晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜 -22ページ目

晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜

晴れた日は山に登り街を走り、 雨の日は好きな音楽を聞きながら本を読む
そんな暮らしがいい!

これも理系の本といえば言えなくも無いですが、難しい数式は一切出てこなくて、スポーツ全般が好きな人には面白い読み物になっています。

 

 

著者はイギリスのスポーツ工学の専門家。アディダスやプーマなどの企業をはじめ、サッカーはじめ様々なスポーツの国際連盟の依頼を受けたりして、スポーツ全般の機能向上に協力している人です。そのためにこの本の中で取り上げられているスポーツも広範囲に渡ります。

 

トラック・フィールド競技、ラグビー・サッカー・テニスなど球技のボール、計測機械の進歩、ゴルフボールやクラブ、自転車の車輪、スケートシューズやウェア、ビッグデータの情報処理、など。

 

そこに共通しているのは、ルールとテクノロジーのバランスです。どんなスポーツも最初は遊びから生まれます。その後、簡単なルールが決められ、それに則って行われるうちに自分(あるいは自分たちのチーム)に有利になるように道具(テクノロジー)を改良します。すると、お互いに不利にならないようにルールが改定されます。しかし、そのルールに当てはまらない方法で新たなテクノロジーが生まれます。すると、再びルールが改定される.....というパターンが繰り返されるというわけです。

 

いくつかピックアップして内容を紹介してみます。

 

・短距離走

昔はスタートの姿勢に取り決めはなく、立ったままの人もいたようです。スターティングブロックは世界初のテクノロジーともいうべき装置で、これによりスタート音の時差が無くなり、フライングも簡単に判別できるようになった

 

・フットボール

昔のボールは豚の膀胱から作られたそうです。そこからサッカー・ラグビー、アメフトなどの球技別にゴム素材で大きさや形が違う形状になった

 

・テニス

ラケットの素材が、木製からアルミ、グラファイト、カーボンファイバーと変化。昔テニスをやっていた身としては、この辺りの素材の進化は目の当たりにしていました

 

・スポーツ運動を客観的に計測する技術

人や馬、ゴルフボールなどの動きを測るために、ストロボカメラからデジタルカメラへの進化、コンピュータを使った計測になるまでの技術革新

 

・ゴルフ

最初のゴルフボールは皮袋に羽毛だったのが、最新のものは流体力学を使って追求した結果、表面に336個のディンプルがある

 

・水泳

一時期オリンピックや世界選手権で新記録が続出したのは、水着の技術革新によるものが大きい。水の抵抗を極力少なくするためにライクラなどの新素材の開発はもちろん、体のどこまでを覆うのがいいか、など年々変化している

 

400ページ近い本ですが、どこから読んでも良いし、自分の興味のあるスポーツに関するところだけ読んんでも良いです。細かいエピソードもあり、ヘーッ!と思うこともたくさんあります。スキマ時間の読み物としてオススメです。

 

追記

データといえば、日本のプロ野球以上にアメリカメジャーリーグのデータ分析はすごいですね。大谷翔平の活躍でよく観るようになりましたが、膨大なデータの蓄積と瞬時にデータ処理される内容に驚くばかりです。ピッチャーの投球の軌跡とスピード、回転数、持ち球の種類とその投球比率、バッターでいえば、ストライクゾーンごとのヒット比率から、打球の初速、角度、方角、距離までデータ化され、試合中でもそのデータを見ながら作戦を立てるというのが普通になっていますね。