私がこのブログを書き始めて10数年が経ちます。人に読んでもらおうというつもりはあまりなくて、自分の日記やアルバム代わりに書き続けています。
それでもより多くの人に読んでもらうことに越したことはないわけで、読みやすい工夫は少しずつしています。例えば、こんな風に段落の間を開けるとか、写真を多く取り込むとか、世間で気になっている話題を取り上げるとか。
有名なブロガーの中には、何十万人とフォロワーがいる人がいます。確かに彼ら(彼女ら)のブログは読んでいても面白くて、続けて読みたいと言う気持ちにさせてくれます。
これはブログなどのSNSに限らず、小説やエッセイについても言えることですが、何か読者を惹きつけるテクニックがあるようですね。
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そんなことを考えていた時に、こんな本に出会いました。
文芸評論家の三宅香帆さんが、古今東西さまざまな作家とその文章を分析して、なぜ記憶に残るのか?なぜ心をつかむのか?、を解説した本です。
学校の作文で習った、正しく、ていねいで、わかりやすい文章は、つまらない上に、今やAI でも書けるようになりました。しかし、大量に作られたそういった文章は、読み飛ばされて人の目に止まることなく、人の心に残ることもないようです。
同じ出来事、同じ思いを書いたとしても、目に止まる文章、余韻が残る文章を生み出すのは、「文体」=書き手の味、だそうです。絵でいえばタッチ、音楽で言えば歌い方のようなもの。
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彼女が取り上げるのは、小説、エッセイにとどまらず、評論、ブログ、歌詞、江戸小噺、セールストーク、短歌、スピーチ、脚本、古典文学までと幅広い。
50を超える様々な文体は、それぞれ「(作者名)の 〇〇力」というタイトルで紹介されます。
例えば「村上春樹の音感力」という章では、小説「ダンス・ダンス・ダンス」の一節を取り上げて、同じ語尾や音数を揃えて、一定のパターンを繰り返す「言葉のリズム」があるからと解き明かします。なるほどですね。
でも、リズム感がない人はどうすればいいのか?そういう人のためにも、ちゃんと解決策を教えてくれます。ズバリ、「一文を短くする」ということだそうです。
他にも
「星野源の未熟力」では、自分の迷いや至らなさを「問い」に変えて共有する
「北原白秋の配合力」では、一見関係のないものを並べて、関係性を書いて奥行きを生み出す
「向田邦子の柔和力」で、あえて漢字ではなくひらがなにして強調することで印象を変える
「俵万智の合図力」では、逆にカタカナを混ぜてツッコミどころを気づかせる
「秋元康の裏切力」では、現実から妄想を膨らませた後、現実にかえってオチをつける
「清少納言の音合わせ力」では、似た音を揃えてさらさらと頭に入るようにする
など、一つでも取り入れたらいい文章が書ける(と思わせる)ノウハウが紹介されています。
私が特に気に入ったのは
・「誰にでも答えられそうな問い」を最初に投げかける。ただし上から目線にならないように。これはマニアックな話とか、アカデミックな話、などを書く時に有効。
・「のどかな日常」から始めて、非日常に展開させる。
・語尾をぶった切る=「体言止め」にしてみる。
・つなぎ言葉=接続詞を絞る。
・読点「、」でテンポを操る。→カジュアルに伝えたい時は読点を増やし、フォーマルに伝えたい時は読点を減らす。
・「何があったのか」よりも「どう感じているか」を伝える。
・真相(結論・種明かし・原因)を先に書く、「古畑任三郎」方式。
・個人的なエピソード(思い出)の抽象度をあげて、共感を得る。
これらをいっぺんに応用することはできませんが、これからブログを書く時は、少しずつ取り入れてみよう(パクってみよう?)と思います。果たして、上手くいくでしょうか?
