そう思うとゾッとします。

一人前に社会生活を送りながらラク~に断薬までできる方法があるならそうしましたけど

廃人の私にはそんな余裕も時間も

能力もあるハズもありませんし、薬物から離脱するまでそれを取り戻すことはありませんでした。


いまだかつてホンの数名しか会ったことありません、それができた人には。

そのころSNS上で知っていた、クスリを飲んで離脱を凌いでいた仲間

今はほとんど見かけません。

それがこの薬の現実
飲み続けることの現実です。

私は人には飲めとも飲むなとも減らせとも止めろとも決して言わないようにしています。

すぐ止めろとも、

5年10年飲んだ方がいい、いやなるべく長く飲んだ方がいい、一生飲んでも安全だとも

その辺のヤブ精神科でも流石にもう言わなくなってきていることを、自分の経験上

人には怖くてとても言えません。

言えるのは

自分はこうだった
何をして
今はこうなった

それだけです。

そして、
私はこの心身を蝕む悪魔のクスリを心底憎みます。

決して認めることはできません。