世間で密かに話題になっている映画を観てきました。
幕末の侍が現代の時代劇撮影所にタイムスリップして、時代劇の切られ役として奮闘するというもの。
もともとはスタッフ10人ほどの自主制作映画(いわゆるインディーズ)として、池袋の一館上映だったのが、口コミとSNSで面白いと話題になり、GAGA(ギャガ)の共同配信で、今や全国の250館以上で上映されているそうです。まさに、あの「カメラを止めるな!」の再来ともいえる映画です。
あらすじ(映画HP より)
時は幕末、京の夜。会津藩士高坂新左衛門は暗闇に身を潜めていた。「長州藩士を討て」と家老じきじきの密命である。
名乗り合い両者が刃を交えた刹那、落雷が轟いた。
やがて眼を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所。新左衛門は行く先々で騒ぎを起こしながら、守ろうとした江戸幕府がとうの昔に滅んだと知り愕然となる。
一度は死を覚悟したものの心優しい人々に助けられ、少しずつ元気を取り戻していく。
やがて「我が身を立てられるのはこれのみ」と刀を握り締め、新左衛門は磨き上げた剣の腕だけを頼りに「斬られ役」として生きていくため撮影所の門を叩くのであった。
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大いに笑って、しんみりさせてもらいました。脚本が良いですね!まず侍が目を覚ましたのは、京都太秦の大映撮影所という設定がユニーク。誰もが考えそうで、今まで誰もやらなかったことです。
そこでは予想通りのドタバタぶり。真面目にやっていて笑いを誘うというのは、昔からの常套手段ですね。ベタな演技とカメラアングルはまさに昭和映画そのもの。
何より主役の新左衛門を演じた山口馬木也さんの演技がすばらしい。この映画の魅力は彼の演技が半分以上を占めています。私は知らなかったのですが、今まで数々の時代劇に出演してきた実力派俳優だそうです。どおりで、侍らしい腰の座った所作や殺陣の立ち回りなどは、一朝一夕にできるものではありませんでした。
ドタバタ喜劇かと思いきや、製作者や出演俳優たちの時代劇制作への尊敬とオマージュが随所に見られました。ひとつの時代劇が何人もの裏方で支えられているというのがよくわかります。流行りのCGやワイヤーアクションは一切ありません。
ラストシーンの真剣勝負の場面は、山口さんはもとより相手役の冨家ノリマサさんとの息の詰まるような、文字通り「真剣」での殺陣に圧倒されました。(実際は真剣ではなく竹光だったと思いますが)
前半の殺陣の撮影の場面で、刀が交わる「チャリン」という効果音が全くなかったのは、この真剣の場面を際立たせるためだったのか!と後で納得。
エンディングはちょっと予想と違っていましたが、これはこれでアリだと思います。(本当は真剣勝負の途中に再び落雷があって、元の時代に戻るのかと思っていましたが、違いましたね)
時代劇ファンはもとより、いまさら時代劇?という人にも楽しめると思います。「カメ止め」以上のどんでん返しを期待していましたが、あまり欲ばるのも良くないかもですね。
