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晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜

晴れた日は山に登り街を走り、 雨の日は好きな音楽を聞きながら本を読む
そんな暮らしがいい!

私は基本的に文系人間なので、読む本も小説やエッセーの類が自然と多くなります。それでもたまに、数学や物理学などの理系の本を読みたくなる時があり、今回もそんな周期だったかもしれません。

 

ラン友さんがSNSで紹介していた本が「面白そう!」と思って、速攻で図書館に予約しておいたのをようやく手にすることができました。

 

 

サブタイトルとして「人工知能時代に人間であること」とあるように、この数年話題になっている AI *に人間としてどう向き合っていくかという内容です。

(*正確には生成AI になりますが、単にAI と書きます)

 

著者はマサチューセッツ工科大学(MIT)の理論物理学の教授で、「LIFE 3.0」という変わったタイトルは、著者が考える3つのレベルの最終段階のことです。

 

LIFE 1.0とは、単純な生物学的段階で、生きているうちに自分のハードウェア(原子からなる体)もソフトウェア(頭脳または能力)も設計し直すことができないレベル。DNAによって何世代にもわたる進化で変化するだけの状態。つまり人間以外の動植物のこと。

 

LIFE 2.0 とは、文化的段階で、自分でソフトウェアの大部分を設計し直す(アップデートする)ことができるレベル。言語やスポーツなどの新しい技能を体得して、自分の考え方を改めることができる状態のこと。現在の人間はこれにあたる。

 

LIFE 3.0 とは、技術的段階で、自分でソフトウェアだけでなく、ハードウェアも設計し直して、自分の運命をコントロールできるレベル。何世代もかけて徐々に進化する必要のない状態で、地球上にはまだ存在していない。

 

LIFE 3.0 は私たちが生きているあいだに誕生するかもしれないという前提で、それによってどんなことが起こり、我々人類にとってどんな意味があるのか?というのがこの本のテーマです。

 

小難しい数式などは一切出て来ませんが、それでも物理学から宇宙工学、さらには哲学の範囲まで広がっており、読み進むにつれて文系の私には次第に頭の中に?が増えて来て、半分も理解できませんでした。

 

人間とロボット(サイボーグ)を始めとする機械との付き合い方は、「鉄腕アトム」の時代から様々なかたちで取り上げられています。人間と協力して我々の生活を助けるのか?はたまた暴走して人間を支配するのか?

(それを考えると手塚治虫という人は天才というか先見の明があったなと、改めて感心します)

 

物質(機械)が知能を持つとはどういうことか?記憶する、計算する、学習する、という定義から始まり、機械にできることは何か、逆にできないことは何か、と話は広がっていきます。

 

AI に単純作業を肩代わりさせている段階なら問題ないのですが、それが知能を持って学習(ディープラーニング)し、人間と対等もしくはそれ以上の能力を持った時にどうなるのか?そうなる前に人間がコントロールできるのか?

 

著者は様々なシナリオを用意して、機械との付き合い方を模索していきます。機械が”意識”を持った場合にはどうなるのか?逆に”無意識”の状態で機械が動くようになったら??

 

この本が書かれたのは2017年で、その頃からAI 研究は飛躍的に発展し、今や ChatGPT,Copilot,Geminiを始めとする様々な生成AI が使われるようになりました。

 

それらを使いこなすうちに、近い将来に科学だけでなく、政治・経済・軍事など幅広い範囲で様々な問題が起きることを著者は予想しておかなくてはならないと警告しています。

 

予想していた以上のスピードで進化している生成AI。技術の進歩に我々の理解が追いついていないのが現状です。

 

AI が人間の知能を追い越すのは、10年後なのか、100年後なのか、はたまた永遠にそんな事態は現れないのか?いろいろ考えさせられる一冊でした。