”DIE WITH ZERO" (ゼロで死ね)という刺激的なタイトルは、「死ぬ時に資産がゼロになるように暮らす」というアメリカ人著者の提案を表すものです。去年日本国内でもちょっとしたブームになった本を、今年ようやく読むことができました。
欧米人に比べて貯蓄傾向が強く、高齢になっても金融資産を取り崩すことが少ない(使わないことが美徳と考える)のが日本人の特徴とずっと言われてきました。
その理由としては
・自分がいつ死ぬのか分からない
・将来病気などで多額の費用がかかるかもしれない
・子どもに資産を残しておいてやりたい
などが考えられます。
これに対して著者は、いくつかのルールを提案しています。例えば
・必要以上に貯め込まず、今しかできないこと(経験)にお金を使おう
・自分の人生の終わりを意識してみる
・子どもには死ぬ前に与える
など。
まえがきで、アリとキリギリスの寓話を例に挙げて、キリギリスは遊んで餓死してしまうけれど、一生懸命働いたアリは、果たして楽しい人生だったのか?と疑問をぶつけます。人生を豊かに過ごすためにはどうすればいいのか?アメリカ人らしい方法論(ルール)が綴られています。
そのルールの根底にあるのは、「人生の最後に残るのは思い出だ」という考えです。そのために、喜びを先送りしない、金は生きた使い方をすべきだ、という主張です。
と言われても、やっぱりシニア世代は将来の不安に備えて慎重になりますよね。それなりの資産と自由になる時間があっても、健康に対する不安はなかなか拭いきれません。
著者は、そんな行動を妨げる「老後」の恐れにちゃんと眼を向けてみようと述べています。健康管理はもちろんですが、はたして自分は実際に何歳まで生きられるのか?
そのために著者が勧めるのが「余命診断アプリ」です。調べてみたらいろいろなサイトに似たような余命診断アプリ(アンケート)があったので、とある保険会社のアンケートに答えて余命を見てみました。
生活習慣から食事の内容、運動の頻度、親族の病歴、持病の有無などから余命を弾き出します。その結果、私は85歳までは生きられるという診断が出ました。これは喜ぶべきなのか?落ち込む答えなのか?微妙です。
残りの年数が出たら、それまでに必要な資金を計算するために著者が提案した計算式がこちら。
死ぬまでに必要な金=1年間の生活費 X 人生の残りの年数 X 0.7
生活費は現在の生活費、係数が0.7というのは、年齢を重ねると今より必要な経費が減るという考えに基づきます。
ざっくりと計算してみると、私の場合は現在の貯金残高と受給されるであろう年金の総額を合わせても、あまり余裕がないことになってしまい、ちょっと焦りました。
楽しかった経験が思い出となり、老後の生活の心の支えになるということはわかりますが、やっぱり楽しいことに対して積極的に資産を使うことには慎重になってしまいますね。
